鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

昔あった鳥海山の山小舎

2020年04月30日 | 鳥海山
 どこへも出かけない日は鳥海山に関しての本を開いて楽しみます。
 先日、蕨岡大物忌神社の山本坊のご主人と話をしていた時、「清吉さんは知っているかい?」と聞かれてしまいました。清吉さんというのは今は廃道となってしまった清吉新道を作った方です。
 その清吉さんの残した本「鳥海山登行」(昭和58年発行)に、そのころまでにで無くなった山小屋の一覧が出ています。
 鳥海ブルーライン、鳥海高原ラインといとった標高1,000m以上へ簡単に行くことのできるようになった現在、その痕跡すら残っているものはないようです。これより標高の高いところでは、矢島口の氷の薬師にも山小屋があったと佐藤康さんの記録にも出ていますし、江戸時代には伏拝岳にも拝所としての施設があったとされています。
 明治期における吹浦、蕨岡両大物忌神社間の争い、それに敗した蕨岡の衰退は鉄道も近くを通らないことも併せてかつての賑わいを取り戻すことなく現在に至っています。
 横堂の拝所もすでに無く、河原宿の参籠所も荒れ果てたままで崩れ落ちるのを待つ状態です。
 あっちこっち歩いてみたいんですけど蕨岡口なんて熊と出会うのが怖いですね。あれが大熊猫ならいいんですけど。

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