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10月22日「第四回シノギング講習 基礎編」の様子

新たな試みとして開催させていただいている「シノギング講習」も、早いもので4回目となる。

初回3月4月回で好評であった、基礎編と応用編の2部構成版が、満を持して再開催となる。今回は6人の有志が集いて、まずは基礎編をみっちりと叩き込ませていただこう。

さてさて皆集結した所で、喧騒から離れた広場へ移り、凌三種の神器の内二つ、「ツユハラヒ」と「クナイ」をお貸出し(半強制 )。クナイは我々もそうだが、シノギングにおいて着けていかない日などないほど使用頻度は高い。ツユハライも常に携行はしている。よしよし、これで私の荷物も減らせた笑

そして森勝氏へバトンタッチ。毎度お馴染みではあるが、基本中の基本。コンパスの蘊蓄とコンパスの使い方。

東南西北、白發、、じゃなかった。北西や南南東。

最大でもコンパスを使って16方位を理解して、その方角を向く事が出来れば、日本の急峻で限られた尾根谷だらけの低山は大体こなせる。

そして大切なのは常に方角を意識すること。これは一般的なピークハント登山でも大いに役立つはず。山頂で3つや4つに下りのルートが分かれている時、道標を探すのではなく、地図とコンパスで方角を確認すれば解決するお話。

そしてお渡しした本日の地形図にて、一先ずの目的地を設定。その間、特徴的な目印も選定する事、ルートは線でなぞる事、節目に時間を記す事。。シノギングに必要な情報を伝え申す。

いざ出陣。

そして早速のミチクサ笑 しかし大事な事だったので、しっかり止まってあれやこれや。地形図上での特徴的な場所の見つけ方とその一致の仕方の際たる例をご紹介。

シノギング延いては低山地図読みにおいて、切っても切り離せない、あれが「モミ」の木だよ~

ようやく山の中へ。まずは我々が稜線まで先導す。他人が用意したコースタイムは当てにせず、自分のコースタイムを出すべく淀みない速度で登る事。

今回は基本しっかりした登山道をタドルが、それにコンパスと地形図を重ねるだけで十分実践的なシノギング地図読み歩きが出来るものだ。早速対岸に良さげな尾根を見つける。こういう所をチェックし、気になるならば行けば良いし、他に目的地があるならばまた次回の宿題としておけば良い。ミチクサを楽しむのもシノギング。

程なくして稜線の四差路に到着。ここで現在時刻をチェックし、時間を計る。大体このくらいのスピードでこの標高差の登りのコースタイムが出せる。そこから大体の計算で、この先の途中途中のポイントの時間も割り出せる。(厳密には稜線上でもう一度コースタイム感を計る必要はある)

間にまたまた森勝蘊蓄が入り、時間を乱されるも笑 また出発する際はちゃんとその時間を記す事。そしてまた淀みなく進む事。

途中ごにょごにょと目的地を設定し、主稜線から外れた支尾根に入る。途端に人気は無くなり、静かな山歩きへ。我々が言う「別荘」という場所は、基本主たる道から外れた支尾根の先にある。たまに同志と遭遇する事もあるが、、その時はまた話に花を咲かせれば良い。

そうしてこじんまりしたY支尾根分岐辺りで再度ミチクサを。。この後、延いては来月の応用編でも抜き打ちでテストするロープワークといこうか。

ある程度知識ある方でも、説明するとなるほど納得。そんなシンプルだけど最小限のロープワークを伝授。簡単な事だけと、注目されなながらやってみると、??右か左か下からか上からがか、ちょっと覚束なくなることもある。内容は本当に簡単な事。だから単純に反復練習でひたすら体に叩き込むのが大切。それが身についてから次のステップに進めば良い。ただ正直、このシンプルロープワークさえ出来れば、大体のアウトドアはこなせてしまうのも実情。。

皆夢中に聞き入り、ひたすら練習をしてくれていた。来月のためにも、その一ヶ月もしっかり練習するんだよ~

また小一時間ほどミチクサしてしまった。。次の目的地を設定する。。この繰り返しがシノギング地図読みの根幹でもある。

次のひょっこりはんへの尾根の手前。隣尾根と合流して分かれるT字路。そこから見える送電線の目印に。などなど。。

ぐるぐる一般登山道を地図とコンパスでチェックポイントとして通過していく。皆さん何となく感覚が掴めてきたかな?

