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第5回 F-4D ファントムⅡ 迷彩色の境界



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 趣味人(シュミット)の
   プラジェクトX(ばってん)へ!

ヴェトナム迷彩(正式名称ではないがこれで通用している)などに見られる塗色境界の色が混じり合う幅の事をモデラー間では「ボケ足」と言います。PCの描画ソフトでも使われている画法(技法)で、その幅の広さによってボケ足が長いとか短いとかで表しています。






拙ブログタイトル画像にも使っているタミヤの箱絵のズームアップです。絵の中でも境界はくっきり分かれていない混じり合った様に描かれていて、コードレターと無塗装金属外板と接するところだけがきっちり塗り分けてあります。




ボックスサイドにある側面図のカラーガイドにもボケ足があるように描かれています。機体の大きさに比べて、ボケ足は長く描かれています。





同じくボックスサイドの塗料指定ガイドの平面図は小さいので、迷彩境界はくっきりと描かれていますが、ここは塗料の名称が分かれば十分です。





プラジェクトX(ばって〜ん♡)





以下の実機画像は、航空ファン別冊 イラストレイティッドF-4 ファントムⅡから抜粋




影の落ち方から解るよう、炎天下の中で撮られた機体の迷彩が、モノクロでも3色と分かります。またその境界は何となくボンヤリしています。




この機体の垂直尾翼の塗り分けは、ボケ足が長いほうです。明るく見えるタンが他の緑系の色に深めに被っています。見方によっては逆にも取れますが。





これもボケています。あっっ!機体全体がボケてました。流し撮りのタイミングが合わなかったのでしょう。アレスティングフックを使っての着陸(着艦)訓練の様子です。

これはボケをかます☆






何やってんだ(怒)と、パイロットが見上げる整備員の手には缶スプレー。方向舵にはまだ塗り増しが足らず色ムラが出来ています。整備後のタッチアップは指定色で塗装しても、機体自体が褪色していると派手にムラが出来る場合もあります。
マスキングテープを使うヒマも手間も無いようです。




プラジェクトX(ばって〜ん♡)




ボケ足を再現する方法は色々な技法がありますが、今回はスポンジが基部の両面テープを使ってテスト塗りです。



両面テープの粘着力は強いので塗膜が持っていかれないよう、同幅のマスキングテープを
重ね貼りしています。






画像左側に1枚、右側に2枚重ねしたものを貼り、白サフを0.2口径のハンドピースで斜め45度の角度を付けて吹き付けています。垂直に吹いたら何にもなりません。





ボケ足の比較に、中央はマスキングテープだけで吹いています。




テストピースの向きは変えていません。
左側が1枚、中央マステ、右側2枚重ねです。







中央の白い線は罫書き跡です。当たり前ですが、マステ1枚の場合はボケ足は出ません。







実物では0.5mm以内のボケ足に収まっています。1/72〜48スケールにあうようです。







右側にマステ1枚貼って吹き付けた塗膜が迫っていますが、左側のほうが本命です。実物は約1mmのボケ足に塗装されています。実機の塗装具合にもよりますが、1/48〜32スケールで使えそうです。




プラジェクトX(ばって〜ん♡)

次は曲面のマスキングです。






曲面に追随させるには直接貼るマステだけを細く胴切りにして柔軟性を持たせました。






テストピースはエッシーのマルヨン。プラスチックの経年劣化により製作を断念させざるを得なかったものも、吹き付け前のハンドピースの調子や塗料の濃度の確認に、まさに汚れ役に回ってもらっています。ありがたや。





曲面への密着はマステの胴切り幅を丁寧に詰めてやれば良いでしょう。これでも及第点はあげられます。ボケ足も申し分ないです。





1枚貼りのほうは、吹き付け角度が甘かったのか、青バッテンのようにボケ足が認められないところがありました。今回は0.3口径のハンドピースでウィノーブラックを吹いていますが、口径が大きくなった分回り込んだ塗料でボケ足が出なかったと思われます。




再テストしたものですが、やはり噴霧量/空気圧が高かったのでしょうか、ボケ足が稼げませんでした。

結論として吹き付け角度の保持、0.2口径での塗装、あるいは0.3口径でも噴霧量/空気圧を落とす。2枚重ねでは理想的なボケ足が出来たが、そのボケ足が各スケールに見合うかの判断。ノーマスキング•フリーハンドで吹き付け塗装する場合に使う技法で、隣り合う塗料で打ち消し合う「仇討ち塗装」「返り討ち塗装」を併用すれば、理想的なボケ足を作れるようです。

ひっつき虫やねり消しを伸ばしてマスク材とする技法は均一に出来ず、私にはとても相性が悪くやる気が起きません。

軟質の金属線にマステを巻き付けて境界を作る方法も一度やってみましたが、ボケ足は細かく綺麗でしたがコスパ悪いですね。



プラジェクトX(ばって〜ん♡)





筆塗り仕上げが得意な方には関係ないマスキングの話でしたが、実機の大半がスプレーガンを使った吹き付け塗装なので、模型の塗装に応用出来る口径の小さいハンドピースがあるので、筆塗り下手っぴの私は迷う事なく吹き付け塗装で今日まで進めてきました。

防毒マスク着用、エアコンプレッサー、排気ファン•ダクト、家族・近隣への臭気配慮と色々面倒な環境を作らなければいけませんが、ハンドピースの価格も美容専科での多用から値崩れして入手し易くなり、塗料もより安全性の高い臭気も出にくいものが開発されてきているので、初心者ほど吹き付け塗装から入門した方が完成度の高いものを作れると思います。知り合いのプロモデラーの5歳になるお子ちゃまも、エアブラシを使って立体塗り絵やってますから。環境整備が上手くいかない場合には、模型店に工作スペースを用意してある所も増えてきているので、多少時間とお金はかかりますが、手っ取り早いでしょう。橋の下であんぱんやってる隣でシンナープープー吹くのも一興かと…←失礼しますたっm(_ _)m

筆塗り仕上げか、吹き付け塗装か、あるいは塗装なしでカタチを愛でるか、組み立てずにコレクションするか、模型の楽しみ方は色々ありますが、塗装の醍醐味を味わえる技法、環境作りにやぶさかではありません。







ウクライナ

に勝利を!


今日もご覧頂き
 ありがとうございました。m(_ _)m

  今回は この辺で 
    ごきげんよう  (^o^)/


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