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DAZN観戦 2021年J2リーグ第20節 レノファ山口FCvs大宮アルディージャ

2021-06-30 16:10:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(18節・山形戦、0-2)
※前回の大宮の記事はこちら(17節・金沢戦、0-1)

山形戦での力負けののち、前節・甲府戦では好ゲームを繰り広げた山口。
一旦は勝ち越して終盤を迎えたものの、追い付かれて引き分けに終わり(2-2)、勝つ事は出来ず。
目下5戦未勝利の中、攻撃陣が0点ならば敗戦という流れが出来上がっていますが、こうして得点出来る試合で勝ち切れない方がある意味精神的に辛いものでしょう。
発展途上のチーム故安定感は期待できないとしても、徐々に降格ラインに近づいているという状況で、プレッシャーに呑まれてしまうのは避けたい所。

この日の相手は、そんなプレッシャーとの戦いを絶賛展開中という状況の大宮。
成績不振で監督交代も断行されましたが、新監督に前山口の霜田正浩氏が就任したという、青天の霹靂のような巡り合わせとなりました。

山口を遥かに凌ぐ程の未勝利の期間が続いている大宮(14戦)、最後の勝利が3月末という遠い出来事となっており。
4-1-2-3という自身の理想のフォーメーションを早速就任直後から導入した霜田氏ですが、守備時は小島がFWの位置に出て2トップのような形を取り、果敢にプレッシングを行うスタイル。
早速前半立ち上がりから、敵陣でのボール奪取で好機を作る(シュートには繋がらず)など、後の無いチームらしい振る舞いを見せていきます。
しかし山口も、前半4分に敵陣深めで田中がパスカットする(その後高井にパスも収まらず)など、プレスを成功させての攻撃を見せ。

双方互角という状況で、9分に山口が右コーナーキックを獲得。
キッカー池上は変化を付けてグラウンダーでクロスを入れると、ニアサイドで川井が走り込んでシュートを放つもゴール上へと外れ。
セットプレーから一発ゴールを脅かしたものの、その後は大宮が逆にCK攻勢に。
そのCKでの大宮、キッカーの位置には松田と黒川が立ち、松田が蹴り出して黒川がクロスを上げるか繋いでいくかの二択を押し付けるスタイルを主としていました。

10分から2分間で3本CKを得て、2本目の右CKでは黒川がエリア手前へとパスを送ると、右ハーフレーンから小島がミドルシュートを放ちましたがGK関のセーブに防がれます。
続く3本目、黒川のニアへのクロスを翁長がフリック、クリアされたボールを再び小島がシュートするも枠外に。

この変化を付けたセットプレー同士の交錯を経て、大宮側に針が振れ。
以降も敵陣でのボール奪取中心で好機を作っていき、17分には石川俊介の右サイドでのカットから、松田のクロスを中央で黒川が合わせるも枠外に。

大宮のプレスに苦しむ山口も、20分前後からようやくビルドアップが冴え始め。
19分には左→右へとサイドを変えたのち島屋のクロスがクリアされると、池上が拾ってエリア内に進入し、シュートを放つもゴール右へと外れ。
前半のうちは、3バックを変形させてパスを繋ぐ意識が見られた山口。
主に右センターバックの楠本が前へ張り出してのビルドアップが目立っていました。

23分に飲水タイムが挟まれ、明けた後は大宮の攻勢。
26分に右サイドで松田がクロスを上げて(ブロック)から、セットプレーも絡めて山口を押し込み、左右からクロスの爆撃を入れていく攻撃を展開していきます。

中々良い形でのクロスが生まれない中、32分に絶好の形。
自陣での翁長のパスカットから小島が拾い左サイドでドリブル、カットインの姿勢を見せてから奥へスルーパスを送り、抜け出した翁長がほぼノーマークでのクロス。
この低いボールをGK関が飛び出して弾いたものの、こぼれ球を黒川が詰めてシュート、ジャストミートはしなかったもののボールはゴール内へと転がっていき。
チーム全体の前へのベクトルが生んだようなシュートで、先制点を挙げた大宮。

リードを奪われた山口、34分にこの日1トップの高井が右サイドでパスを受け、カットインからシュート。(ブロック)
それでもサイズがある方では無い高井なので、最終ラインからの組織的な攻撃が反撃の肝となり。
渡部博文がボールを持ってから組み立てるのが基本ですが、中央CBというポジションもあり、積極的に上がる訳にもいかず。
渡部博自身は持ち上がりも散らしも出来るのでしょうが、攻撃参加は左右のCBが行うのが通例な中、ややミスマッチな感があり。

45分の山口の攻撃、渡部博が持ち上がったのち左サイドへミドルパス、澤井が受けてから細かくパスを繋いで攻め上がり。
最後は右サイドで、楠本が奥まで進入してクロスを上げる(ニアで島屋が合わせにいくもCKに)所まで行き、CBも絡めての分厚い攻撃を見せた場面。
得点は奪えずも、この攻撃を続けていけば同点は不可能では無い、そんな流れを匂わせつつ前半を終えた山口。

長らく未勝利が続き、順位的にも21位という底辺付近に沈む大宮。
この苦境の中招聘された霜田氏は、前述の通り前年まで3年間山口の監督を務めた人物であります。
山口とは打って変わって、大宮は資本力はJ2内では屈指のクラブでありながらの低迷という事で、前年までとはまた違ったアプローチが求められるといっても良いでしょう。
特にシーズン途中で、降格圏から抜け出す事を要求される状況では尚更の事。

