ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第22節 レノファ山口FCvsジュビロ磐田

2021-07-15 16:10:17 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(20節・大宮戦、0-1)
※前回の磐田の記事はこちら(19節・千葉戦、1-0)

今季の山口のリーグ初勝利の相手が、目下首位に立っている磐田。
折り返しの最初の試合で再び相まみえる事となり、当時(5節)とは見違えるほどのチーム状態となっている磐田相手に、山口はどんな結果を残す事が出来るかという要素が注目された一戦。

開幕当初は4バック(4-4-2)に始まり、3バックへの移行(3-4-1-2)で一時的に結果を出すも再び停滞、現在は7戦未勝利(3敗4分)という成績の山口。
この日のフォーメーションは3-4-2-1と、流れ着く所に流れ着いたような感じでしょうか。
渡邉晋監督が仙台時代(5年半)に使用した基本フォーメーション(3-4-1-2はオプションといった感じでしょうが)を、1年で全て使う事となっている今季。

試合前の渡邉監督のインタビューから、磐田に対する分析は盤石であるような様相が伺えましたが、その通りに立ち上がりは山口の前線の守備がハマり。
磐田に攻撃の形を作らせずに、自身は様々な手で好機を演出していきます。
前半8分には渡部の縦パスからという、最後方からのパスワークによる攻撃を経て、池上が磐田・山本義道に倒され反則。
得た直接フリーキック、中央やや手前からの位置でキッカー池上が直接狙い、壁に当たって外れて左コーナーキックに。
池上ニアにクロス→島屋フリックでゴールへ向かったボールに、渡部が頭から跳び込むもGK三浦に抑えられ合わず。
直後の11分には、プレスが嵌って右サイドで田中がボールを奪い、島屋のエリア内進入を経て高井がシュートするも、ブロックされ右CKに。
今度はショートコーナーを選んだのち、石川がミドルシュートを狙うも枠外に。

そして直後の12分、中盤で池上のボールカットから、左サイドで高井がドリブルでエリア内左へ進入。
高井は浮き球でマイナスのクロスという選択を採ると、ニアサイドで島屋がヘディングシュート。
ゴール右へとねじ入れ、先制点は山口のものとなりました。

一方の磐田、この日が海外移籍を果たした伊藤が離脱しての最初の試合という事もあり、ピースが抜けた状態を強いられていたでしょうか。
伊藤は左センターバックの位置から、サイドバックのように前線へと顔を出す攻撃参加が特徴的だった選手。
この日は山本義がその穴に入っていたものの、選手の特性によるズレは隠せないというような状態でした。

それでも以降は、持ち味の流動的なパスワークを展開して反撃体制を取る磐田。
20分には遠藤の裏へのミドルパスで左サイドを突き、松本が奥に進入して左CKをゲット。
そこからクロスが跳ね返されたのち、鈴木雄斗が右サイドからカットインしてミドルシュートを放ち、山口・神垣のブロックで再度CKに。
今度は右CKで、キッカー遠藤のニアサイドのクロスに山本義が合わせ、ヘディングシュートをネットに突き刺し。
直後に飲水タイムに突入と、第1クォーターのうちに同点に追い付いた磐田。

ブレイク明けは一転し、磐田が攻撃権を支配するという順位通りのゲーム展開となり。
両サイドをくまなく使い攻撃していきますが、その中で左サイドは、やはり伊藤不在でこれまでと違った形を余儀なくされており。
ボランチの片割れが左サイドに流れたり、シャドーの大津が降りて来るなどして、松本に高い位置を取らせるべくの形をとっての攻撃。
対策はとったものの不安は拭えずにいたのか、この時間帯の磐田はボール支配こそすれど、シュートには結び付けられませんでした。
その後は山口が攻撃を試みるも、高井が2度オフサイドを取られるなど不発。

しかし40分を過ぎた辺りから、一変して山本義が高い位置を取り始める磐田。
このタイミングでいくという指示を受けていたのか、あるいは得点を取った事で齎された前向き思考が、この段階で発揮されたのか。
43分には左サイドで松本がエリア内にスルーパス、走り込んだ山本義がクロスを上げるというシーンも作られ。(クロスは精度を欠く)
そしてアディショナルタイムに突入し、磐田は左サイドでのパスワークから、戻されたのち中央CBの大井が前進しての攻撃。
彼のパスはカットされるも、拾った遠藤の縦パスが山田大記に入り、ペナルティアークからシュートを放った山田大。(GK関キャッチ)
最後にフィニッシュに持ち込んだ磐田、好循環を得て前半を終了します。

後半開始、の前に磐田は中川→小川大貴へと交代。
そして鈴木雄が右ウイングバック→右CBへとシフトと、左だけでなく右サイドも、CBに高い位置を取らせる体制を採って来たでしょうか。

一進一退の入りを経て、後半もペースを握る磐田。
後半9分には最終ラインの大井がスルーパスを送ると、山田大が抜け出してエリア内左でのGKと一対一を作り出し。
しかしGK関のコースを切っての構えに対し、手前でのシュートを選択したのが仇となり(ドリブルが正解だったかな……)、シュートはゴール左へと外れてしまいました。

危うく失点というシーンを作られた山口。
しかし前回観た大宮戦と違い、攻撃では後半も流動性を維持して攻め上がります。

右CBの楠本が前に出て攻撃に絡むという、磐田に劣らない可変を基本形とし。
中央の田中・神垣・池上も絶えずパスコースを作るように動き回り、従来とは違い非常に摑まり辛い攻撃を敢行出来ていたこの日の山口。
チームの力関係や相性を超越した、長所同士の波長が合ったような様相が出来上がったのでしょうか。

14分、最終ラインでの繋ぎから渡部の縦パスが高井に入り、島屋とのパス交換で前進。
島屋のエリア内へのスルーパスはカットされるも、こぼれ球を楠本が拾ってミドルシュート(枠外)と、分厚い攻撃を見せ付けます。
一方の磐田、パスを繋ぐもののどん詰まりとなり戻して作り直すか、ルキアンを狙ってロングパスを入れるも対応されるかというこの時間帯。
山口も攻撃機会自体は少なく、一種の膠着状態となりつつ22分に飲水タイムに。

