奇跡はあるんだよ2 2015-02-22 22:27:14 | お話 ペットロス ママは奇跡を願わずにはいられなかった。 あの子を亡くして、ママでなくなった女は旅に出た。 少しでもあの子に近づけるような気がしたから、飛行機の旅にした。 もちろん、星はどこまでも遠く、雲の上にも天国はなかった。 けれど、煌めく白い雲を見つめたとき、気が付いた。 あの子の一部は大気に融けて雨になり雲になり空気になって彼女を包む。 あの子はいつもここにいる。それは小さな奇跡だった。 そして、何より、一緒に過ごした日々こそが、奇跡だった。