ぶれた渡り鳥

消費税を上げなくて済む可能性はある＝安倍首相(ロイター) 07月08日 
消費税上げ焦点に　首相「上げないとは言ってない」(朝日新聞) 07月06日

各所で指摘されていることだが、最高指導者の発言の「ぶれ」はよくない。定見なしに話しているのではないか、「年金は最後のひとりまできちんとお支払いする」という発言のほうも、でまかせかもしれない、という不安を人にあたえる。

長官・次官、歴代８人返納拒否　年金記録紛失問題(産経新聞) 7月10日
　政府高官は９日、厚生労働省が歴代の事務次官と社会保険庁長官に、年金記録紛失問題の責任を取り在職時のボーナス相当額を寄付の形で返納するよう求めているのに対し、２７人の該当者のうち８人が拒否していることを明らかにした。

　歴代の次官１４人中６人、長官１３人中２人が「家庭の事情」などを理由に応じていないという。厚労省は次官経験者に３１０万円、長官経験者に２７０万円の寄付を求めているが、政府高官は「自分たちが問題を先送りしてきたのに責任を感じていないのか。渡り鳥のように天下りを繰り返し退職金を３億円もらっている人もいるではないか」と批判した。

コメント
　歴代の厚生大臣の分が欠落している。ぶれどころではない。常識と良心がマヒしているとしかおもえない。この政策にはもちろん総理も承認しているはずだが、「年金未納者よ、未納を続けるなら、健康保険でしかるべき処置をとらせていただきます。自業自得とお考え下さい」政策と共通の感覚だ。

「くろもじ」の木の匂い

ＣＤブック　長岡輝子、宮沢賢治を読む「第６巻 なめとこ山の熊」を聴く。
表題作の他に、「氷河鼠の毛皮」を収録。

「なめとこ山の熊」。名作の名朗読。
毎度のことながら、巻末の解説も魅力的。

・・小十郎はなぜかもう胸がいっぱいになってもう一ぺん向うの谷の白い雪のような花と余念なく月光をあびて立っている母子の熊をちらっと見てそれから音をたてないようにこっそりこっそり戻りはじめた。風があっちへ行くな行くなと思いながらそろそろと小十郎は後退（あとずさ）りした。くろもじの木の匂（におい）が月のあかりといっしょにすうっとさした。

小十郎が母子の熊に出会い、そっと去るこの美しい場面の最後にあらわれる「くろもじ」の木の匂いの説明には感じ入った。
時代や地域遠く離れた者には到底入手できない情報。

熊打ち名人の小十郎が悪徳商人親父に「搾取」される場面で、思わず入る賢治の憤慨も印象的。賢治の肉声が聴ける感がある。

逃げる逃げないの問題ではないでしょう

安部首相の消費税に関する最近の発言。

・・安倍首相は５日夜、日本テレビの報道番組に出演し、基礎年金の国庫負担分の２分の１への引き上げに伴う財源に関し「消費税から逃げるつもりはない。消費税を上げないなどということは一言も言っていない」と述べ、今秋の税制改正で税率引き上げに踏み切る可能性を示唆した。

　同時に「この秋の抜本的な税制改正については、近いうちに信を問うことになる」と述べ、税率引き上げを決めた場合は次期衆院選で国民の審判を仰ぐ考えも示した。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/61126/

順序が逆でしょう、というのが正直な気持ち。
先に衆院選で消費税税率引き上げの是非について国民の審判を仰いだ後、抜本的税制改正とやらをやるべきでしょう。「抜本的」ならなおさらでしょう。
順序をきちんとするのが「美国」の第一の条件。

 

Okie dokie, you can call Okajima an All-Star

オールスター投手Okie dokie誕生！

レッドソックスGM,テオ・エプスタインの祝福の辞。
It's been great to see," said Red Sox general manager Theo Epstein. "He's been a vital member of the bullpen and of the team since we broke camp in April. He didn't have his curveball in Spring Training. And instead of worrying about it, he went out and further developed his changeup, and made that a plus-plus pitch for him. Now he's got his curveball back, he's locating his fastball on both sides and showing great makeup on the mound as well. So he's done an excellent job."

(レッドソックス公式サイト）

Okajima gets his moment(Projo SoxBlog)

The big board here at Fenway just flashed the announcement that Hideki Okajima had won Final Vote, and as he received a standing ovation from the crowd (and with Denise Williams' 80s classic "Let's hear it for the boy" being played), Okajima stood up in the bullpen with a big smile on his face.

He brought his hands together and bowed to every corner of the field, at least a dozen times during the prolonged ovation.