ブレイク明けの25分、右サイドのスローインからパスワークを展開する山口。
そして池上のスルーパスが奥に供給され、そこに川井が走り込むも磐田・山本義のチャージを受けて倒れ繋がらず、反則の笛も吹かれず。
これで判定を巡っての暗雲が漂ってしまったか、その後に山口エリア内でこぼれ球を山口・池上がトラップした際、腕に当たったと見て一斉にハンドのアピールを行う磐田サイド。
しかし笛は吹かれずとなり、モヤモヤ感を残したまま双方選手交代。(その間にも抗議していた磐田・大井に警告)
山口は石川・神垣→橋本・佐藤健太郎、磐田は大津→小川航基へと交代しました。

前年も特別指定で在籍していた橋本、今季も同様に特別指定の立場でありこれが3試合目。
31分には中央でパスを受けると、そのままドリブルでエリア内を急襲(ディフェンスに入られ、その後クロスに切り替える)と、活きの良い所を見せます。
そんな橋本の存在が、パスワークよりも速攻・素早い切り替えへと両サイドにシフトさせたでしょうか。

34分には磐田が、山口のCKからのカウンターでルキアンがドリブルで持ち込むも、山口ディフェンスの素早い戻りでフィニッシュまでは行けず。
その直後の35分、右サイドで楠本→田中→池上と繋いで前進、そして池上のスルーパスで川井が抜け出す好機。
エリア内右へと持ち込み、豪快に放たれた川井のシュートがゴール右上へと突き刺さり。
展開が激しく移り変わる中で、その流れに乗っかっての勝ち越し点を挙げた山口。
直後に2枚替えを敢行。(高井・島屋→草野・河野)

窮地に追い込まれた磐田、39分にこちらも2枚替え。
ルキアンと山田大に代え、ファビアン・ゴンザレスと大森を投入。
途中加入のゴンザレスと、守備の安定化が図られた中サブに転落していた大森に状況打開を託します。

するとその最初の攻撃でした。
大井のロングパスをゴンザレスが中盤で収め、左サイドで大森が絡みつつ前進し、松本が奥へ進入する磐田の攻撃。
そしてエリア内左からマイナスのクロスが入ると、山口・田中が足を伸ばすもクリアしきれず、こぼれた所をゴンザレスがシュート。
ゴールネットを揺らし、まさに救世主といった働きで同点弾を齎したゴンザレス。

逆転を狙いにいく磐田、直後の41分にも大森がボールを持ち左サイドへ流れ、そこでパスワークののち中央の山本康裕へ。
そして山本康はアウトサイドでのスルーパスをエリア内へと送り、大森が走り込むも山口・楠本に対応されて受けられず。
ゴンザレスが結果を出した事で、自身もジョーカーとしての期待に応えんと張り切る大森。

追い付かれた側が辛くなりそうな展開ですが、42分の山口の攻撃。
ゴールキックを短く繋ぎ、左サイドでヘナンのロングパスに草野が走り込むと、飛び出してクリアしにいったGK三浦をワントラップでかわす絶好機に。
そして奥でエリア内へと切り込むも、磐田・大井の捨て身の対応でシュートまでいけず。
惜しくも得点出来なかったものの、再び山口に機運を齎すには十分の攻撃。

その後も磐田の攻勢の前に、川井が大森のドリブルを後ろから止めて反則・警告を受けるなど凌ぎを強いられる山口。(45分に田中→浮田に交代、3-3-2-2にシフトか)
それでもATに突入して最後に流れを掴み、佐藤健の縦パスから河野→浮田と渡り、中央から浮田がシュートするもブロックされゴール左へと外れ。
その後も橋本が左からカットインし、エリア内へのスルーパスが草野に渡るもオフサイドと、惜しいシーンを量産するも時間が足りず。

結局2-2で引き分けとなり、磐田にとっては山口相手に負け越す(1敗1分)という屈辱的な結果に。
1戦目の勝利が決してフロックで無い事を証明するに至った山口、未勝利は8戦連続となったものの、浮上の切欠と出来るか。
この日のような流動性溢れる攻撃が、以降も貫けられれば……といった所でしょうか。

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DAZN観戦 2021年J1リーグ第22節 サンフレッチェ広島vs横浜FC

2021-07-14 16:06:32 | サッカー視聴記(2021年J1)

<広島スタメン> 3-4-2-1
GK 林
RCB 野上 CCB 荒木 LCB 佐々木
RWB 藤井 DH ハイネル DH 青山 LWB 柏
IH エゼキエウ IH 森島
FW ジュニオール・サントス
<横浜FCスタメン> 3-4-2-1
GK 六反
RCB 伊野波 CCB 韓浩康 LCB 袴田
RWB 前嶋 DH 高橋 DH 瀬古 LWB 高木
IH 小川 IH ジャーメイン良
FW 渡邉

例外(活動停止を強いられたガンバ+ACLによる順延)を除き、今節終了で中断となるJ1リーグ。
ここまでリーグ戦で1勝しか挙げられていない横浜FC、少しでも好循環を持ってブレイクしたい所ですが、当然最大のこう薬は勝ち点3。

一方の広島、既に海外移籍(スイス1部・グラスホッパー)への移籍が内定していた川辺が、前節(鳥栖戦・1-1)をもってチームを離脱。
さらに浅野の故障や、GK大迫の五輪代表への合流といった要素で、かなりメンバーを弄る事を余儀なくされ。
現在5戦無敗中といえど、3引き分けと流れは手放しで良いとはいえない、苦しさが伺える中での一戦となりました。

そんな広島の不安は、早くも露わになり。
前半2分、中盤で横浜FC・小川が広島最終ラインからボールカットすると、たまらず佐々木が足を引っ掛けてしまい反則。
早々に警告を受け、暗雲立ち込める入りとなりました。

その後も、最終ラインからビルドアップを図るものの、どうにもボールが繋がらない広島。
5分には敵陣左サイドで高橋がボールカットした横浜FC、シュート気味のクロスを入れる攻撃。(GK林キャッチ)
土台が揺らいでいる隙を突き、ショートカウンターを仕掛けます。

何とか横浜FCの立ち上がりの攻勢を凌ぎ、反撃体制を取らんとする広島。
10分には右サイドで荒木のラフなロングパスが、ブロックに当たってそのままゴールラインを割ってコーナーキックに。
ラッキーな形でセットプレーを得たものの、満足に攻撃の形が出来ていない中で得てしまったのが逆効果だったでしょうか。

