「本日も読書」

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「戦闘報告書」が語る日本中世の戦場

2015年10月01日 | book
最近はこういう細かい歴史の話がどんどん好きになってきたなあ
話の内容としては、武士たちはどんな兵器に殺されていたのか、ってことなんだが、
そこから本当の戦場の様子はどうだったか、って話に。

刀を使っているやつなんて少ないんだと。
実は弓矢、投石で死んでいる人間がたくさんいて、戦場のメイン武器は昔からそういった遠距離攻撃だったっていう。
だから火縄銃が出てきたからといって、劇的に戦場の様子が変わったわけじゃないというね。
最初から刀の時代なんて無いんだよ、という。

じゃあなんで刀の戦闘シーンばかり注目されるようになったのか、というと
どうもえらい人たちがそういう戦いを褒めるからだと。
というかそういう人を褒めざるをえないじゃない、という。
勇敢な人が見本みせないと誰も戦わないし、みたいな。

なるほど。たしかに接近戦をした、っていうのは勇敢だし、褒める理由になるわなあ
本当はたくさん弓矢や銃、石で死んでいるのに、その報告はだんだん数字だけになっていって。

ただそれよりも実は気になったのは、たとえば激戦区にいたはずの兵士から、なんの報告も無いのはどういうことだ!と
確認されたら、その戦場にちょうどいなかったとか様々な言い訳をしているっていう話。

あるいは同士討ちはどう報告されたんだろうか?っていう疑問とか。

たしかに皆が皆真正面からワーワー戦っているわけがなく、逃げるやつもいれば、混乱することもあるし、
しかも遠距離攻撃メインなら手柄を証明するのも難しいし、などなど考えはじめると、本当の戦場って
もっとゴタゴタしていそうで。

さらに戦闘が終わったあとの手続きという面でも、この報告はどう行われ→それを見て感謝状は誰に送られるのか、とか。

これまた最近の歴史番組の種本になりそうなw
だけどこの本をもとにした戦闘を再現してほしいっていうのはあるなあ。
ある日の戦闘の動員から戦闘開始、その様子、最後まで、そして戦後の報告から感謝状が送られるという一通りの流れみたいなもんを。

「戦闘報告書」が語る日本中世の戦場
クリエーター情報なし
洋泉社

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