浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

“テロリスト狩り”の陰で…

2005年07月19日 | Weblog
 アル・ジャズィーラTVによりますと、パレスチナ急進組織ハマースが18日、ガザ地区を訪問中のエジプト代表団に対して、2月に結ばれた「休戦協定」を、イスラエルからの攻撃がない限りはとの条件付きながら守っていくよう約束したようです。
 ハマース側はここ数日、今回のイスラエルへの攻撃はあくまでもイスラエル側の活動家の拘束や暗殺に対する反撃だとしていましたからある程度予測は付きましたが、これでひとまず大規模の流血は避けられるかと思われます。
 但し、その一方で、パレスチナ自治区ではイスラエル軍や警察が“テロリスト狩り”を行なっており、ここ1週間で数百人が拘束されています。死者も出ています。また、各所で軍事封鎖が行なわれ、猛暑の中、家に閉じ込められた軟禁生活を強いられているパレスチナ人が数多くいることをわれわれは忘れてはなりません。ロンドンで起きた同時多発テロは、普段はテロという言葉をカッコ付きでしか使わない私が使うほど憎むべき対象ですが、世界の他の地域では、同じような、いやそれ以上に非人間的な扱いを受けている人々が数多くいるのです。

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