ストラデバリという西洋弦楽器の名器が存在する。現代の精密加工の技術を駆使しても、再現することが
出来ない。かなり製作のメソッドが確立されている、西洋弦楽器の世界であってもこんな現状なのである
馬頭琴は、製作者の感覚に頼って作られている。最近は過剰な装飾の馬頭琴が目に付くが、根本的な音質
とは無関係である。ただ、ストラデバリが現存する理由のひとつに、同時期に製作された西洋弦楽器より
丁寧に作られており、結果としてストラデバリの楽器が丁寧に扱われてきた結果とする説もある・・・?
馬頭琴の音質・音量に影響する要素は、ネックとボディの接合具合・魂柱の位置・テイルピースの位置・
テイルピースロープの素材・駒の素材等、多々存在する。なのでひとつづつ試してみて、80点の出来の
楽器の音色を、100点にする努力を積み重ねる。70点の楽器を100点にするのは、経験的には無理
だと思っている。なので、入手するなら、出来るだけ良い楽器を選択する必要がある。まあ、100点の
実力で演奏出来なければ、100点の楽器は猫に小判とか豚に真珠だとか、宝の持ち腐れになってしまう
手持ちの馬頭琴の下駒のストックである。右側3列が内モンゴルの馬頭琴用で、左の3列がモンゴル国の
馬頭琴用だ。右から3列目は、フランスのオベールという西洋弦楽器の駒専門の会社製の、ビオラ用の駒
である。内モンゴル製の馬頭琴では、かなり効果を発揮するチューニングの手法である。標準・ラックス
・デラックスの3種類があり、高価なものだと現在4500円前後する。これを1枚づつ試して、最適な
1枚を選択し、整形する。値段が高ければ良いではないので、できる限り多くのストックを試すしかない
モンゴル国の馬頭琴では、ほぼ白樺製の下駒が使われており、西洋弦楽器用の楓製の硬い下駒に換えても
良い成果は得られていない。唯一の成功例は、バイガルジャブ親方の工房(エグシグレン)で2001年
頃に作られた馬頭琴に、同じバイガルジャブ親方のウランバートルのお店で偶然見つけた、オリジナルの
楓製の下駒が抜群の効果を発揮した1例のみである。駒のみを購入しに行った訳では無いが、購入価格に
旅費などを加味したら、とてつもない投資の元に成り立っているのが、チューニングの技術・・・である
斑らな雲から稀に陽射し、南風が蒸して、気温19〜25℃。 午後3時の気温24.4℃、湿度は74%
(11・142)36.4℃(70〜124)
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