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DAZN観戦 2019年J1リーグ第27節 セレッソ大阪vsガンバ大阪

2019-10-03 17:17:15 | サッカー視聴記(2020年以前)

チーム状態の差がそのまま結果に表れた大阪ダービーとなった。
端的に言えばそれまででしょうが、中々考えさせられる一日でした。

セレッソは清武が負傷中であり、ゲームキャプテンを務めるのは柿谷です。
その柿谷がキックオフ前の「リスペクト・フェアプレー宣言」のスピーチをしている最中、ガンバサポーターからブーイングが発生する事態に。

発端は前年の夏の移籍期間で、柿谷の移籍話が浮上し、オファーを出したのはガンバで「禁断の移籍」として騒がれる事に。
結局柿谷は残留の道を選び現在もセレッソに籍を置いています。今夏も名古屋への移籍が噂されましたが
それを恨んでの……とは語弊があるかも知れませんが、ともかくガンバ側の余裕の無さを感じてしまう一幕でした。

試合が始まると、ガンバは縦横無尽のパスワークでセレッソの守備を崩しにかかります。
ドイスボランチの遠藤・井手口がその担い手で、両サイドハーフ(左が倉田、右がマルケル・スサエタ)が頻繁にポジションを移動、FWの宇佐美が積極的にパスを受けに降りるという「カオス状態」を作り出さんとする攻撃。

良く言えば自由・ファンタジー、悪く言えば無秩序と捉えられそうな攻撃ですが、問題は守備でもその節が見受けられた事。
セレッソのクロス攻勢に、中央のマークが非常に曖昧になっている内にあっさりと2点を先行される試合展開に、無秩序という言葉がハッキリと浮かび上がってしまいました。
1点目は、後方からの縦パスを右サイドで奥埜が収め、水沼→ブルーノ・メンデス→柿谷と経由しつつ左へサイドチェンジして丸橋がクロス。
これをメンデスがヘディングで叩き込み、ゴール上部に突き刺しました。
前半8分での先制点でしたが、2点目はそこから僅か3分後。
今度は右サイド奥でのフリーキックからで、キッカー・ソウザのクロスを、エリア内浅い所から走り込んだマテイ・ヨニッチが勢い良くヘディングシュートでゴール。
ヘディング2連発であっさりとリードを奪ったセレッソ。

その後はガンバがボール支配率を高めて攻め込むという、ビハインド時の定型の試合内容に。
しかし相手は、前回述べた通りリアクションサッカーを軸とした組織力がアイディンティティであるセレッソ。
セレッソが4-4-2のブロックをしっかりと作り、さらにそのブロックの間を非常に狭くする事でパスワークも限定されがちになっていきます。

中央からの攻撃はほぼ無理という状態で、サイドから攻撃してもすぐに手詰まり状態に。
サイドチェンジを絡めてチャンスを作るという場面は殆ど無く(13分の金英權の左→右の後は、後半22分の宇佐美の右→左まで無し)、往々にしてボール側に人数を増やしてショートパスで崩そうとする攻撃に終始します。
結局ガンバのシュートは、ブロックの外からのミドルシュートという形で重ねられるだけとなり、それも可能性のあるものはあまり無く。(強いて言えば41分のスサエタ、強烈なシュートもGKキムジンヒョンの正面)
近めのシュートといえば、34分スローインの流れからの宇佐美のものぐらい。(GKキムジンヒョンがキャッチ)

リーグ前半の戦いで見られた、「若手選手を数多く起用して来年以降に備える」というガンバの姿勢。
しかし夏の移籍期間で、海外から宇佐美・井手口が「出戻り」、広島を干され気味となっていたパトリックを獲得。
移籍期間が終わってからも、フリーになっていた元スペイン代表のスサエタ獲得という具合に大型補強に走ります。
それだけでは無く、若手有望株として起用してきた中村敬人や食野亮太郎が早くも海外移籍に踏み切るという要素も加わり、方針は既に雲散霧消したと実感してしまうメンバー構成に。
育成型レンタルで数多選手を出しているのが救いですが、果たして彼らが戻ってきた時に健全に出番が与えられるのか戻ってきた時はJ2に落ちていないかなどと不安の種は尽きないでしょう。

後半が始まり、2点ビハインドのガンバは選手交代があると思われましたが、最初に動いたのは後半13分になってから。
しかもセレッソに3点目を奪われた直後の事であり、結果的に流れの悪さを実感するだけとなってしまいました。
ガンバ監督・宮本恒靖氏は指導者としてはまだ若年で、結果を出す事が求められる状況になるとフリーズしてしまうという印象です。(5節・神戸戦で、後半アディショナルタイムまで交代に手を付けず3-4で逆転負けしたのが印象的)
この日のガンバの攻撃が「選手任せ」に映っていた事もあり、トップの監督としてはまだ修羅場を踏む必要がありそうです。

その3点目が入り、ようやくガンバがアデミウソン・パトリックの2人を投入(倉田・渡邊千真が退く)し得点を取りにいったものの、ここからセレッソの攻撃チャンスが増えていく事に。

14分、左→右サイド奥へのサイドチェンジから、中央バイタルエリアでソウザが受けるという絶好機。
ここで恐怖のミドルシュートが炸裂すると誰もが思ったはずで、ガンバディフェンスも必死にブロックに入り、それを切り返し続けてシュートチャンスを探すソウザという図に。
結局シュートは放たれたものの、ジャストミートせず枠外と不発に終わりました。

↓ソウザ恐怖のシュートの絵

そんなソウザのミドルシュート、後半アディショナルタイムにこの日も炸裂したものの、GK東口のセーブに遭い残念ながら結果は出ず。

セレッソが攻勢をかけた事により、ガンバ側もようやくカウンターという「セレッソの守備が整わない間に攻撃を仕掛ける」機会が増え、ややオープンな展開になっていきます。
3-0というスコアになった事で、ダービーマッチ故か観客にエンターテイメント性を提供する趣に舵が採られたのでしょうか。(んな訳無い)

そんな状況下、終盤は裏狙いのスルーパスで好機を作っていくガンバ。
33分右サイドで井手口のスルーパスを受けたスサエタがクロス、これをパトリックが胸で落とし井手口に渡るも、宇佐美へのパスはセレッソ・水沼にカットされシュートまでいけず。
37分はカウンターの好機、スサエタが中央をドリブルしたのち右のパトリックへとパス。
パトリックはスルーパスをエリア内に送り、走り込んで受けたアデミウソンがシュート。(藤田がブロック)
43分にはクリアボールを井手口が落とし、拾ったアデミウソンがエリア内へロビングを上げ、パトリックが裏に抜け出しボレーシュートにいったもののオフサイドの判定。
願わくば、こうした攻めをリードを奪われる前にやりたかった事でしょう。

結局オウンゴールで1点を返したものの、大勢に影響無く3-1でセレッソの勝利に終わった大阪ダービー。
意外にも7年前の2012年以来のセレッソの勝利との事ですが、2013年にはガンバが、2015~2016年にセレッソがJ2に居たので対戦数はそう多くは無く。
この間はガンバの第2期黄金期(監督は現FC東京・長谷川健太氏)が到来していただけに、今回の結果は双方立場が逆転してしまったのか、という事を感じさせるものとなりました。


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