その右CK、キッカー森島のニアへのクロスが跳ね返されると、そのボールを前嶋が拾い横浜FCのカウンター。
そして前嶋のスルーパス一本で小川が抜け出し、エリア外中央でGKと一対一という大惨事に。
飛び出して来るGK林を左にかわした小川、そのまま前進してエリア内左へと進入、最後はスライディングでボールをゴールに蹴り込み。
上位を狙うクラブらしくない実にあっけない失点といった印象で、横浜FCが先制点を奪いました。

建て直したい広島、13分に長いパスワークでの攻撃で、クロスがブロックされてのCKを獲得。
今度はしっかりと形を作ったのちのCKで、ここから3本CKを続ける攻勢。
1本目の左CKでは、キッカーのハイネルがあわよくば直接ゴールを狙うようなクロスを上げ(GK六反弾く)、横浜FCゴールを脅かし。
しかしその後は膠着状態で、お互い最終ラインからの繋ぎを見せるも好機に繋がらない時間が長くなり。

広島が、ボランチ1人が降りてのビルドアップを行うのは前回述べた通りですが、横浜FCもこの日は高橋が最終ラインに降りる同様の形で組み立て。
フォーメーションだけで無く、ビルドアップの方法もミラーマッチといった感じ(渡邉をターゲットにしたロングボールがある分違うか)でしたが、16分以降は共に効果的な攻撃が生まれず。
そのまま23分に飲水タイムが挟まれます。

好ましくない流れの広島は、ブレイク明け直後にストロングポイントである柏の突破力を活かした攻撃を敢行。
27分には左ハーフレーンをドリブルで前進する柏、そのままミドルシュートを放つもGK六反にキャッチされ。
これと前後して25・28分にも左サイドで柏の仕掛けを絡めて攻撃するなど、とりあえず得意手を使う事で、流れを掴みたいといった思惑が伺えました。
その通りに、30分から再びCK攻勢に入り押し込む広島。
32分にはキッカー森島のニアへの低いクロスを、今度はしっかりとハイネルが合わせる形を作り。(フリックにいったが厚く当たって繋がらず)

しかしこの流れが途切れると、攻守交替し横浜FCペースに。
34分には右サイドから前嶋のクロスが上がり、跳ね返りを高橋が拾ってミドルシュート。(ゴール上へ外れる)
38分には右サイド奥からのフリーキックを得ると、キッカー瀬古のクロスをファーサイドで袴田が折り返し。
中央でジャーメインが合わせにいき、クリアされるも尚もエリア内で小川がボレーシュート。(ブロック)

再び暗雲立ち込めた広島サイドでしたが、終盤にペースを掴み直すと、決定機が訪れます。
42分、最終ラインから右へ展開し攻撃すると、逆サイドから張り出してきた柏がエリア内右で青山のパスを受けてそのままクロス。
そして森島が後方から跳び込んでヘディングシュートを放ちますが、惜しくもゴール左へと外れ。
これを逃してしまった代償は大きく、着地の際に肩を痛めてしまった森島、そのまま続行不能となってしまいます。
交代準備の間数的不利となった広島ですが、44分に再度好機。
エゼキエウが右ハーフレーンから対角線を描くドリブルで、エリア内左へ進入しシュートしましたが、GK六反のファインセーブに阻まれます。
不利な状況を跳ね返さんという意気込みは強く感じたものの、結局同点には出来なかった広島。
アディショナルタイムに森島→鮎川へ交代し、そのまま前半終了となります。

前半のうちにカードを使う事を余儀なくされた広島、ハーフタイムにも藤井→長沼へとカードを切り。
まあHTでは回数を消費しないので、ここで代えるという選択は納得のものですが。

後半も同点にするべく攻め立てる広島ですが、この日は問題点がモロに露呈したような感じで、やはりサントスの扱いに難儀している様相が窺えました。
1トップとしての出場で、サイズもある選手ですが、足下でのボールキープが得意手という選手。
そのため降りて来てボールを受けては、キープに勤しむという関わり方をしたがるので、中々チャンスエリアで仕事をする場面が生まれず。
「彼のプレーを活かすべく、2列目の飛び出しを重視」という城福浩監督の思惑が放送席で語られていた通り、サントスの能力をチーム力に還元すべく必死な振る舞いが伺えましたが、結果に繋がらないもどかしい時を過ごし。
前年のレアンドロ・ペレイラ(現ガンバ)のような、最前線にはストロングヘッダーを置く方が判り易く、結果も残る気がします。

そのサントス、後半4分に左サイドからエゼキエウのクロスが上がると、ファーサイドで野上が足で折り返したボールに対し浮かせるトラップ。
するとバイシクルを狙いにいったものの、トラップが低くなってミート出来ず。
川崎のレアンドロ・ダミアンが得意とする、ワントラップからのバイシクルシュートを放たんとしましたが、何もかも及ばなかったといったような1シーン。

そんな最前線の悩みを露呈させる広島を尻目に、12分に横浜FCが3枚替え。
渡邉・ジャーメイン・小川→クレーベ・松浦・松尾と、1トップ・2シャドーを一辺に入れ替えます。
21分にはゴールキックからクレーベがフリックで落とし、拾った松尾のキープから、リターンを受けたクレーベがエリア内からシュート。(GK林セーブ)
クレーベの高さと、2列目を活かした攻撃を披露。
リードしている立場で、尚更そんなシンプルなシーンが映えたようでもあり。

一方ビハインドである以上、何とか横浜FCの5-4-1ブロックを崩さなければならない広島。
18分左サイドで柏がボールを持つも、サントスを経由して中央に渡り、そこから中央突破。
鮎川の前進でボールがこぼれるも、エリア内で青山が拾ってヒールで繋ぎ、抜け出した鮎川がシュート。
しかしGK六反が咄嗟に右足を伸ばすスーパーセーブで防ぎ、同点ならず。

23分に飲水タイムが挟まれ、明ける際に広島は再び選手交代。(エゼキエウ→東)
その後も横浜FC陣内に圧力を掛けていきますが、決定機を外したダメージが大きいのか、フィニッシュまで辿り着けず。
一方横浜FCは、広島の圧の前にGK六反が早くも遅延行為で警告を貰ってしまいます(28分)が、少ない攻撃機会を活かし。
30分には韓浩康(ハンホガン)の斜めの縦パスを切欠に、クレーベがエリア手前からシュート。(ブロック)
34分には広島のお株を奪う長いパスワークを経て、高木左からクロス→クレーベエリア外へ落とす→前嶋シュート(ブロック)と、フィニッシュに結び付け。

