芥川龍之介⑨(報われない仕事)
34歳の冬、芥川が、当時の作家の代表作を集めた、
『近代日本文芸読本』が刊行された。
100人以上の作家に自ら手紙を書き、
収録の承諾を得るのは、並大抵の作業ではない。
2年にわたる努力の結晶とはいえ、
仕事の性質上、収入は少ないものだった。
にもかかわらず、
「芥川は1人だけ儲けて、書斎を新築した」と
いう噂が文壇に流れる。
1人でも多くの作家を載せようと苦心したのに、
評価されるどころか、
当の作家たちから悪評を立てられた。
誠実が仇で報われ、芥川は深く傷つく。
この事件で神経衰弱が進み、
睡眠薬を愛用し、虜となってゆくのある。
創作活動も10年を迎え、題材の尽きた芥川が、
胃を損じ腸を害し、神経を病みながら
名声を維持するのは、
容易ではなかった。
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34歳の冬、芥川が、当時の作家の代表作を集めた、
『近代日本文芸読本』が刊行された。
100人以上の作家に自ら手紙を書き、
収録の承諾を得るのは、並大抵の作業ではない。
2年にわたる努力の結晶とはいえ、
仕事の性質上、収入は少ないものだった。
にもかかわらず、
「芥川は1人だけ儲けて、書斎を新築した」と
いう噂が文壇に流れる。
1人でも多くの作家を載せようと苦心したのに、
評価されるどころか、
当の作家たちから悪評を立てられた。
誠実が仇で報われ、芥川は深く傷つく。
この事件で神経衰弱が進み、
睡眠薬を愛用し、虜となってゆくのある。
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