アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

師走の午後に年越しキャンプのハナシを

2006-12-17 | 四万十川 初冬&冬

時々 最高気温11度。

 師走の昼前。

ポカポカ陽ざしがぬくいベランダのコットで漫画を読んでいると、

ヒュゥー、何の前触れもなく突風が吹き、パラパラ、青空から冷たい雨が落ちてきました。

わおっ!あわてた僕は干していたフトンを部屋に放りこんだ。モズもツバキの葉の下にもぐり込んだ。

「青空に雨・・・キツネの嫁入りか。このあたりには、キツネはいないはずだけど」

もう少し気温が低ければ、みぞれか雪混じりの雨になったことでしょう。

 

 昼どき。 

「香川さぬきうどんツアー」に出掛けた知人からさぬきうどんが届きました。

大量の湯でうどんをゆがいて、ネギと生卵と出汁醤油をからめ、ずるずるとかっこむ。うめー。

コシがあるさぬきの太麺は、のどごしが良くおいしいものですね。

 

 午後。

HPに使いたい写真を探しました、がいくら探しても見つかりません・・・あれれ?

それは、6年前の冬に静岡の友人と四万十川を下った時の写真です。

焚き火キャンプ&カヌー(カナディアン)で冬の川を遊んだ年末年始。1泊2日。漕行25キロ。

(そういえば当時は、まだ四万十に居を移したばかりで、中村市内のアパートに住んでいたっけ)

 「テントなどの設営は、できるだけ早い時間に(陽があるうちに)すませる」

それが、冬の川(陽が山に落ちるのがはやい)でキャンプをするときのコツだ。

陽が陰った川原は、気温がグングンと下がり、

空気がキリキリと冷えてゆき、あっという間に暗くなり、設営がタイヘンになってしまう。

 

 大晦日の口屋内沈下橋。

青く澄んだ空の下、川原に吹く北風がピリッと頬に冷たい。

僕らは、素早くテントを張り、薪を集め、川原に陽があるうちに火を起こした。

川原には他に、ソロで下っているカヌーイストと、

上流からカヤックで下ってきた〇〇大学の探検部のメンバーが数名いた。計3組のキャンパー。

(探検部の連中は、川の水温が低い冬なのに、夜の瀬を漕いで死にそうになったとのこと・・・わはは)

 凍てついた冬の星空の下、

一箇所に集まったキャンパーは、焚き火にあたりながら、食べ、飲み、語った。

吹きっさらしの川原で、タープなどで周囲に壁を作るなどの防風対策をしなかった。

おかげで、ばっちり服を着込んで焚き火にあたっていても、

体の前面はぬくいのに背中が冷たい、というジレンマにおちいったのだった。

しかたないので、時々背中も焚き火であたためてやり過ごした。

 

 誰かが持ってきてた小さなラジオから、NHK紅白歌合戦が流れてきた。

(好みではない)演歌が沁みるねぇ、と言った友人が、歌合戦の間のタイミングのよいところで大声で叫んだ。

「遠くから白組の健闘を祈る。こちらは陸の孤島四万十川、カヌー年越し部隊より!」と。

僕は、「こんなところで思わず聴く、紅白もいいもんだなぁー」としみじみ思った』。

 元日の朝の川は風が無く、空はおだやかに晴れていた。

低い山から昇ってくる初日にむかって両手を合わせ、

「今年も海、川、山のフィールドで楽しく遊べますように」とわりに真剣に祈った。

 

 「新年おめでとう!これ、皆さんで食べて!」

近くの民宿の人が、朝飯の支度をしてるキャンパーのところへ大きな鍋を持ってきた。

もうもうと大量の湯気がたつ鍋には、雑煮がたっぷりと入っている。

皆でお礼を言って「はふはふ」とあたたかい雑煮を食べた。

初日と思いがけない新年のごちそうに、全員ニコニコの新年の朝になった。

 

 キャンプ道具を撤収し、カナデイアンカヌーに荷物を積み込んだ。

口屋内を出発。

僕らが目指すのは、中村市内で四万十川に掛かる通称赤鉄橋。そこまでの距離は、約25キロ。

透きとおった冬ブルーの空の下、鏡のように凪いだ川は、ゆったりと静かに流れている。

雨量が少ない冬の川は、水量がかなり少ない。水の透明度はバツグンに良いけど。

さわる水は、おおっツメテー!川面の水温8度。沈はしたくない水温だ。

「気持ちイイなぁ~」

冬枯れの川景色を愛でながら、ゆっくりゆっくりと慎重に下ってゆく。

 

 景色のよい広々とした川原でヒルメシを食べ、沈下橋の上でコーヒーを飲み、のんびりと過ごす。

おかげで、山に陽が落ちかけているのに、まだ目的地が遠い・・・やべ!わっせわっせと漕ぐ。

ズンズンと暗くなる薄闇の川。ゴールする頃には漕いでる手元さえ見えなくなっていた。

 

 冬の野外遊びは—テントの設営だけでなく―行動も早めに終えましょうね。

それにしても、あの時の写真どこへいったんだろう?

*使用画像はイメージです。