故障離脱が長かった河本・西村というCBコンビを組んだこの日、これが今季初との事。
GKには就任当初から上田を起用するなど、相変わらずの故障者の多さで限られた手駒の中、ディフェンスに関わる選手の入れ替えが目立つのは意識改革のためでしょう。
ロースコアの接戦に持ち込む展開を続け、就任後の2戦で2引き分け。
果たしてこの日は、初めてリードを後半に持ち越す事に成功した霜田・大宮、初勝利に向けてどう立ち回るのか。

後半が始まりその立ち上がり、立て続けに好機を作る大宮。
後半4分黒川がドリブルで持ち上がり左へ展開、翁長のクロスがこぼれた所を黒川が繋ぎ、エリア内左から翁長がシュート。(枠外)
7分にはスローインから右サイドでパスワーク、馬渡が小島のポストプレイを交えたのち右ハーフレーンからシュート(枠外)と、サイドバックが積極的にフィニッシュに絡む攻撃を見せます。

一方の山口、前半とは違いCBの上がりは殆ど見られなくなってしまいます。
大宮ペースが途絶えた序盤は、サイドに展開したのち、ウイングバック(右=川井・左=澤井)が手前からクロスorカットインからシュートという二択の攻撃を敢行。
9分に左から澤井がカットインからミドルシュート(ブロック)、13分に右から川井が以下同文(ブロック)といったシーン。

大宮のプレッシングのギアが上がり、最終ラインへの追い掛けが激しくなったのが一因でしょう。
前半は殆ど見られなかったCF・イバのプレスも頻度を増し、山口に最終ラインで流暢に組み立てを図る暇を与えず。

そして序盤の攻防が終わった15分、大宮は3枚替えを敢行。
イバ・松田・馬渡に代わり、ネルミン・ハスキッチと小野、渡部大輔が投入されました。
プレスに残りの体力を総動員させたのでしょうか、ここでお役御免となったイバ。

一方の山口も、それとほぼ同時(16分)に澤井・神垣→石川啓人・佐藤健太郎へと2枚替え。
相変わらず最終ラインから組み立て、渡部博は巧みに大宮のプレッシングをいなすも、その後サイドに展開しても左右のCBは上がる事が出来ず。
推進力が足りないため、手前からのクロス攻勢に終始する山口の攻撃。

しかしそこからCK攻勢へと持ち込んだのが22分。
左CKを得ると、キッカー池上のクロスが跳ね返されたボールを左サイドで石川啓が拾い、池上とのパス交換ののちクロスのような弾道でシュートを放つもGK上田がセーブ。
2本目の右CKで、ヘナンのヘディングシュートが枠外となった所で後半の飲水タイムに入ります。

ブレイク明け、反撃に出たい山口がボールを握るも、攻撃機会を掴めずに時間が進み。
それでも大宮ディフェンスは盤石という訳でも無く、プレッシングが嵌らなかった際は素早く帰陣しての凌ぎを見せますが、流石に全てを防ぐ事は出来ません。
30分、左サイドで池上・佐藤健・石川啓の3人でパスを繋いだのち、池上のミドルシュートが炸裂するもGK上田がセーブして防ぎ。
直後の左CKも、池上ニアにクロス→楠本フリックでファーへ→川井ヘディングシュート(枠外)と、フィニッシュに持っていった山口。
しかしここでほぼ打ち止めとなり。

大宮は33分に小島→大山へ、34分には河本→山越へと交代し、守備を固める体勢に。
以降はリトリートを重視するようになりますが、それでも山口は中々重心が前に掛かりません。
33分に田中・島屋→浮田・草野に交代しても、流れを変える事は出来ず。(3-3-2-2にシフト?)
CBは相変わらずパスを繋ぐのみに終始し、次第に硬直化していく攻撃。

それを見計らってか、大宮が逆に追加点を狙う体勢に。
36分中盤でのハスキッチのボール奪取から、左サイドで黒川がドリブルからスルーパス、走り込んだ翁長からクロスが上がり。
ファーサイドで大山がヘディングシュート、GK関が片手で弾いたもののハスキッチが詰め、飛び出した関に触られる前にシュート。
誰もが2点目かと思った刹那、シュートコースに居た石川に当たってしまいオフサイドという結果に終わる事となりました。
この決定機を逃したのは大きく、以降も大宮はシュートを撃ち続け。
42分にハスキッチが立て続けに2本、43分に渡部大が、45分に小野がいずれもエリア内から放ったものの枠を捉えられず終わり。(ハスキッチの1本目はGK関が防ぐ)

山口も手をこまねいている訳では無く、40分に最後の交代カードを使い(楠本→梅木)、布陣も4バックへと切り替え。(4-2-3-1?)
それでも大宮の攻撃機会ばかりが増えるまま、アディショナルタイムへ入ります。
その最中に黒川が足を攣らせるなど、大宮の体力面の限界も露わになり始め。

そして最後の攻勢に入る山口、その手段は川井のロングスロー。
左サイドから投げ込まれたボールはクリアされるも、ヘナンが拾ってからエリア内へ連続してボールを蹴り込む攻撃。
そして左サイドからの川井のクロスがクリアされた所を石川啓が拾い、すかさずシュートを放ったものの、大宮・大山のブロックに阻まれ同点ならず。
直後のCKからも、クリアされたボールを佐藤健がシュートしますがブロックに遭い、万事休すとなった山口。

決死の逃げ切りに成功しウノゼロと、実に15試合ぶりの勝利の味を噛み締めた大宮。
ここからの逆襲を成功させるにはまだ不安が多い状況ですが、古巣相手にその第一歩を踏み出した霜田監督の下、一丸となっての戦いを展開出来るでしょうか。


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