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TV観戦 天皇杯 JFA第101回全日本サッカー選手権大会3回戦 順天堂大学サッカー部vsザスパクサツ群馬

2021-07-08 18:09:36 | サッカー視聴記(2021年その他)

<順天堂大スタメン> 4-1-4-1
GK 後藤佑介
RSB 小川 CB 長谷川光基 CB 山﨑 LSB 海老澤
DH 寺山
RSH 林 IH 野田 IH 小林里駆 LSH 白井
FW 清水勇貴
<群馬スタメン> 4-4-2
GK 松原
RSB 吉永 CB 渡辺 CB 高橋 LSB 平尾
RSH 進 DH 内田 DH 奥村 LSH 久保田
FW 大前 FW 北川

大学勢でここまで勝ち残りを果たしている順天堂大学サッカー部。(以下順大)
1回戦でtonan前橋を破り(6-1)、そのライバルチーム(?)である群馬と当たる事となり。
これに勝つような事があれば暫く群馬の地を踏めなくなる事受け合い、なんて邪悪な考えが頭を過るカードとなりました。
後方からパスを繋ぐスタイルを取っているらしい順大、ほぼ同様である群馬とぶつかり合い、果たしてどんな絵図となるか。

その群馬ですが、リーグ戦では残留争いの真っ只中。
丁度半分の21試合を戦い、浮上の芽が無いという事で、奥野僚佑監督を解任するという断を下し。
ヘッドコーチの久藤清一氏が新監督となり、その最初の試合が天皇杯。
どんな舵取りを行うのか注目され、「全とっかえ」のターンオーバーで半ば捨てるような采配でも仕方無いかな……と思っていましたが、予想以上にレギュラー陣が組み込まれており正直驚きました。

立ち上がり、お互い最終ラインでパスを繋ぐ中、群馬が裏狙いのロングパスを交えて好機を演出。
前半3分、右サイド奥でロングパスを受けた北川がカットイン、エリア内右奥から高いクロス。
ファーサイドで久保田がヘディングシュートを放ちますが、惜しくもゴール左へと外れ。
8分には内田右へ展開→吉永ポストプレイ→渡辺裏へロングパスと流れるように繋ぎ、北川がエリア内で受けて右へ流したのち進がクロス。
GK後藤佑がパンチングで弾いたボールを、左ハーフレーンで拾った平尾がシュートしますがこれもゴール右へと外れ。
ゴール脇を外れる際どいシュートで、プロらしく大学チームを脅かした群馬。

しかしプロといえど、J2の下位を彷徨っているのが群馬であり、次第にパスを繋ぐ順大の前に息切れが目立つ事となり。
パスワークで好機を作っていく順大。
20分にはとうとう、群馬・渡辺のクリアミスを拾った小林里がエリア内に進入し決定機となりかけましたが、群馬・平尾がカバーしてクリア。
その後は群馬も押し返すも、優勢とは言えない流れの中で23分に飲水タイムが挟まれます。

以降もボールを握り、主体的に攻撃を仕掛ける順大。
主にサイドからの攻撃ながら、スルーパスも交えつつ奥へ進入する事で、コーナーキックを得る機会も多く。

38分、小川(キャプテン)が寺山とのパス交換を経てエリア内へ浮き球のパスを送ると、小林里が走り込んでシュート。
ブロックされて右CKになり、キッカー白井のクロスがファーに上がると、山﨑のヘディングシュートが放たれますが枠を捉えられず。
惜しいフィニッシュシーンも生まれ始め、良い流れとなってきた前半の終盤。

そして43分、左サイドで白井がエリア内へとスルーパス、小林里が受けて好機となるも一旦戻されて作り直し。
最終ラインから今度は右へ渡り、ここでも小林が浮き球で裏へのパスを供給すると、エリア内中央で(手前の野田に群馬・渡辺が釣られ)フリーで白井が受ける絶好機。
GK松原を右にかわしてすかさずシュートを放った白井、ボールは右ポストを掠めてネットに突き刺さり。
好循環を結果に繋げ、プロチームから先制点を奪う事に成功した順大。

