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DAZN観戦 2024年J3リーグ第22節 ツエーゲン金沢vsヴァンラーレ八戸

2024-07-23 16:01:10 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 金沢は、山本が累積警告により出場停止。

夏の移籍市場の渦中で、J3にも容赦なく襲い掛かって来る弱肉強食の嵐。
それに呑まれるかのように、八戸は大型FWのオリオラ・サンデーがよりによって首位クラブの大宮に引き抜かれる(あくまでレンタルなので保有権はJ2の徳島)有様となり。
現在J1首位の町田のJ2時代(バスケス・バイロンの引き抜きとか)を彷彿とさせる、ライバルクラブからの戦力補充ならびに削ぎ落す手法。
エグいの一言に尽きますが、大宮が今後レッドブルの後ろ盾の下強者として昇り詰めていけるのかどうか。

そんな大宮と立場的に同一の降格クラブである金沢も、やはりこの夏に戦力補強に努め。
とはいえこちらは平に熊谷アンドリューと、上位カテゴリで出番が無い選手が主であり。
最大の目玉がフリーとなっていた西谷和ですが、彼も訳あり物件的な選手であり兄の西谷優との再会により、その(監督と対立して放出という経緯の)負の部分の払拭がまず求められる選手。
もう一花、という選手の終結をチーム力に還元し、激化する昇格争いを制するのに繋げられるかどうか。

その西谷和を、加入2試合目でスタメン起用してきた伊藤彰監督。
それでも、左シャドーをワイドに張らせるという戦術面を何ら変わり無くこなせる存在なので違和感は無く。

しかし立ち上がりから両翼の圧を活かして来るのは八戸。
(放送席による)注目選手に挙げられていた右の音泉は言うに及ばず、前半4分には左の稲積もドリブルで奥へ切り込んでクロス。
これにニアサイドで佐々木が頭から跳び込み、合わずに終わるもののそのクロス攻勢は終始脅威となり得ました。

ハイプレスに特化した八戸が相手という事で、金沢も地上からの組み立ては冴えず。
唯一最終ラインが幅を広く取ってパスを繋ぐ事で、八戸サイドもプレスの距離が長くなり華麗なボールゲインからのショートカウンター、とは中々いかないのが救いだったでしょうか。

お互い長所が出にくいという試合展開で、必然的に金沢は土信田・八戸は佐々木という、ターゲットへのロングボールによる攻撃の割合が増え。
12分には八戸のゴールキック、その佐々木へのロングフィードが彼を越えて流れ、拾った安藤が左奥へ突撃。
そして上がったクロスを山内がヘディングシュート(枠外)と、それ故にターゲットに合わないという選択肢も逆に冴え渡る事となり。

16分、金沢の攻めが途切れた所、八戸の最後方からの縦パスを西谷優がカットして再度攻撃に。
そして右から小島のアーリークロスが上がり、ニア寄りで土信田が足下で前方へ叩いた所を梶浦が拾って奥へ切り込む好機に。
しかし近石の寄せもあり、角度の無い所から放たれたシュートをGK大西がセーブ。
こちらも土信田をサポートするような梶浦の切り込みは効いていましたが、全体的には盤石の流れとは言えない攻撃。

23分に飲水タイムが挟まれ、どう変わるかという第2クォーター。
すると八戸の持ち味が徐々に発揮され、27分に柳下が前に出てパスカット成功、そのままスルーパスを佐々木の足下へ通し。
そしてエリア内を突いてシュート(枠外)と、ショートカウンターで一閃という流れを膨らませに掛かり。
33分にも柳下のボール奪取が起点となり、前澤のスルーパスに音泉が抜け出すも、GK上田が好判断の跳び出しに阻まれ実らず。

その一方で、良い流れが出来上がった事で、ボールを持った際は地上での前進を試みるシーンが増える八戸。
しかしこちらの面では見るべきものは少なく、さしたる好機を生む事無く時間が経過していきます。