新星

Powerful pitch
が印象的な記事。

11.5ゲーム差をつけて首位を走るレッドソックスの弱点は、ブルペンのパワー右腕不足。これまでMike Timlinがその役割を果たしてきたが、DLから復帰後調子がいまひとつ。そこに登場したのが、若きManny　Delcarmen。９４－９７マイルの速球を投げる。

クローザーのパペルボンが絶賛している。原語で恐縮ですが、
　“You’ve got to challenge these guys and make them hit your best pitch, which is your fastball,” Papelbon said. “He’s starting to do that more. He’s starting to pound the zone and not be intimidated by any situation.

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    “He’s a power pitcher. Before, the last couple of years, he was just a little bit timid to pound the strike zone. Now he’s just kind of saying, ‘I’m going to go out there with my best stuff, here it is, hit it,’ and he’s being extremely successful. Once you get that, the sky’s the limit for him. Hopefully we can be together in this bullpen for a long time to come because he is such a powerful weapon coming out of the ’pen.”

防御率は現在2.16（8 1/3 innings）。
岡島のペアとなるセットアップパワー右腕がそろえば、クローザーのパペルボンとともに、７、８、９回はほぼ盤石。（なお、パペルボンはストレート、スライダーに加えて、カットファーストボールを使いはじめたとのこと。）

他に、揺らぎ始めた松井秀への評価
も印象的。このままヤンキースが沈んだままなら、トレードの可能性があると言っている。

世界中で最も熱狂的な２つの野球国

オールスター投票 （the Monster 2007 All-Star Final Vote）締め切り間際、ALでは、岡島がわずかの差でタイガースのボンダーマンをリード。

Okajima took over the AL lead from Bonderman in Tuesday's daily update and is bidding to join teammates David Ortiz, Manny Ramirez, Jonathan Papelbon, Josh Beckett and Mike Lowell on the AL roster in San Francisco. Okajima not only has the strength of a very global Red Sox Nation fan base, but also a massive high-tech voting bloc in his native Japan.

"The two most passionate baseball nations in the universe, someone said," Red Sox president and CEO Larry Lucchino said. "Japan and Red Sox."
（http://boston.redsox.mlb.com/index.jsp?c_id=bos）

とまで言われては黙っていられないので、私も投票してみた。数字が読み取りにくいものの、OKだった。私の岡島票は約１０票。

10勝目 スウィート・キャロライン！

松阪、フェンウェイパークでタンパベイ戦に登板。８回を零封し１０勝目(５敗）。 次は、ボストン・グローブ記事の抜粋
（http://www.boston.com/sports/baseball/redsox/extras/extra_bases/）
Dice-K was dominating tonight in a 4-1 win over the Tampa Bay Devil Rays. He improved to 10-5 on th season with nine strikeouts, one walk and allowed four hits in eight innings.

He had great movement on his split-fingered pitch and two-seam fastball. He seemed buoyant on the mound, kind of bouncy and it showed that he absolutely was in a tremendous place with his repertoire and his confidence as a major league pitcher.

Those who have watched him pitch in Japan over the years have commented that America has yet to see the best of Matsuzaka. Now you understand what they mean. There appears to be a gem waiting to come out of his powerful right arm and he keeps coming close.

８回岩村を三球三振にとり、マウンドを降りるときの記述が印象的。 He went 3-0 to fellow countryman Iwamura, who took three straight strikes to end the inning and send the Sox crowd into a loud roar as "Sweet Caroline" accompanied him off the field and into the dugout.

岡島インタビュー
Okajima up for final All-Star vote

ＭＬＢ公式サイト、追い込みに入ったオールスターfinal vote、岡島紹介記事
Hideki Okajima, LHP, Red Sox
His first pitch in the Majors was put over the wall, and the turnaround happened right after that. Okajima has been clutch in the Sox bullpen all season, a force alongside Jonathan Papelbon. What were the odds entering the season that Boston would have a pitcher from Japan win the AL Rookie of the Month award and his name would not be Daisuke Matsuzaka? Okajima has a gaudy 0.82 WHIP, 13 holds, four saves, and a .163 opponents-against average. Just ask the Yanks what this guy has meant.
（http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20070701&content_id=2060174&vkey=allstar2007&fext=.jsp）
「彼が誰かを知りたければヤンキースに聞け」はよい。

当惑

安倍首相が任命責任認める、久間防衛相の辞任（読売新聞）

年金問題、農水相自殺その他でも安倍さんは責任を認めていたと思う。
一切責任を認めない隣国の独裁者よりよい。いさぎよい、ともいえる。

しかし、政治家が「責任を認める」とはどういうことだろうか。
安倍さんの発言を見ていると、どうも「さらにがんばる」ということのようだ。
がんばるのはけっこうだが、この「責任を認める」は少なくとも私にとって新しい用法だ。当惑する。