結局1-0のまま前半終了となり、ビハインドに立たされた群馬はハーフタイムで選手交代。
平尾・北川→金城ジャスティン俊樹・高木へと2枚替えを敢行(吉永が右SB→左SBへシフト)し、流れを変えに掛かります。

後半3分に群馬が最初の攻撃。
敵陣でジャスティンがパスカットして高木→大前と繋がり、大前の落としを経て奥村がミドルシュート。(ブロック)
交代の効果が表れたかと思われましたが、順大も7分にCKから、エリア内にこぼれたボールを小林がシュート(枠外)と惜しいシーンを作ります。

8分に順大も2枚替え、野田・林→長倉・塩浜へと交代。
すると直後の9分、すかさず群馬も吉永→小島へと交代と、動く事で相手を上回らんとする久藤監督。
小島は本職のSBにそのまま入るかと思いきや、高橋を左SBに回し、CBに入るという手を取りました。(リーグ戦では高橋がSBを務めているらしい)

CKを量産する反面、反則でフリーキックを与えてしまう事が多かった順大。
13分には寺山が群馬・久保田をアフターで倒してしまい反則、左サイドからのFKを得た群馬。
キッカー大前は中央へクロスを送ると、久保田が合わせてヘディングシュートに持っていきましたが、ゴールバーを直撃してしまい同点ならず。

しかし順大も18分、長倉がポストワークをする所を奥村に反則を受け、FKを獲得。
左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置で、キッカー白井は直接シュートを放つも壁に当たり、引き続きCKに。
そのCKでも、クリアボールを寺山がシュート(枠外)と、セットプレーからシュートに持っていく順大。

それにより全体の流れも持っていく事に成功したか、以降群馬に殆ど攻撃機会を与えずという展開に。(20分に清水勇・小川→金子・岩井に交代)
21分には再び群馬のパスミスから好機、拾った小林里のスルーパスを受けた長倉が、エリア内右からシュートを放ちましたが惜しくもゴール左へ外れ。

アマチュアチームにリードを許した挙句、押されまくるという悪夢のような展開を強いられる群馬。
29分に再度交代カードを切り、進・奥村→青木・岩上へと2枚替え。
何とか反撃ムードを呼び寄せたい所でしたが、それが果たされないうちに更なる窮地に追い込まれます。

34分、長倉のミドルシュートがブロックされ、またも順大のCKに。
その右CK、クロスをファーサイドで収めた長倉、一旦戻されたのち再度キッカー白井の下へ送られてクロス。
そして長谷川光がヘディングシュートを放ち、GK松原が何とかセーブして再びCKに。
次は左CKで、白井のファーサイドへのクロスを、今度は寺山がダイレクトでヘディングシュートに持っていき。
中央で群馬ディフェンスが(GK松原含めて)山﨑の動きに釣られた格好となり、フリーで放たれた寺山のシュートがゴールネットに突き刺さり。
終盤を迎える所で、貴重な追加点を獲得しました。

残り10分を切った所で、2点差を付けられてしまった群馬。
流れを変えるには早めの得点しかないという場面で、38分に左CKを獲得。
キッカー大前が中央にクロスを上げ、GK後藤佑が弾いたボールがファーサイドの内田へ渡ると、内田はトラップからすかさずシュートしゴールネットを揺らします。
トラップの際左腕に振れたかどうか非常に際どいシーンとなりましたが、ゴールが認められて1点差に。

一方この場面でハンドをアピールするも、認められなかった順大。
気を落とす事無く、直後の39分に金子のエリア内へのスルーパスに長倉が走り込みシュート(枠外)と決定機を作り。
それでも40分を回った事で、ボールキープ優先の体制を取る逃げ切りモードへ入ります。
何度も右サイド奥を抉り、その度に長倉・塩浜が身体を張ってボールキープを行うというシーンが続発。

時間は使えた順大でしたが、アディショナルタイムに入ると群馬にボールを握られ続ける展開となります。
渡辺を前線に上げ、パワープレイの体制を取るも、順大のプレスの前に中々ロングボールを上げられない群馬。