40分、金沢のパスミスで再度ショートカウンターの好機が訪れる八戸。
拾った安藤がそのまま持ち運んだものの、タッチが大きくなった所をクリアした畑尾を削ってしまう結果となり、警告も貰って終了に。
これにより好循環が途絶えたか、続く41分に物議を醸すシーンを作ってしまう事となり。
金沢が土信田狙いのロングボール→梶浦が拾い前進という前述のパターンによる攻撃に入った事でそれは発生し、梶浦のドリブルを近石がスライディングで倒して止めるも、西谷和が拾って継続。
すると梶浦は素早く起き上がって左サイドのパスワークに加わり、ボールキープする所を柳下に倒された所で反則の笛が鳴り。
すると柳下が謝罪の意味合い(傍らからではそう見えた)で梶浦の頭部を触ったものの、それが思いのほか強かったからか逆に梶浦をいきり立たせる結果となってしまい、次の瞬間柳下を押し倒す梶浦という絵図に。
騒然となるピッチ上でしたが、何とか主審の下制止されてそれ以上の被害は齎さずに終わりました。
ここでどちらにもカードの類が出なかった事が幸いで、ナイスジャッジとも言えたでしょうか。

ともかく、これにより得たフリーキックを切欠に、残り時間は金沢が(小島のロングスローも使いながらの)セットプレーで押し込む流れとなり。
一度は途切れるも、アディショナルタイムに入って再度金沢が土信田狙いのロングボールによる攻め。
このこぼれ球を近石がヘッドでGKに戻した所に、猛然と走り込んだ土信田によりGK大西はセーフティに蹴り出しを選択。
ここからスローイン→CK×2と、最後までセットプレー攻勢を続けた金沢でしたがモノに出来ず。
前半はスコアレスに終わる事となりました。

共に交代は無く迎えた後半、最初の好機は金沢で後半1分の右スローインから。
ここも投げ込まれたボールを土信田が足でフリックし、受けた梶浦がカットインと、ターゲットと衛星のコンビでポケットを突く攻め。
クロスがブロックされて右CKと、前半同様のやり方でペースを握らんとする金沢。

しかしこの金沢のCKからの攻めを切った八戸、カウンターこそ防がれるも左スローインを素早くリスタート、抜け出してこれを受けた永田の単騎突撃。
そのまま左ポケットへ切り込みシュート(枠外)と、勢いを持った攻撃により八戸のターンが幕を開ける事に。
後半はこの永田の切り込みが軸となり、4分には左ワイドを奥へ切り込んでクロスを送り。
ニアで跳び込んだ佐々木には合わず、大外で音泉が脚で合わせるも枠を捉えられず。

一方の金沢は、伊藤監督が甲府時代多用していた、「3バックの中央が一列上がる形でのビルドアップ」の色を強めに掛かり。(前半も何度か試みられていたが目立たず)
良くないボール保持の流れの改善を図ったのでしょうが、結局大した成果は生まれる事無く。
前に出る畑尾にはお構いなしで、後ろに残る2人に対しハイプレスを掛ける八戸。
それにより殆ど攻撃機会が訪れず、八戸のターンに拍車がかかります。

11分には前澤のパスカットから、またも永田がドリブルで左ポケットを突く好機。
今度は奥まで切り込んでのシュートを選択しましたが、これも枠外に終わり。
15分には再度左ワイドへ切り込んでクロスを上げる永田、跳ね返りを柳下がミドルシュート(枠外)と、苛烈に攻め上がり。

後半最初の15分間でシュート数は0対7と、圧倒的に攻め込まれる金沢。
永田のような突破力を発揮したいのは西谷和だったでしょうが、結局ままならないうちにお役御免となり。
20分に杉浦に交代(同時に大山→熊谷へ交代)と、本領発揮にはまだ時間が掛かりそうな内容となりました。

熊谷の投入で中盤を締めに掛かった金沢は、その通りに八戸の攻撃機会を減らし。
しかし自身での攻撃も相変わらずで、繋ぎにも精度を欠き有効打を放てず。

八戸がペースダウンを強いられた事で、やや醜悪な絵図が目立つ結果となったでしょうか。
23分に右から音泉がクロスを上げ、合わせにいく佐々木の前で畑尾にクリアされると、そのまま両者交錯した結果佐々木がエリア内で倒れ込む事となり。
しかし尚も八戸の攻撃が続いた事で途切れず、動けない佐々木を余所にそのエリア内でボールをキープするという状況が訪れ。
安藤のクロスの跳ね返りを確保したという所でようやく試合が止まり、そのまま飲水タイムの運びとなります。
それでも佐々木は倒れたままでしたが、何とか1分半程掛けて起き上がり。