「責任を認める」と述べてよいし、述べるべきだが、その際には相当の説明を加えておかなくてはいけないだろう。

年金記録漏れ事件を参院選の投票の判断材料にする

与党、「しょうがない」発言の火消しに躍起(朝日新聞)
内閣支持率、最低の２８％　本社連続世論調査(朝日新聞)
安倍内閣 不支持が5割超える

＜毎日世論調査＞内閣不支持５２％　森政権以来の５割超え 7月2日 

毎日新聞は６月３０日～７月１日、電話による全国世論調査を実施した。安倍晋三内閣の支持率は前回５月調査と同じ３２％だったが、不支持率は８ポイント増の５２％で昨年９月の発足以降最悪となった。不支持が５割を超えたのは森喜朗内閣の０１年２月以来。年金記録漏れ問題については、７４％が「参院選の投票の判断材料にする」と答え、主要争点となっていることを裏付けた。問題に対する政府・与党の取り組みに対しては「評価しない」との回答が６３％にのぼった。 　◇年金問題が逆風材料に　女性の「安倍離れ」進む 　年金記録漏れ問題を「参院選の投票の判断材料にしない」と回答したのは２３％、政府・与党の取り組みを「評価する」と答えたのは３２％にとどまった。この問題が政府・与党にとって逆風の材料になっていることをうかがわせ、内閣不支持の増加の一因にもなっているとみられる。 　参院選の投票の判断材料にする人を年代別にみると、２０代の８３％が最も高く、７０代以上の５７％が最も低かった。若い世代が将来不安を感じ、年金問題を重視していることがうかがえた。 　内閣支持を男女別にみると、女性の支持率が３２％（前回比３ポイント減）と政権発足以降最低を更新した。不支持率は男性の５４％、女性の４９％ともに最悪となったが、男性が１ポイント増だったのに対して女性は１２ポイント増。女性の「安倍離れ」を示した。 　公務員制度改革関連法を成立させるための国会延長については、「成立を急ぐ法律ではなくおかしい」が３７％、「参院選を有利にしようとするもので、おかしい」が３１％。「法律成立のため必要」は２２％にとどまり、否定的な考えの方が多い結果となった。 　また、同法が天下り問題の解決につながるかどうかは、「思わない」が６８％で、「思う」の２６％の２倍以上。国会延長を決断してまで法成立をはかった首相の考えに理解が進んでいないことを示した。 　政党支持率は自民が前回と同じ２５％、民主は１ポイント減の１８％などだった。   コメント 某雑誌をのぞいたところ、宙に浮いた年金５０００万件は金額ベースで２０兆円を超えるとの推測。これでは、長年の政権政党の議員が選挙で失職というかたちで責任をとる、というのも当然だろう。「民主は１ポイント減の１８％」の政党支持率というのもなさけない。問題のある議員に責任をとらせず、国会質問に登板させる、などというのは、政権をうかがう政党とは思えない。また、選挙をお祭りにすべきではない。国民の声を汲んだ正攻法でいくべきだ。

嘆息

有権者あきれ果て　「久間発言」受け　九州の有権者(西日本新聞) - goo ニュース

短期間で多数の重要法案成立！いざ参院選出陣！と意気込む安倍さんの鼻先に、アメリカによる広島・長崎に対する原爆投下を是認するか、のような防衛相の発言。
安倍さんも、とくに問題視していないようだから、今度の選挙は「美しい国」路線で勝負する、ということのようだ。

防衛相というのは地元長崎選出の人とのこと。意外だ。この前、ブッシュ政権を批判する発言をして、アメリカを怒らせたから、その穴埋めのつもりだろう。

何か、最近、この種の意外が多い。公安（検察）のさきの責任者が朝鮮総連を詐欺ったり、アメリカ寄りのはずの日本の首相が、アメリカにおかげをこおむっている戦後民主主義を打倒されるべき「アンシャン・レジーム」と攻撃したり、道義上の問題続出の政権が子どもたちの徳育教科化を断固推進したり、雨水で食品を解凍したり、・・・

よくガラクタを集めた、と嘆息する向きも多かろう。
久間防衛相発言　被爆者ら怒り、失望（琉球新報）
防衛相の発言は将来の原爆投下の可能性を（阻止するより）促進する方向を向いているから、「犯罪的行為」と指摘されてもやむをえまい。