今夜も一杯 ! ヒロシのブログ

電子書籍で「新サラリ-マンの法則」 「笑いの宝庫」を出版しました。

今夜も一杯

2006-11-02 07:12:50 | 失敗した経験
ずいぶん昔の話だが酒を飲んで失敗した話を思い出した。お茶の水駅の近くの居酒屋にフラリと入って、カウンタ-で飲んでると、同じような年齢のサラリ-マンがお店に入ってきて、隣の席に座った。この店のなじみ客みたいで、店の大将と気軽に口をきいている。次々と新しい客が入ってきて、大将も他の客の応対に忙しくなると、そのお客は手持ち無沙汰のようで、こちらに話かけてきた。別にお互いに名刺を交換するわけでもなく、名前を名乗るわけでもなく、最近の世情がどうかとか、景気がどうかという、他愛もない話題を繰り返しているうちに、彼が東京で単身赴任の生活をしていると分かった。2時間ほどその店で飲んだ後、突然、彼から場所を変えて飲もうという提案をしてきた。時間は8時過ぎ、軽い気持ちで”良いですよ、どうせ暇だから”と答えると、彼は店の大将に”日本酒の一升瓶を1本持って行くから”と頼んで、それを抱えて、店を出て歩き出す。どこに行くのか聞くと、静かで、うるさい客は誰もいないところだと言う。あるきながら、キョロキョロお店を探している。小さなス-パ-を見つけると、少し待っててと言って一升瓶を自分に預けると、数分後に、両手にツマミ類を抱えて出てきた。この当たりからイヤな予感がする。およそ15分ほど歩いて、とあるビルの前で止まると、ここだよと言う。どう見ても8階建てくらいのオフィ-スビル。ビルの横から夜間出入口にカギを差込、エレベ-タで5階に上がった。また鍵を出して、ドアを開けて入っていく。夜は大元で電源を切っているので部屋の電気は付けれないという。部屋の非常等の明かりだけしかない。薄暗いが、見えないことはない。事務所は応接室もなく、机が8個程度並ぶ面積。自分の机らしきところの引き出しから大きな、たたみ1畳分くらいのテ-ブルクロスを出すと、机の上に広げて、日本酒とツマミを並べる。事務所内にある、小さな炊事場から茶碗を持ってくると、さあ飲もうということになった。家に帰っても一人なので、時折会社で飲んで、寝泊りしてるという。1時間もしない内に二人で一升瓶を空けてしまった。さあ、帰ろうかなと思っていると、彼は炊事場の横のロッカ-から焼酎の瓶を取り出してきた。お湯も冷蔵庫もないので、飲むのはストレ-ト。日本酒を飲んだお茶碗で焼酎を飲みながら、彼が自分の人生を話すので、聞き役に回ってるうちに、お互いに酔いが回ってくる。彼が泊まって行けばというので、どこか仮眠室でもあると思って、安心して飲んでるうちに、最終電車の時間も過ぎてしまった。もう午前1時くらいになって、寝ようということになった。彼は机の横の一番下から寝袋を出してきて、これで寝てくれという。事務所の床に、寝袋を出して、入りこんだ瞬間、眠気と酔いで眠りこんでしまった。翌朝、早く起きてくれ、社員が出勤してくるからという言葉で起こされ、慌てて着替えて、部屋を追い出される。その時に、申し訳ない、また埋め合わせをするからと言って名刺をだすので、こちらも名刺を出した。ビルを出た後に、身体は二日酔いだし、ヒゲは剃ってないし、ワイシャツはシワだらけに気が付いた。結局東京駅の地下の東京温泉で、ワイシャツのスピ-ドクリ-ニングを頼み、サウナに入ってヒゲを剃って出勤した。その日の夕方に、彼から電話が掛かってきた。お詫びをかねて、今夜も一杯どう?。昨日の店で会おうよ、遅くなれば、また自分の事務所に泊まれば良いじゃないという。感謝の言葉を述べて、電話を切った。その時に思い出して、貰った名刺を取り出してみると、特許事務所の職員だと分かった。その日は身体の節々が1日中痛かった。人の会社の床で寝るもんじゃないという事だけは覚えた。






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