窮地の広島は、32分に最後の交代。
長沼→ドウグラス・ヴィエイラへ交代と、長沼がインアウトの形で退き。(柏が右WBへ、東が左WBへシフト)
以降ようやくフィニッシュへと持ち込めるようになった広島。
37分には左サイドで東の突破から、中央で受けたヴィエイラがペナルティアークからシュート。(ブロック)
38分は2度クロスを入れるも跳ね返され、尚も拾ったのちサントスがミドルシュート、ブロックされたボールを拾った青山がエリア内右に進入。
そして連撃となるシュートを浴びせましたが、枠を捉えられず。
収め役であるヴィエイラが加わり多少好循環となったものの、彼もヘッダーというタイプでは無いので、サントス起用のリスクを解決するには至りませんでした。
このヴィエイラとサントスの相性が良くないのも、得点力が上がっていない要因だと思われます。

43分には再度決定機、右サイドで持った柏がエリア内右を抉ってクロス、中央で跳んだ鮎川を越えてファーサイドの東へ。
合わせた東でしたが、シュートは威力無くGK六反に抑えられ、またもモノに出来ず。
それでも広島の圧力は半端では無く、すっかり守勢あるのみとなった横浜FC。
最後の交代ではカルフィン・ヨン・アピンの姿を久々に観る事となり(袴田と交代で出場・39分)、守備固めの体制へ。

AT突入後も広島の猛攻は続き、青山のミドルシュートを高橋が身体を張ってブロックで防ぐシーンも見られ。
虎の子の1点を必死で守り切る横浜FC、そして試合終了の笛が鳴り響き。

終盤はひたすら防戦一方となり、この試合の相模原(そういや高木琢也監督は横浜FCを初のJ1に導いた人物でありましたね)のような、相手にプレッシャーを与える守り方が出来なかったのが課題でしょうか。
それでも順位的には贅沢を言える立場で無く、久々の勝利を何とか未来に繋げたい所でしょう。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第22節 モンテディオ山形vs松本山雅FC

2021-07-13 16:11:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山形の記事はこちら(18節・山口戦、2-0)
※前回の松本の記事はこちら(16節・岡山戦、1-3)

ピーター・クラモフスキー監督の就任以降、8戦で7勝1分という驚異的な成績を残している山形。(天皇杯は敗退したけど)
「監督解任ブースト」の効果を最大限に活かしきったクラブとして、歴史に名を刻めるかどうかという域に入っているでしょうか。
そしてこの日は、山形のようにそのブーストを利用したいクラブが相手となり。

山形の8戦無敗と同時期に、7戦未勝利という低調ぶりを露呈した松本。
とうとう監督交代の断を下し、解任された柴田峡氏の後任に就いたのは名波浩氏。
就任してから2戦で1勝1敗、前節(ヴェルディ戦・2-1)でようやく9戦ぶりの勝利を齎し、悪循環を堰き止めて迎えたこの日。

キックオフとなり、開始直後から山形のクオリティ高いパスワークによる攻撃が展開され。
前半2分に右サイドから攻め、山田康太の裏へのロングパスが中原に渡り、そこからの繋ぎを経て山田康のクロス。
クリアされたボールを、山田拓巳がミドルシュート(枠外)。
まずは先制パンチを浴びせた事で、主導権を握ります。

5分には長いパスワーク、右サイドで繋いだのち中央へ戻されると、中に絞っていた山田拓がエリア内へスルーパス。
林が走り込んでクロスを入れブロックされるも、以降も何度もエリア内へロビングを上げる攻撃を敢行。
直後の6分も山﨑のパスカットから、右サイド奥で藤田がファーへクロスを上げ、加藤が折り返しにいくも中央にこぼれ。
反応して半田がシュートするも、戻って来た松本・阪野がブロック。
この日も両サイドバックが中央に絞りつつ攻撃に絡む、「偽SB」の動きを有効打としていく山形。

一方の松本、7分に敵陣で常田がパスカットに成功し、すかさず縦パスを阪野に送り。
受けた阪野が前進してエリア内に進入、シュートを放つもブロックされコーナーキックに。
こちらもまずは1本フィニッシュを果たし、応戦の姿勢を取りにいきます。

ビルドアップの際は、3バックの片側を張り出させ、後ろ2枚の形を取る松本。
それでも前半は、山形のプレッシングの前にロングボールを送らざるを得ないシーンが目立ち。
前線に阪野・鈴木の2枚が控えているといえど、中々有効な形を作る事が出来ず。

山形が敵陣で反則を犯した所で、飲水タイムが挟まれたのが23分。
明けた際、そのフリーキックで松本は、キッカー佐藤が自陣から直接シュートという選択を敢行。
遠目ながらゴール上を襲う際どいシュートとなり、奇襲を使う事で生まれ変わった松本をアピールするという算段でしょうか。

しかしその後は山形が一方的にボールを握る展開に。
松本は前節から3-4-1-2というフォーメーションで挑んでおり、守備時は5-3-2が基本。
プレスをあっさり剥がされ、さらに2列目の脇を埋めにいった隙を突かれる(ウイングバックが前に出た際の裏を取られる等)という悪循環で、山形のサイド攻撃を何度も許す事となります。

33分には山形が中央でパスワークで前進、松本は遮断に成功するも、あろう事かクリアボールが逆方向に向かいゴールポストを直撃。
山形の多彩な攻撃に対応していくも、バタバタした印象を残すシーンとなり。
40分の山形、自陣中央で國分のカットから、山田康のスルーパスに中原が走り込んでエリア内右からグラウンダーでクロス。
こぼれ球となるも中央で藤田が繋ぎ、半田のヒールパスを経て林のシュートがゴールを襲い。
しかしライン際で松本・宮部がブロックし、寸前で得点を阻止します。

何とか凌ぎを見せた松本、終了間際に流れを掴み。
44分に敵陣で宮部がボール奪取し、ショートカウンターの形となって鈴木がエリア内からシュートするも、GKビクトルのセーブに阻まれ先制ならず。
しかし前半の残り時間は攻撃権を独占し、尻上がりの形を作って前半を終える事に成功しました。

ハーフタイムに松本は選手交代を敢行。
河合→小手川と、トップ下を交代という手段を取った名波氏。

立ち上がり、後半2分に山形は國分がミドルシュートを放つ(ゴール上へ外れる)シーンがあったものの、松本が押し気味の流れ。
投入された小手川は、河合程の仕掛けはせずに、パスを円滑にするという役割をこなし。
ボールサイドで人数を増やしつつ、主に外山の居る左サイドから攻撃を仕掛けていった松本。