ブレイク明けの段階で、金沢は再度選手交代。
土信田→加藤大樹へと交代し、1トップには杉浦が回りました。

しかし流れはそのまま継続される事となり、即ち選手の交錯シーン。
26分、自陣でボールカットした西谷優が前澤のアフターチャージを受け、そのまま交錯して両者倒れ込み。
継続され敵陣でボール保持という状況になった金沢ですが、前述の事もあり流石に攻撃を止め。
前澤に警告が付き出されるも、その前澤の方が長く倒れ込む結果となり、そのままピッチ外→復帰という運びに。(警告が出たため西谷優はそのままピッチ内に)

中々攻撃の環流が出来ない金沢ですが、29分に一列前の畑尾から縦パスが左ワイドに送られると、受けた加藤大が杉浦とのパス交換を交えてカットイン。
そしてそのまま左ポケットからシュートを放ち、近石にブロックされるも左CKで継続。
クロスの跳ね返りから熊谷がミドルシュート、地を這う軌道で狭い所を抜かんとするも、ゴール前でブロックされ跳ね返り。
更に加藤大がミドルシュートを放つもこれは枠外と、ようやくフィニッシュを重ねる流れに持ち込み。

直後に八戸もベンチが動き、安藤・佐々木→妹尾・雪江へと2枚替え。
既にJ3では知名度の高い特徴ある2人の投入(妹尾は独特の推進、雪江はDF登録のFW)で、均衡を破りに掛かり。
長所といえば、この日は柳下が前線に絡むプレーが少なかった風に映りましたが、前半の醜悪なシーンを受け自然と自嘲気味になっていた感があり。

1トップが杉浦に変わった金沢ですが、35分に毛利ミドルパス→杉浦脚でフリック→梶浦スルーパス(その後加藤大が左ポケットを突くも撃てず)という具合に、その脇を固める梶浦のやる事は変わらず。
そしてその関係性が最高の結果を齎す事となり、37分庄司のロングパスを杉浦が前へ落とすと、綺麗に最終ラインの裏を取った梶浦が拾いエリア内へ突撃。
蓑田の追走も受けながら、そのままドリブルでGK大西を左にかわしにいった梶浦、その結果大西の腕に引っ掛かる形で倒れ。
たまらず反則を告げる笛が鳴り響き、PKに結び付く事となります。

殊勲の梶浦ですが、その代償は大きく長らく倒れ込み。
足を痛めてしまったという絵図に偽りは無く(皮肉にもその後の負傷交代で証明され)、2分以上掛けてようやく起き上がります。
キッカーは加藤大で、その姿勢に報いるべき大事なこのPKをゴール右へ蹴り込み。
GK大西は触れるも弾き返せずゴールゲット、しっかりモノにして先制を果たした金沢。

キックオフの前に永田→上形に交代(既に36分に音泉→國分に交代)と、ビハインドを跳ね返す交代策を敢行する八戸。
その最初の攻めが途切れた所で梶浦が再度倒れ込み、担架で運ばれて交代を余儀なくされる金沢。
嶋田を投入、同時に毛利→平に交代して5枚のカードを使いきりました。(この際にフィジカルコーチの坂本哲也氏に警告が出たようだが詳細は判らず)

終盤の負傷シーンから、ATは7分と長丁場となりましたが、立場上八戸は苦しいものとなり。
自陣で守備を固める金沢に対し、前半のシーンから主体的な攻撃に難が見られる八戸は崩しの術を持たず。
出来る事はロングパス→雪江フリックによる乱戦に持ち込む事ぐらいで、長い目安時間をむざむざと浪費してしまいます。

逆に金沢が決定機を迎え、小島のボール奪取で矢印を反転させると、薄い八戸ディフェンスを嘲笑うかのようにパスワークで翻弄しての前進。
そしてエリア内へのスルーパスがフリーの杉浦に供給されましたが、放たれた杉浦のシュートはゴールバーを直撃して跳ね返り。
歓喜を呼び込む追加点は生まれなかったものの、勝利への進軍は乱れる事は無く。

そして1-0のまま試合終了となり、難敵を下して勝ち点3を得た金沢。
試合内容が示す通り、苦難の道を歩みながら昇格というゴールに辿り着く、となるでしょうか。

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