すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

97歳への憧れ。

2013-01-15 11:03:16 | 本・映画・音楽

今年最初に読んだ本は、「97歳の幸福論」。御年97歳の現役報道写真家、笹本恒子さんのエッセイ。

都内のマンションに一人暮らし。老人ホームに入ることを考えたこともあったが、その資金を、リフォームに充てて、自由な生活を満喫している。

58歳のときに夫が亡くなって、それ以来の一人ぐらしというのだから、筋金入りだ。

お子さんはいないようで、週に一度姪御さんが訪ねてくるという。

食事は、毎食自分で作り、夕食にはお肉と赤ワインが必ず並ぶ。その盛り付けの美しいこと。食器にもこだわりがありそう。

毎朝テレビ体操や、英会話の視聴も欠かさない。自分に甘えを許さず、お洒落や美意識へのあくなき思い、あらゆるものへの好奇心も、決して衰えない。

「孤独」を感じることは、もちろんあるという。それでも、仕事関係者や姪っ子、ホームヘルパーなど、いろんな人が頻繁に訪れてくれるので、さほど強烈に感じてはいないようだ。

強い人だな、素敵な人だな、と思う。

人を受け入れ、それでも必要以上に人に依存せず暮らしている様子に、本当に尊いものを感じる。

97歳という年まで健康ではいる自信はないけれど、自分の遠い目標ができたような気がする。