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DAZN観戦 2019年J1リーグ第13節 大分トリニータvs川崎フロンターレ

2019-05-29 19:55:08 | サッカー視聴記(2020年以前)

王者への挑戦。

といっても、スペインリーグのバルサ・レアルのような絶対的な存在は無いのがJリーグ。
「ビッグクラブの是非」はファンの間でも議論になりやすいですが、自分としては今のままで良いかなと。

そんな事はともかくとして。
最近年の2年連続リーグ優勝ですっかり「狙われる存在」となった川崎。
新助っ人のフィットの問題・ACLとの並行で出遅れた今季ですが、調子を取り戻し順位を上げてきています。

今節の相手は、J2からの昇格組である大分です。
昇格組といっても、前節終了時点で3位という好成績を収めておりJ2らしさを感じさせない今季の戦いぶり。
的確なスカウティングと明確なパスワークで、これまでJ1の猛者との闘いでも一歩も退かずに勝ち点を稼いできました。

メンバーを見ても、J1での主力級選手はほぼ居ない。
しかしそれが「這い上がり」のイメージを作り上げ、魅力を一層引き立てる要素となっている。
JFL出身ながら、目下リーグ得点数トップにまで成り上がった藤本はその代表格でしょう。
そしてチーム単位でも、3年前にはJ3での戦いを余儀なくされていたというクラブ。
かつてJ1での戦いの経験もありながら(2003~2009年・2013年)、昔とは一味違った確固たるクラブとなって帰ってきた。

ここまで12戦で僅か2敗。
そのうち1つが、前年までJ2で凌ぎを削ってきて手の内が見破られていた松本。
もう1つが、過去10年で優勝3回でとにかく守備の堅さで今季を戦っている広島。

特に自分たちのサッカーにかまけていて隙を見せるチーム相手には滅法強い。
それだけに、今回の王者・川崎戦にどれだけ通用するか。
パスサッカーの完成形に限りなく近づいている「自分たちのサッカー」の究極版というチームカラーながら、それでいて隙があるとは言い難い強さも備わりつつある王者
そんな存在との闘いは、今後のJ1での戦いにも影響していきそうです。

そんな大分のスタメン構成ですが、基本フォーメーションは3-4-2-1。
ドイスボランチはリーグ序盤ではティティパン・前田の2人でしたが、最近では島川・長谷川のコンビ。
前線の1トップ・2シャドーのうち藤本・小塚は固定ですが、3人目は流動的。
それでも最近はオナイウ阿道が6試合連続スタメンと定着しつつあり、形は完成に近づいている印象。
ウイングバックは、左右どちらもこなせる松本がフル出場。
どちらになるかはもう片方の人選で決まるようで、この日は高畑が左に入ったため松本は右。ちなみに高山や星が右に入る時は左になるようです。
右WBを強烈にサポートするのが3バックの一角・岩田で、攻撃時はほぼ上がりっぱなしになりWBのサポートをしたり自らクロスを上げたり、時には得点もしたり(今季は既に2得点)と働きます。
中央のDFがキャプテン・鈴木で、左が福森でしたが故障中なのかここ最近はずっとベンチ外、この日は庄司が入ります。
プレースキッカーは長谷川が担当。

試合が始まると、王者・川崎のパスワークはこの日もさえ渡ります。
大分の守備がリトリート基調なのも相成って、労する事無く中盤でパスを回します。
左右どちらのサイドでボールを持っていても、きちんとトライアングルを作ってパスコースを複数生み出す。
こうなると相手の守備も中々インターセプトにいけず。

縦パス・スルーパスを入れた後も、相手の守りを崩せないと判断するとバックパスして仕切り直し。
その繰り返しでボールキープし続ける、消極的とも取られかねない攻撃ですが、攻めたい相手にとってはたまったものではありません。

大分も攻撃の基本となるのはポゼッションサッカーですが、パス回しよりも「相手の隙を突く」という事を重視しているため、藤本を前残りさせて縦に速く攻めたい。
どうしても選手の質の面で他クラブより劣ってしまう以上、基本を貫くだけでは点は奪えず、絡め手ともいえる方法を探らなければならないのが苦しい所です。
戦術の一つである「キーパーからの疑似カウンター」を多用する狙いもその辺にあるのでしょう。

そのため大分にとってはカットできないこのパス回し程嫌らしいものは無く、中々藤本にチャンスを与える事が出来ない。
前半9分、藤本自身が敵陣でパスカット。小塚に戻した後リターンパスを受けてエリア外からシュートを放ちますがGK・チョンソンリョンの正面。
34分にはパスカットした後、後方の長谷川からのロングパスを収めてエリア内に進入しますがシュートは撃てず。
この日は川崎のパス回しに対抗すべく、藤本自らカットにいく場面が目立ちました。

川崎のシュートは前半28分まで皆無。
いや正しくは我慢というべきか、はたまたこれが王者の貫禄なのか。
その初めてのシュートが得点に結び付きます。
守田の縦パスを受けたトップ下の脇坂が左サイドに供給し、これを受けた長谷川がクロス。
その行先のファーサイドに、右サイドバックのマギーニョが走り込んで合わせる。
これが見事にゴールイン、大分は与えたくない先制点を与えてしまった格好となります。

先制された以上、攻めなければならない大分。
しかし守備で川崎のパスワークに神経を費やし、川崎センターフォワード・ダミアンのポストプレイも交えられ、やっとマイボールになっても自陣深くからの攻めになるので決定機が作れません。
こうなると、頼みは右センターバック・岩田のオーバーラップを交えた右サイドからの攻撃。
右WB・松本とのパスワークで敵陣に切り込みますが、それでもシュートまでは中々いけず。

後半頭から高畑に代えて高山を投入、松本を左WBに移し、空いた右WBに高山が入ります。
岩田と松本が離れる事で厚みのあるサイド攻撃は出来なくなり、代わってボランチの長谷川よるサイドチェンジの揺さぶりが後半度々見られます。

具体的には後半15分、敵陣浅めで松本のパスを受けた長谷川が右サイドにフィードを出し、高山→岩田と繋ぎます。
その後岩田は浮き球でエリア内に入れて高山を走り込ませますが高山は収めきれずクリア、そのボールを拾った島川から再びパスを貰い、今度はクロスを選択しますがブロックされて上がらず。
20分、今度は左の松本を使いパスを出す長谷川。
松本のクロスがクリアされたボールを小塚が拾い、エリア外からシュートするもブロック。

22分には再び左を使い、松本からリターンパスを受けた長谷川はエリア内にスルーパス。
小塚に渡るも中は崩せず、バックパスを受けた長谷川は自らシュートするも大きく枠を外します。
ゲームメイカーに近い役割を担った長谷川ですが、やはり川崎を崩す有効打とはならず。

これ以降大分は攻めてもシュートまでいけず、後半35分には藤本が交代(後藤が交代出場)。
得点の匂いが最後まで漂わないまま、王者の前に膝を屈する事となりました。

貫禄の勝利を挙げた川崎。
最晩年に差し掛かっている中村憲剛がこの日ベンチ外だったのをはじめ、メンバーを入れ替えながらの戦いを強いられている今季。(全試合出場はGKチョンソンリョンのみ)

この日中盤で出場した2年目の脇坂(前年はリーグ戦未出場)も、この日はチームの一員としてしっかり機能していた印象を受けました。
選手層は着実に厚みを見せており、リーグ3連覇も現実味を帯びてきたでしょう。


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