しかしそんな流れの中、5分に松本のCKから山形がカウンターを仕掛け。
中央で拾った林が右へ流れてドリブルののちエリア内へ浮き球を送ると、走り込んで受けた山田康が前進からクロス。
これを松本・鈴木がブロックで防ぎますが、その跳ね返りがあろう事がゴールに向かってしまい、ループシュートのようになってゴール内に吸い込まれ。
最後はラッキーな形ながらも、苦しい時間帯でカウンターを得点に結び付けた山形が先制しました。

良い流れを作っていたものの、得点どころか逆に失点する事となってしまった松本。
これで完全に流れを失い、再び山形が一方的に攻め上がる時間帯に突入します。

この時間帯の山形は、サイドハーフの仕掛けが冴え渡り。(右=中原・左=加藤)
ライン際に開いた状態でパスを受けてから、ハーフレーンへと流れたのち相手に択を押し付けるような攻撃。
7分には右から中原がカットインからクロス。(クリア)
11分には左から加藤がカットインして、エリア内左からシュート。(GK圍キャッチ)
12分にはここも左から加藤が流れたのちエリア内右へスルーパス(中原走り込むも流れる)と、多彩な手段を選んでいきます。
セットプレーからも、8分の右CKでショートコーナーから、右ハーフレーンで受けた國分が直接ミドルシュート(GK圍セーブ)と幻惑するような攻撃を敢行。

そんな山形の攻勢を受け、流れを切って反撃したい松本。
15分に最終ラインから繋ぎ、左サイドでのパスワークから佐藤のスルーパスに走り込んだ小手川がクロス、ファーで鈴木が折り返すもクリア。
一つ後方からのショートパス攻勢を見せた事で体制を整え。
20分にはGK圍のフィードから、セカンドボールを拾った小手川から阪野→外山と渡り、外山のミドルシュートが放たれるも枠を捉えられず。

受けに回りつつあった山形は、22分に加藤→岡﨑へと交代、國分がボランチから左SHへシフト。
25分には右サイドからの攻撃、藤田のスルーパスが中原に渡ってエリア内へ進入、グラウンダーのクロスが中央に入る決定機。
林が足で跳び込むも僅かに及ばず、2点目とはならなかったという所で後半の飲水タイムに。

松本はさらに手を打ち、明ける際(27分)に2枚替え。
外山・鈴木→田中パウロ淳一・戸島へと交代、この日主だった左サイドでの攻撃に、パウロを加える事で磨きを掛けんとします。
しかしその狙いが当たったのは、31分の再度の交代後。
前→平川へと交代し、平川が若干前方に出る3-3-2-2気味にフォーメーションを弄るような交代により、左サイドアタックに厚みが加わる事となります。(同時に山形も國分→木戸に交代)

期待を受けて投入されたパウロ、自身での突破あり、平川とのワンツーありと様々な手段で左サイド奥に進入。
そこからクロスを上げるシーンを連続で作っていく松本。
39分には左サイドでパウロが山形・藤田に反則を受け、ここからセットプレー攻勢。
FKでパウロがクロスを入れると、ニアサイドで小手川がフリックするもDFに当たり左CKに。
そのCK、パウロは中央へクロスを入れ、星キョーワアンが合わせヘディングシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。
際どいシーンも生まれましたが、得点には後一歩といった所。

惜しむらくは、相手のミスによる攻撃でしっかりとしたシュートを放てなかった事でしょうか。
36分、山形最終ラインでのパスミスを戸島が右サイドで拾い、エリア内へと流れシュートするもミート出来ずGKビクトルが難なくキャッチ。
44分には相手のトラップミスを敵陣でパウロが拾うも、そのまま遠目からシュートを放ち枠を捉えられず。
こうしたワンチャンスで、得点の可能性が高い攻撃シーンを見せられるかどうかが以降の浮上のカギとなる気がしました。

松本最後の交代は44分で、阪野→大野。
先程惜しいヘディングを放った星が最前線にシフトし、その穴に大野……というだけで無く、どうやら4-4-2へとフォーメーション変更したようで。
下川が左SBへと回り、3バックを右側へとずらす形で右SBには宮部。

アディショナルタイムに突入、という所で松本は右サイドから小手川のロングパスが星に渡り、エリア内を襲うもGKビクトルが抑え。

一方の山形も、残していた3枚の交代カードを一挙に使用。
山田康・林・中原→ルリーニャ・吉田・藤村へと交代(木戸が左SH→FWへシフト)、フレッシュな選手の大量投入で逃げ切りを図り。
それが奏功したか、右サイドでスローインによる漸進から、右サイド奥でボールキープする展開に持ち込んだ山形。
最後は藤村のボール奪取から、ルリーニャがクロスを入れるというシーンを作り(中央で木戸も収まらず)、直後に試合終了の笛が鳴り。

苦しい時間帯が多かったものの、これで9戦無敗となった山形。
この好循環を維持したまま、次節で当たるのは首位・磐田とあり、どんな展開が待っているのか非常に楽しみです。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第22節 FC琉球vsSC相模原

2021-07-12 17:53:40 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の琉球の記事はこちら(18節・北九州戦、3-0)
※前回の相模原の記事はこちら(18節・水戸戦、0-2)

順位的には、上位争いを繰り広げている琉球と、依然として最下層からの浮上の兆しが見えない相模原。
前半に当たった際は1-5で琉球の大勝(11節)であり、またJ3時代の2018年も、2戦いずれも5得点で勝利を挙げており。
実力的にも相性的にも琉球有利という立場で、琉球にとっては取りこぼしが許されない試合という戦前の評価だと思われましたが、いざ試合開始となるとそこには違った絵図が描かれる事となりました。

雨中の試合、相模原が琉球のクリアミスもあり好機を演出する入りとなり。
前半5分には藤本の自陣右サイドでのボールキープから中央へ渡ると、白井縦パス→中山受けてドリブルと素早く相手陣内に。
そしてエリア手前まで進みシュートを放った中山(ブロックに当たりGK猪瀬セーブ)、相模原が先にファーストシュートに辿り着きました。

