「本日も読書」

読書と映画の感想。ジャンル無関係、コミック多いけどたまに活字も。

殿様の通信簿

2012年05月17日 | book
武士の家計簿、の磯田先生の本。

昔の幕府の誰かアタリが書いた、各藩の殿様の評判の書物が東大に1冊だけあるそうで。
それを読んだ磯田先生が、何人か殿様をピックアップし、どんな人だったか伝えられている話と
実像との違い、さらには本当の殿様像を描く、という本。

前にコンビニで、ものすごい数の殿様の通信簿みたいな、殿様レビューみたいな本が
あったんだけど、その本よりもはるかに、磯田先生の本は深い。
馬鹿殿と言われた人を掘り下げ掘り下げ、その心情はいかばかりか迫る。
時代背景や、江戸幕府の中に組み込まれた大名としての立場を考え、表面的な行動だけでなく
殿様の置かれた立場や境遇、本音を丁寧に書いている。

とても読みやすいし、解説本なのに小説のような、殿様がいきいきと頭の中に描けて、
物語になっているかのような。

磯田先生は前から優れた視点を持っている方だとは思っていたけども、
作品を通して本当に嫌味のない、読みやすさ、わかりやすさを感じる。
本当に頭のいい人ってこういう人なんだなあ、という。
勉強だけでなく、歴史が好きなんだ、というのを感じるし。
作品の中で冷静だけど眼差しが優しい感じがする。

これからもどんどん古書を集めてw
本を書いて頂きたいですねえ
ほんと磯田先生は面白く読みやすい本を書かれています。

殿様の通信簿 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

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