ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

共同印刷新本社ビルからの出版事情

2021年09月23日 | 建築&土木見物

修理した自転車に乗って都心部に向かっていたら共同印刷の新しい本社ビルがほとんど完成していました。文京区小石川。播磨坂の坂の一番下のあたりです。

いやー。思ってたより全然かっこいい。どうせまた四角い高層ビルになるんだろうくらいに思っていましたが、地上7階、高いところで35mです。
まさかここからにょきにょき空に伸びて行ったりしないよね。しなさそうです。
なんと言っても素晴らしいのが長年見ていた元の本社ビルの形をしっかり活かしていること。以前はこんなんでした。

この写真は2018年。「谷端川跡を往く」の時のものです。やはりこの特徴的なカーブは残したかったか。
さきほど書きましたが桜の名所である播磨坂の下で、道の反対側には小石川植物園が広がります。ここに高層ビルができるとずいぶん風景が変わるところでした。
植物園の芝生からも至近距離ですごく邪魔になったと思うのでこの高さを抑えた設計は英断です。設計は清水建設プロジェクト設計部。
こんなことを言ってはアレですが、以前の暗くて古いビルの頃より町全体のクオリティが格段にアップしたように感じました。珍しく良い再開発だったと思いました。
印刷会社なんてどこも青息吐息と思っていましたが、意外とお金あるんですね。

共同印刷の後で東五軒町のトーハン本社の前を通りかかったらこちらは本社ビルをパネルで覆って解体中でした。この信号を渡ってしょっちゅう行っていたトーハン本社。

そして解体中の大きなビルの脇に今年5月に移転オープンした新たな本社ビルがありました。黒いガラスウォールで囲まれた部分とその右のコンパクトな5階建てビル。
元々トーハン本社は各出版社の本や雑誌を納入してもらい、ここで区分けして書店に配送するという取次作業の現場でもあったのでかなり広大なスペースを必要としました。
大型トラックが毎朝わんさか集まるような場所です。その機能が全て郊外の大型のセンターに集約されたのでここにそれほど大きなスペースはいらなくなったんですね。
空いた土地はどうするのかな。

首都高を挟んでトーハンと向かい合う凸版印刷の小石川ビル。さきほどの共同印刷は住所も小石川ですが、凸版のビルは住所でもないのにトッパン小石川ビルという名称です。
かつてはここが東京15区の時代の小石川区だったので意味もなくそう呼んでいるわけでもないです。

先日大日本印刷の本社内の博物館を見学して、この日、共同印刷と凸版印刷とトーハンの本社を見ました。一か月の間に出版印刷の大所をまとめてみた感じです。
長らくそのギョーカイにいたのでついつい目に入ってしまうのですが、苦しい状況の中で各社なんとか生き残ろうとがんばっている様は見ていて少し救われた気がします。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Bさん (moto)
2021-09-24 11:40:50
トーハンのお引越し大作戦、サラメシで見ました。
跡地にはオフィスビルやマンションができるみたいです。
牛込地区は印刷の町。小さな工場は今もあるのかなぁ。
建て替えならまだ仕方ないかとも思うのですが、なくなってしまうとちょっと淋しい気がします。
その点、DNPや共同印刷みたいに以前の建物の面影?が残ってるのはいいなと思います!
出版クラブが神保町に移転してしまったときはショックでしたー。レストラン、良かったのにな。
町の変化は早いですね。
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motoさん (B)
2021-09-24 18:21:56
サラメシ見てましたよ!面白かったですね。
古いビルのの昭和レトロな社員食堂は何度も利用しました。

かつてよく行っていた場所はなるべく満遍なく見回りたいと思うのですがなかなか難しい。
それで、ほんの3~4か月見ていない場所がどんどん街が変わっていて驚く毎日です。
出版クラブの移転も知りませんでした。
GoogleMapで神保町に立った新しい出版クラブのビルを見てこの場所は以前はなんだったかいなと思うのですがストリートビューの過去写真ですぐに正解が分かるのが本当に便利でありがたい。
トヨタレンタカー神保町営業所だった土地でした。

出版クラブというと10年前にこんなブログを書きました。
https://blog.goo.ne.jp/arya2golf/e/49b5b8d52d9481280735b1a5226477a9
仕事であるパーティの仕事のくじ引きのお手伝いをしたという話なんですが、この写真の場所が出版クラブでした。
ブログでは写真を加工して壁の文字が読めないようにしていますが、あそこには
「第38回 読書週間書店くじ抽選会」って書いてあったんですよ。
レストラン確かにありましたね。へ~、一般の善良な市民も普通にお食事できたんだー。
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Bさん (moto)
2021-09-25 09:47:43
出版クラブにそんな思い出があったとは(笑)
なんとも平和な光景です。

出版クラブのレストラン「ローズルーム」は、一般人でも利用可能でした。
土日も日替わりランチがあって、サラダバーとドリンクバーがついてなんと1000円!
大人気のロールキャベツの日は売り切れになることも。
月に一度のランチビュッフェもありました。
お味は、最高!ってことはないのですが、使い勝手が良くてちょっとした集まりの時に指定されることが多かったです。
現在は、マンション絶賛建築中。
3年ぐらい前からずっと基礎工事やってます。

ストリートビューの過去写真、ホントに便利ですよね!
Bさんに教えてもらって使ってます!
あそこって何だったんだろうってこと、ありますよねー。
私は過去2回登場したことがあるのですが、1回目のは過去写真も残ってませんでした。
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motoさん (B)
2021-09-25 16:20:39
たった10年前のことなのに、マスクをしていない人が集まってグラスを持っているだけで
「昭和は良かったねえ~」とか言いたくなります。昭和じゃねえし。

元出版クラブのストリートビューも見ました。確かに2019年から工事中ですね。
野村不動産のプラウド神楽坂ヒルトップ。2023年8月完成予定です。
https://www.proud-web.jp/mansion/a114260/design/
出版クラブの時からあった銀杏を活かすようですね。

ストリートビュー2回も登場されたんですか。私ですら1回なのに!
過去写真ですが、残っていないように見えても、ちょっと位置を変えればたいていは残っています。
諦めずにその周辺を探してみよう。
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