その後8分に琉球が、右サイドで李栄直(リヨンジ)の裏へのミドルパスから、走り込んだ上原牧人がマイナスのクロス。
これを阿部が合わせシュート(ブロック)と琉球もファーストシュートを放ち。
以降手数が豊富な琉球のペースになるかと思われましたが、その後も相模原が好機を作っていく展開に。
10分にはゴールキックから、ロングフィードを夛田がフリックで落とし、拾った安藤がミドルシュート。(枠外)
13分は自陣中央での川上のパスカットから、藤本の左への浮き球パスを受けた中山が先程と同様にドリブルからシュート。(DFに当たりサイドネット)

意外にも押し気味に展開する相模原の立ち上がり。
高木琢也監督就任(17節)以降、ビルドアップにも拘る姿勢をある程度取っているらしく、その通りに最終ラインはミシャ式のような形で組み立て。
ドイスボランチ(稲本・川上)の片方がディフェンスラインに降りて、ショートパスを繋ぎながら前進するスタイルを取り入れ。
ただし上がるのは左センターバックの川崎が主と、片側のみを上げるというリスク管理も行いつつ。
堅守速攻が基本ながら、自陣に釘づけにされがちだった以前の戦いとは一変した相模原のサッカーがそこにはありました。

それでも15分過ぎから、そんな相模原のギャップにも慣れ始めた琉球が攻勢。
18分には風間宏矢から縦パスが入り、阿部フリック→清水ポストプレイという流れから、阿部がペナルティアークからシュートするもGK竹重がキャッチ。
24分には最終ラインから右へ展開し、上原牧のスルーパスに清水が走り込み、エリア内右からシュートするも相模原・白井が足を伸ばしてブロック。
徐々に惜しいシーンを作り始めた琉球。

26分に飲水タイムが挟まれ、最初に好機を得たのは相模原で右CK。(30分)
ここでキッカー川上は変化を付けてグラウンダーで中に入れ、稲本ポストプレイ→中山→藤本とダイレクトで繋ぎ、藤本がクロス気味のシュート。(枠外)
一本変化を付け、琉球ディフェンスに脅しを掛けます。
それでも以降は琉球がボールを握り攻撃を仕掛け。
相模原は5-4-1の守備ブロックで応戦し、押し込まれがちながらも一歩も退かない姿勢を見せた事で、試合は膠着状態に入ります。

琉球はメンバー的には、両サイドバックが苦しい状態だったこの日。
田中の故障で前節から上原牧が入った右サイドだけでなく、左はこの日が初スタメンとなった山下が沼田に代わって入り。
SBを高い位置に上げての組み立ては変わらずも、果敢にチャンスエリアに進入し、隙あらば得点するというSBの動きは影を潜めていました。

琉球は押し込み続けるも、シュートは45分の、クリアボールを清武が放ったミドルシュート(枠外)ぐらいとなり。
数少ないチャンスを活かしたい相模原は44分、中盤で稲本のドリブルから右サイドへスルーパスが供給され、走り込んだ夛田からクロス。
そしてファーサイドで中山が足から跳び込むも、競り合いの中で琉球・李を倒してしまい反則。(シュートは撃てず)
その姿勢を見せたものの、こちらもフィニッシュシーンは作れず。
スコアレスで前半を折り返す事となりました。

3日前に天皇杯3回戦(浦和戦・0-1)を戦った相模原、ここからのベンチワークも注目の要素。
白井・川崎・川上が3日前から続けてスタメンを張っていましたが、ハーフタイムではその3人では無く、出番の無かった稲本を交代させる手を取ります。(梅鉢に交代)
大ベテラン故90分持たない稲本を、天皇杯でスタメンだった梅鉢を温存するために起用していた、という采配だったでしょうか。

その後半立ち上がり、相模原はサイドチェンジを絡めたパスワークで、前半は今一つだった左サイドから攻撃を展開。
殆どボールタッチが無かった兒玉も、前線で攻撃に絡むシーンが目立ち始め。

意外にも押され気味となる琉球は後半3分、ボールと無関係な所で李が兒玉を倒してしまい(というより投げ飛ばすような恰好)反則。
李は前半終了間際の倒されたシーンも影響したのか、後半はフラストレーションが溜まっていたかのようなプレーが目立つ事となりました。
このフリーキックから、相模原は安藤がエリア内でボレーシュートを放ちましたが枠を捉えられず。
以降もボールを握るシーンを多く作る相模原、途中出場の梅鉢が左SBの位置に降りてビルドアップを行うなど、新たな引き出しも散見されました。

嫌な雰囲気が流れつつあり、それを一変したい琉球。
7分に中盤で反則を受けると、清武は素早いリスタートで右サイド奥へロングパス。
上原牧が受けてからパスワークを展開し、風間宏矢の清武とのワンツーで中央に移ったのち清水がシュート。
ブロックされてCKとなり、ここから3本CKが続く攻勢も、上里のミドルシュートがミートせずとなるなどモノに出来ず。

その後も相模原は、敵陣でのボール奪取から好機を作りかけるなど良い流れをキープ。
そんな中で18~19分に双方選手交代が行われ。
相模原は中山・安藤→清原・ユーリ、琉球は山下・阿部→上原慎也・中川。
相模原はボールの収め所として絶対的な存在であるユーリが入り、琉球は前節に移籍後初ゴールを挙げた中川を投入と、勝負手が交錯するかのような交代となりました。

しかし以降も相模原が好機を展開し、迎えた21分。
左サイドのスローインを収めたユーリが、キープする最中に琉球・李に腕で倒されて反則。
李の度重なる反則についに警告が出されたうえ、エリアから直ぐ近くでのFKという相模原の好機となります。
左サイド奥・エリアから脇という位置から、キッカー川上はバックパスを選択すると、受けた藤本はダイレクトでシュートを狙い。
これが地を這うボールで、狙いすましたかのようにゴール左隅へと突き刺さりゴール。
前半からの伏線(変化を付けたセットプレー・反則を巡る李の心境)を全て回収する、相模原の先制点となりました。

上位らしいゲームを描くどころか、とうとうリードを奪われる事となった琉球。
24分CKからの二次攻撃で、ロングパスを上原慎が落とし、繋いだ所を李がミドルシュート。
相模原・川崎のブロックで方向が変わり、ゴールバーを掠める惜しいシュートとなり。
血の気溢れる李の気持ちを、今度は得点に繋げようという琉球の姿勢が表れたでしょうか。

