浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

不法占領地に立つ入植地

2006年11月22日 | Weblog
 イスラエルの人権擁護団体「Peace Now(今こそ平和を)」はこのほど、西岸地区に創られたイスラエル人入植地の4割近い面積が、パレスチナ人の所有地であることを明らかにした。

 これは、Peace Nowがイスラエル政府の持つ資料、統計から計算した数字で、実態に近いものと思われる。

 入植地はこれまで、イスラエル政府や入植事業団体の話では、主にイスラエルの国有地に建てられているとされてきた。しかし、パレスチナ人からは、「収奪した土地に建てている」と訴える声が強く、イスラエル側の主張を正当とする見方は少なかった。

 中には、写真のように9割近くを不法占領地(赤い部分)で占める入植地もある。このマーレ・アドミム入植地は、120以上ある入植地の中でも最大規模のもので、32,000人を超える住民が住む住宅団地だ。

 Peace Nowによれば、これは明らかにイスラエルの法律にも違反しているとのことだ。イスラエルは、パレスチナに対して、和平協定違反だとして非難してきたが、これを見ればどちらに理があるかが分かろうというものだ。

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