すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

浜田真理子さんの歌声

2005-02-28 23:48:41 | 本・映画・音楽

昨日から聴いている、浜田真理子さんというボーカリストのアルバム。
ネットで視聴して、
「これは、やばいかも」と思ったらビンゴ。
アルバム二枚「MARIKO」「あなたへ」を手に入れて、
すっかりはまってしまった。
というか、もう中毒に近いかも。

シンプルなピアノに合わせた、
シンプルかつ情熱的な詩と癒し系の歌声が、
彼女のいわゆるセールスなんだけど、
私には、その詩がいいのか、歌声のどっちがいいのか、
よくわからない。

詩は、たとえばCoccoを彷彿とさせるけど、
あそこまでクセがないというか過激でない。
歌声は、キャロルキングとか、ノラジョーンズとか、
声を裏返すところなんかは、元ちとせにも似ているけど、
彼女たちほど、個性的でもない。

でも、この詩とこの声が組み合わさると、
なんとも不思議な世界を作り出してしまう。
これはいったい何なのだろう。

とにかく、この人の歌を聴いていると、
客観的に考えると、
どうしたって癒し系の穏やかメロディなのだけど、
落ち着かなくなって、呼吸が荒くなって、
胸がにわかにドキドキしてくる。
そして、やがて体が脱力する。
ほかごともあんまりできない。

なにか、特定な人間の脳みそに反応する、
特定ななにかが歌に紛れ込んでいるとしか思えない。

・・・一見神秘的な彼女も、その実像はものすごく普通の人。
その普通すぎるとことが、逆に普通でないといえる。
わたしが惹かれるのは、そこかもしれない。
娘さんが一人いるお母さんで、
コンピュータのソフト会社で会社勤めをしていたりなんかして、
「生活との調和があってこその歌」というポリシーを持っていて、
メジャーへの関心が極端に低く、
いまだ東京から遠く離れた松江に暮らして、
時々気が向いたら・・・といった形でライブを開いている。

淡々と送っていそうな日常の中から生まれる歌のその熱っぽさを思うとき、
私たちの日常だって、捨てたもんじゃないかも・・・なんて思わせてくれる。

そのそもこの歌声との最初の出会いは、
寺島しのぶ主演で話題になった映画の「ヴァイブレータ」。
そのエンディングにかかっていたのが「あなたへ」。
映画の余韻に浸るのにはこれ以上にない楽曲で、寺島しのぶの、
最後の切なくてでも満たされた表情に、うまくかぶさっていた。

映画全体の純度を一気に高めたと思う。
その「あなたへ」の歌のどうしてもちゃんと聴きたくて、
いろいろ探し当てて、突き当たったのが、
浜田真理子さんというボーカリストだった。

一度ライブに行ってみたいな。