それでも25分に挟まれた飲水タイムが、文字通り水を差してしまったか。
以降は相模原の守備ブロックを崩せぬまま、時間を浪費していく展開を強いられてしまいます。
32分に清武・富所→ハモン・風間宏希へと2枚替え(風間宏矢が右サイドハーフ→左SHへシフト)を敢行するも、流れを変える事は出来ず。

相模原は以前のような、自陣に押し込まれての守勢を強いられるものの、リードを奪ってのそれは勝利へ向けての進軍でもあり。
整然とした守備ブロックで琉球にシュートシーンを作らせず、時計の針を進めていき。
そしてボールを収めてくれるユーリの存在で、ロングボール一本でキープして落ち着けるのも大きかった。
38分にはユーリが右サイドでボールを収めると、奪い返さんとした琉球・上里が掴んで引っ張ってしまい、反則・警告を受ける事に。
上里はその後も相模原・夛田をラフプレーで倒してしまう(40分)など、李が憑依したかのようなプレーを見せてしまいました。

成す術が無くなりつつあった琉球、43分に最後の選手交代。
上里→福井へと交代し、上原慎を1トップに据えた4-1-4-1のようなフォーメーションにシフト。(福井が左SBに入る)
半ばパワープレイのような恰好で、相模原陣内へと襲い掛かり。
しかしフィニッシュシーンはアディショナルタイム、風間宏希のロングボールを上原慎がエリア内へと落とし、そこに李が走り込んでシュートした場面のみ。
ここも相模原は川崎の身体を張ったブロックで凌ぐと、終了間際には敵陣深めでボールキープするという至福の時間へ。

左コーナーでユーリのフィジカルを存分に活かしてキープに勤しむ相模原。
その最中に李が再度、腕で(ユーリを)倒してしまい反則と、2枚目を受けてしまいかねないシーンも生まれてしまい。
最後まで脱出させないまま試合終了の笛が鳴り響き、相模原がウノゼロで逃げ切りに成功しました。

これで12試合ぶりの勝利となる3勝目を挙げた相模原。
監督交代後も順位が上がらぬ日々を過ごしつつも、高木監督によるチーム整備は着実に成果を上げていたようで。
特に先制点を奪って以降、安心して観ていられたのは大きかった。
いかにリードを守り切る体勢といえど、相手にシュートを浴び続けるような展開を強いられると「逃げ切れるのか……」という疑心暗鬼が生まれてしまいがちですが、この日はそれをさせず。
かくして上位相手にもそんな戦いを繰り広げられたという、1勝以上の価値が得られたと思われるこの日、奇跡の逆転残留に向けてスタートを切れたでしょうか。

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DAZN観戦 2021年ACL グループI第5節 大邱FCvs川崎フロンターレ

2021-07-11 12:34:58 | サッカー視聴記(2021年その他)

<大邱スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK チェヨンウン
RCB キムジンヒョク CCB ジョジヌ LCB パクビョンヒョン
RWB チャンソンウォン DH イヨンネ LWB アンヨンウ(安庸佑)
IH ファンスンミン IH 西
FW セシーニャ FW エジガル
<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB ジェジエウ CB 谷口 LSB 車屋
DH ジョアン・シミッチ
IH 脇坂 IH 旗手
RWG 家長 CF レアンドロ・ダミアン LWG 三苫

前回のACLの記事 - 川崎vsユナイテッド・シティ

グループIの天王山というべきカード。
ここまで全勝で来ている川崎を、唯一止められる可能性のある存在として立ちはだかる大邱。
それでも大邱は、1位になるには2点差以上での勝利が求められるやや厳しい立場。(最終節共に勝利すると仮定しての事)

川崎は前節、3節で大勝(8-0)したユナイテッド・シティFCに対し、2-0とややエンジンが衰え気味のスコア。
サブメンバー中心の布陣故、押し気味な展開は変わらずもフィニッシュの精度を欠くという典型的な試合だったようで。
それでもレギュラー陣に休養を与えるには十分で(GKチョンソンリョンを除く)、ライバルに対し万全の態勢を敷いてこの日の試合に臨んだ事でしょう。

しかしこの日川崎に襲い掛かったのは相手チームだけでなく、悪コンディションのピッチという要素。
これまでロコモティフ・スタジアムでの試合が続いていた川崎、5試合目にしてブニョドコル・スタジアムで初の試合となる事に。
ピッチに対する慣れという点で、両クラブ大きく差が出る事となり、そしてそのピッチ条件は劣悪な有様。

川崎は開始1分にいきなり、ジェジエウのGKへのバックパスが乱れて大邱にコーナーキックを与えてしまうなど、その不安が露わになるシーンを生んでしまいます。
そこから4分間で3本CKを得て押し込む大邱。

芳しくない入りを吹き飛ばすには、決定機という要素が欲しい。
それを見せたのが5分で、家長が縦パスをダミアンに送ったのち、リターンを受けてエリア内に進入してシュート。
ブロックされるもCKを取り返し、大邱から流れを奪うには十分なシーンとなりました。

パスサッカーを展開するには分が悪いピッチの状況ですが、川崎は選手の距離感を近くして対応していたでしょうか。
序盤から家長や三苫のウイングが、逆サイドでのパスワークに加わって繋ぐシーンが多々あり。
またこの日MFで出場となった旗手も、左右くまなく顔を出し、サイドの人員を増やす事に貢献していました。

12分、そんな流れから家長が左サイドでクロスを上げると、クリアされたボールをダミアンがダイレクトでシュート。(ブロック)
13分には今度は右から家長のクロスが上がり、ファーサイドで三苫が落とした所にまたもダミアンがシュート。(ゴール上へ外れる)
エースストライカーがフィニッシュを量産する流れが着実に出来上がり。

一方の大邱、前回対戦とは微妙にフォーメーションを変え、1アンカーを採用。
前回ボランチだった西が一列前のポジションとなり、2トップには助っ人のセシーニャ・エジガルを並べ。

その西が要所で顔を出し、攻撃を作っていく大邱。
23分に敵陣右サイドで西がボール奪取し、拾ったセシーニャがエリア内へミドルパス。(エジガルが走り込むも繋がらず)
26分には中盤で西のパスカットから再びセシーニャに渡り、エジガルのドリブルが止められた所を西がシュート。(枠外)

川崎は、ダミアンのポストワークに対し大邱ディフェンス(ジョジヌやキムジンヒョク)がピッタリと付き、中々自由にさせて貰えず。
序盤の暴れっぷりに大邱の警戒レベルも最高潮となったようで、度重なるチャージに対し苛立つシーンを見せるダミアン。

