こばなし

日々のよしなしごと

山田かまちのノート

2005年09月13日 | 山田かまち
黒い血の波は空よりも高い。
ぼくは涙を流して手をのばしても、
ああ、とどかない。
涙だけは激しく空を洗い、
 ……
しかしぼくのからだはいつまでもとどかない。
ああ、この大地に、ぼくはいつまでいなくてはならないのか。
すると神は言う。
「…………」


神さまはいつも、答えを教えてはくれない。
ただ、いつも見ていてくれる。見守っていてくれる。
あらゆる場所に何かがいて、うごめいている。
わたしはそれを常に感じようと努めている。
そしてときどきだが感じられる。
とてもあやふやで、不思議なもの。
わたしは彼らを、愛しているのだと思う。