地図読みで支尾根へ迷い込む事が出来るようになると、こんな素敵な廃鉄塔と出会う事も出来る。

その手前で先頭グループが良い間違い方をしてくれたが、ピンクテープや、ここ歩きやすいなーという道に騙されて、吸い込まれるようにその道を辿ってしまう事がある。基本は尾根(稀に渓)を辿って進むのがシノギング。その前にそういうルート取りをしっかり捕捉しておき、渓沿いに下りていきそうな道は注意すべし。巻き道も然り。明らかな情報が無ければ基本は尾根を辿れば間違いはない。

それを再度意識してもらいつつ、小さなアップダウンで離れた支尾根のピークへ到達◎

ここで少し遅めのお昼休憩としよう。人数分ハンモック張れそうな空間。ここで2グループに分かれ、ハンモック初めての方はお貸出しと共にしっかり張り方を伝授。勝手知ったる方々は、フラフラと自身の別荘を探して休憩タイムへインしてもらう。

久しぶりに参加者全員張れたか。。そして今回大増刷された宿題マップを渡し休憩中にざっくり見てもらう。参加者皆さんお住まいのエリアも加味して選定したマップは、単純に個人練習用で行ってみても良いように。そしてこの中から次回のルートを皆さんに選定してもらうのも目的である。

一番奥でひっそりと張り、黙々と宿題マップを眺めるSのA氏

休憩時の凌正装で身を包み、アルストで粛々と休憩される寡黙なO氏

凌談義でご参加いただき、満を持しての実地シノギング参加が叶ったSのM氏。(実は昔々から弊社ブランドご愛用いただいているよう...ありがとうございます)

初めての山中ハンモック。カンボジアでご購入されたハンモックへも活かしてもらえればなU氏。

ハンモック経験は豊富ながら、シノギングや地図読みに対しても大いに感銘いただいていたY氏

久しぶりの若い世代!色々とスポンジのように吸収してくていたN氏

この6名が今回の凌選抜隊員たち。来月、どこまで応用編にて進化してくれているか。本当に楽しみだ。

さてさて、ハンモックでゆっくりしたい気持ちに後ろ髪を引かれつつ、、次回のシノギングエリア選考会へ。その前に、お渡しした宿題マップにて我々の解説を。

森勝氏や我々は、それぞれ異なった目的で、シノギングとして山に入る。廃墟や気になる地形を目指したり、平場の多いモックポイント別荘を目指したり、、何も山に入るのは山頂を目指すためだけではないのだ。我々のような他愛もない目的や目的地を、それぞれの知見や経験をもとに選び、どんどん実践していってもらいたい。その自身の道をタドル中でちょっとした”凌”を織り交ぜていただければ尚良いではないか。山や自然との付き合い方の一つの選択肢として、シノギングを捉えていただければ幸い。

解説からの次回ルートの選定はやはり時間を要す。20程用意したルートから一つを選ぶのはやはり難しく、消去法によりあるエリアを一先ず選定した。そしてここで新たな宿題を課すことに。6名それぞれこのエリアで自分が歩いてみたいルートを考えていただき、次回当日に解説してもらおう。そこから実際歩くルートを選定する事に。何だかまたまた面白くなってきた。よしよし。。

色々と脳みそを使ってもらった後に、更に追い打ちを。。まずは先のロープワーク復習を兼ねた、タープ張りとツェルト張り。

これらは来月抜き打ちテストします笑 その際に皆さんの張り具合をまたお見せしようではないか。

そして、簡易だがメタルマッチを使った火起こしという名のアルコールストーブ着火。これもテストあります!単純にメタルマッチ持ってるけど使い方が。。という方には効果絶大。

完全に脳内をトロけさせた所で、最後に分かりやすい”凌ぎ”の部分となるシノギングへ誘う。

 

「このピーク地点から渓底へ下りて下さい」

 

ここは支尾根の先の先。見渡す限りフミアトらしいフミアトはない。そうなればこれまでの経験知識を活かして、地形図とコンパスで道を拓くしかない。では出発!

最初少し怪しい動きもあったが、方角と地形図とを一致させて、渓へ延びる小さな尾根へ乗る事が出来た。ほぼ北側の斜面且つ針葉樹帯により、薄暗く不気味な雰囲気が醸し出される。。

針葉樹帯=人が入っている+土台がしっかりしている。そして尾根=植生界をしっかり見分けながら進む事。それら手がかりを元に点と点を線で繋いでいく。嫌な感じの雑木林は要注意!

到着!!

標高差は80m前後。時間にして15分ほどの凌ぎ。。しかしながら内より溢れ出る達成感。これがシノギングの醍醐味でもある。近場の低山のこんな短いルートでもしっかり楽しむ事が出来るのだ。

そんな達成感満足感に浸りながら、沢を辿り国道を目指す。

この渓沢がまた苔蒸し、適度に荒れていて良いのだ。

途中沢をタドル組と、崩落した先の道をタドル組で二手に分かれる。道の方が楽なのに、あえて沢をタドル皆さん。これこれといった感じ笑

我々と一名SのA氏は林道らしき道をタドルタドル。

そうして最終沢の堰堤手前で合流。皆興奮冷めやらぬご様子。

そうしてそのまま拓けた国道手前の道に出る。目と鼻の先にこんな道が広がっていたとは。。低山奥深し。

下道を辿って駅へ向かうその道中、ちゃっかり先の渓の北隣のピーク尾根を越えた先の出口も確認。ちゃんと繋がっている。こんなところ普段なら見向きもしないだろうが、地図読み、シノギングを知ってしまうとそうもいかなくなるのよね。

無事駅へたどり着き、来月応用編の決め事を再確認した後、解散と相成った。

 

さてさて、来月応用編は如何に。。今から我々も野次を飛ばす練習をしておかねば。

 

基礎編いわば仮免試験合格としての、決して笑ってはいけない奴。

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