それでもAT3分を過ぎた所で、左サイドから久保田が中央へロングパスを入れると、青木がエリア内へと折り返し。
落ちるボールに対し、大前が頭から跳び込んでヘディングシュートを放つと、ゴール左へと吸い込まれ。
最後の最後で同点に追い付いた群馬。
順大は十中八九手にしていた勝利をこぼしてしまう事となり、試合は延長戦へと突入します。

最後の同点の場面で、高橋が足を攣らせてしまい、担架でピッチ外へ運ばれる事となっていた群馬。
延長となった事で6人目の交代を敢行します。(畑尾を投入し、小島が左SBにシフト)

疲労度もピークとなる延長戦、群馬は大前をはじめ、3日前にリーグ戦(21節・千葉戦、0-2)を戦ったメンバーが多く揃う状況。
これで影響が出ないはずも無く、プレスを殆ど掛けられずに順大のポゼッションを許す事を余儀なくされます。
それでも粘り強く順大の攻撃を凌ぐと、延長前半13分に決定機。
自陣での長いパスワークから、ジャスティンのロングパスが相手に当たってこぼれた所を久保田がスルーパス、それを受けて左ハーフレーンでドリブルする小島。
小島はエリア内に入った所で中央への横パスを選択、これに走り込んだ大前が合わせてシュートしますが、ゴール左へと外れてしまい。
乾坤一擲というチャンスを逃してしまった群馬、同点のまま延長前半を折り返します。

延長後半開始の前に、順大は2枚残していた交代カードのうち1枚を使い。
海老澤→生島へと交代し、フォーメーション変更という措置も採ります。
<延長後半の順天堂大> 3-4-2-1
GK 後藤佑
RCB 長谷川光 CCB 生島 LCB 山﨑
RWB 岩井 DH 寺山 DH 金子 LWB 白井
IH 塩浜 IH 小林里
FW 長倉

ここまで来ると根性あるのみ、という格言のように、開始早々に群馬が敵陣でロングスローを連発して押し込む攻撃。
開始3分間で岩上が3度スローインをエリア内へと投げ込む展開となります。
それを凌いだ順大、左サイドで長倉がドリブルで持ち上がる所に、群馬・内田が後ろから引っ張って倒してしまい警告を受け。
すると延長後半5分、右サイドからの攻撃で長倉がスルーパスを受けると、カットインしてエリア内右奥の角度の無い所からクロス気味にシュート。
GK松原が弾き、こぼれ球を小林里が詰めて「勝ち越しか?」と思われましたが、味方の塩浜に当たってしまい跳ね返り。
自滅に近い格好でこの好機を逃してしまいます。

すると9分、後方でもミスが生まれ、それが勝負の分かれ目に。
順大・金子のパスミスを久保田が拾って群馬のショートカウンター、スルーパスがエリア内左へ送られると、走り込んだ岩上のクロスがフリーのファーサイドへ。
そして高木がボレーで合わせると、ボールはゴールネットに突き刺さり。
この日初のリードを齎す、安堵の得点となった群馬。

それでも群馬サイドに心休まる暇は無く、残された時間帯で怒涛の攻撃を敢行する順大。(失点直後に金子→赤澤へと交代)
12分、右サイドで長谷川光のスルーパスから岩井が低いクロスを入れると、中央で長倉が足で合わせてシュート。
しかしGK松原のセーブに阻まれ、続く左CKでも山﨑のヘディングシュートがゴールを襲いますがGK松原がキャッチ。

尚も押し込み続ける順大。
右サイドからの攻撃一辺倒ながらも、足が止まりがちな群馬を翻弄するには十分で、残り時間でCKを4本も獲得。
同点に追い付く可能性は十分でしたが、後一歩及ばずに力尽き。
3-2で群馬が逃げ切り、何とかプロの意地で勝利に辿り着きました。

それでも120分を戦った事で、次節(ヴェルディ戦)への影響が不安視される事となり。
折りしも2年前の福岡に続き、J2残留を目指しての指揮となった久藤氏の下、どういった反撃体制を取っていくのか。
勝ち上がった今大会よりも、はるかに重要な課題が待ち受けている群馬、その運命は果たして。

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