電話に出たら、「私はSと申します。実は....」という仕事に関係する一般的な問い合わせの内容だった。こちらも名乗らないで、しばらく話をするうちに、相手から「ひょっとして、昔どこそこの会社に居たMさんですか?」という突然の質問にビックリした。こちらも相手の声で瞬時に思い出した「どこそこにいたSさんですか?」とオウム返し的な質問をした。
まさに奇遇である、というより15年くらい前に3ケ月だけ営業の仕事を一緒にする機会があり、その後お互いに音信不通だった。当時S氏が所属していた会社を2度程訪れた事がある。ヨ-ロッパに本社がある日本法人だった。社長は外国人だが、名前が同じMで始まるイニシャルだったので、なんとなく気があった。何度か訪問している時に、M社長が日本は始めて着任する国ので日本の営業のやり方よく分かりません。「自分がヨ-ロッパ人で日本で仕事をする為には、色んな日本的な障壁が多いのでビジネスがうまく行きません。お役所に行っても、どうすれば良いのか誰も教えてくれません。日本で外国人がビジネスを円滑に出来るように障壁を取り払うためには、誰にお願いすれば一番良いですか?」という質問をしたので、「本当に日本で仕事をはじめたいなら、総理大臣を表敬訪問をして、ビジネス障壁を緩和して貰うようにお願いするしかないですよ。」と何も考えないで気楽な回答した記憶がある。
それから、半年後くらいに、M社長から電話があった。「アドバイス通り、総理大臣に直接会ってお願いしてみたら障壁を下げてくれてうまく行きました。ありがとうございました」と言うので、腰が抜けるくらい驚いた事を思い出した。