サイドからどうにかするしかないという状況を強いられる中、31分には家長が右サイドでカットインからミドルシュートを放つ(GKチェヨンウンキャッチ)など脅威を与えていきます。
そして34分、右サイドで山根が裏へ浮き球のパスを送り、抜け出した旗手がクロス。
ファーに流れた所を三苫が拾い、エリア内左からシュートを放つと、右ゴールポストを直撃。
その跳ね返りを頭で詰めたのはダミアンで、先制点を奪った川崎。
マークされながらも、中央に張っていたのが報われた格好となったダミアンのゴールでした。

その後川崎はペースを掴み、大邱に反撃の隙を与えず。
そんな光景に1位確定は目前か、という印象を与えつつあった矢先の前半終了間際(43分)、失点後の大邱の最初の攻撃。

中盤でセシーニャがキープから右サイドへロングパス、受けたチャンソンウォンのキープを経て、リターンでセシーニャがミドルシュート。
ブロックされるも尚も左サイドで繋ぎ、アンヨンウのクロスが上がると、中央でエジガルが胸で収めてシュート。
叩き付けるボールでGKチョンソンリョンもタイミングを外されたか、ゴール右へと突き刺さり同点に。
またエリア内で人数が揃っていただけに、エジガルへのチェックの甘さも悔やまれた川崎。
リード後は攻撃を受ける事無く過ごしていたため、隙を作ってしまったでしょうか。
結局前半は1-1で折り返し。

共に交代無く後半を迎え、大邱がキックオフからの攻撃を好機に繋げてから、交互に攻め上がる入りとなり。
後半2分、川崎に家長のエリア内右からのシュートが生まれる(GKチェヨンウンキャッチ)も、どちらの流れともいえないまま時間が進んでいきます。

Jリーグ王者の力を見せたい川崎は10分、右サイドに張り出した三苫と山根の長いパス交換を経て、三苫から中央へ出たボールを旗手がダイレクトで短いスルーパス。
いつもなら左サイドで見る三苫・旗手のホットラインですがここでは右で、受けた家長がエリア内に進入し、今度はマイナスのクロス。
そしてニアサイドで脇坂が合わせシュートと、完璧な崩しを見せたものの、シュートはゴールバーを直撃して勝ち越しならず。

大邱は12分、ファンスンミンに代えてイグノを投入。
その矢先の13分、西のパスカットから、イヨンネの裏へのロングパスがエリア内へ。
そこに代わったばかりのイグノが走り込むも、GKチョンソンリョンが何とか抑えます。
交代で流れを掴みかけましたが、その直後にアクシデントが。
家長のドリブルを反則で止めたパクビョンヒョン、あろう事か自身が足を痛めてしまい、続行不能となってしまいます。(おまけに警告も受ける)
そしてホンチョンウンが投入されました(中央CBに入り、ジョジヌが左CBにシフト・16分)が、以降は川崎ペースに針が振れる事に。

18分GKからの攻撃で、パスを繋ぐ川崎らしい攻めを経て、車屋→三苫ポストプレイ→脇坂と繋がってエリア内を急襲。
そして脇坂がシュートするも、GKチェヨンウンが距離を詰めてブロック。
何とか防いだ大邱でしたが、続く19分は左サイドのスローイン。
左サイドから旗手→三苫フリック→脇坂で中央へと渡り、一旦は大邱・イグノがキープしかけるも脇坂が繋ぎ直し、エリア内のダミアンへ。
そしてシュートを放ったダミアン、その期待通りにネットを揺らして勝ち越しゴール。
1点目同様、中央で待ち構えていたのが功を奏すリアルストライカーぶりを発揮しました。

再びリードした川崎ですが、直後にシミッチが大邱・チャンソンウォンに対し反則を犯すと、警告を受けてしまい。
この日はエジガルの高さへの対応も強いられていたシミッチ、後半20分という段階ながら消耗感が伺えました。
ベンチもそれを感じてか、25分にシミッチを退かせるという決断を取ります。(山村と交代、同時に脇坂→大島に交代)

以降の川崎は、大島・山村のドイスボランチというような布陣で、家長がトップ下へと回り。
4-2-3-1へシフトかと思われましたが、その割には三苫・旗手(右ウイングに回る)は高い位置だったので、4-2-1-3だったでしょうか。

反撃したい大邱、27分に長くパスを繋いだのち、セシーニャがミドルシュートを放つもブロックされ。
そして川崎のカウンターを受ける事となり、左サイドを三苫がドリブルで駆け上がり、エリア内へ進入しシュートを放つもGKチェヨンウンがセーブ。
カウンターの恐怖に怯えつつ攻めなければならないという状況を強いられます。
そんな中32分、再度選手交代。(チャンソンウォン・イヨンネ→チョンチイン・イジンヨン)

37分の大邱、GKチェヨンウンのフィードから、敵陣中央でセシーニャがキープを経てエリア内へミドルパス。
これをチョンチインが受けるも、GKチョンソンリョンに抑えられシュートは撃てず。
直後には敵陣での西のパスカットから好機を作る(シュートには繋がらず)など、時間も押し迫る中で前向きな姿勢を見せていきます。

そんな状況で40分が過ぎ、同点に向けて漸進しつつあった大邱でしたが、止めを刺したのはやはりこの男でした。
42分、左サイドからのFKで家長の縦パスを受けたダミアンから三苫に渡り、奥でカットインでエリア内を抉ったのちバックパスを出す三苫。
そこにダミアンが走り込んでおり、ノーマークで放たれたシュートがネットを揺らし。
見事ハットトリック達成と、大一番で最高の結果を叩き出したダミアン。

勝負の行方は見えたものの、諦めは許されないというのがスポーツの性。
その後の大邱は45分、左からアンヨンウのクロスがエリア手前へと上がり、エジガルがエリア内へ落とした所をイグノがボレーシュート。(GKチョンソンリョンキャッチ)
アディショナルタイムに入り、エジガルのパスを受けたイグノがエリア内右からシュート(枠外)と、開き直ったかのようにフィニッシュに持っていきます。
しかしやはり2点差となってからでは遅きに失した感は拭えず。

そして試合終了の笛が鳴り、川崎が全勝をキープ。
同時に1位通過も確定する運びとなりました。
残るは後1試合、全勝達成で帰国という流れを演じきる事が出来るでしょうか。

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