金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【将棋】 A級昇格王手の藤井竜王とA級陥落決定の羽生永世七冠

2022-02-08 07:35:27 | 将棋

 2月3日(木)と4日(金)に、将棋界の「歴史の交差点」と思われる事象が起こりました。

 2月3日(木)では、順位戦B級1組の対戦が行われ、藤井聡太竜王が阿久津主税八段を破って9勝2敗となり、来期のA級昇格に王手をかけました。最終戦に勝てば文句なしの昇格、たとえ負けても、2位と3位の棋士のどちらかが負ければ昇格となります。いよいよ、来年度は、名人挑戦を目指した順位戦の闘いとなりそうです。

 一方で、2月4日(金)には、順位戦A級の対戦が行われ、羽生善治永世七冠が永瀬拓矢王座に敗れて2勝6敗となり、こちらは最終戦前にA級陥落が決まってしまいました。羽生永世七冠は、ここまで29期連続A級所属という記録を続けていましたが、これが途切れることとなりました。

 このタイミングで羽生善治永世七冠が現役を引退することはないと思いますが、ここ最近の羽生さんの将棋を見るにつけ、将棋ソフト=AI将棋によって対局内容が様変わりになっている将棋界で、何かモチベーションを失って、もがいているように感じます。もちろん、藤井聡太竜王に対する挑戦を成し遂げ、そして藤井聡太に勝つというモチベーションが一番大きいのだと思いますが、どんどんその差が開いてしまうと、このモチベーションも維持することが困難になってしまいます。

 

 競馬界のレジェンド、武豊騎手には、「武豊で凱旋門賞を!」という夢を掲げて、今でも有力馬を委ね続ける馬主(オーナー)たちがいらっしゃいます。彼らに支えられながら、武豊騎手は今でも一線級の騎手として活躍が可能になっています。

 将棋界で言えば、将棋ソフトやAIのスポンサーが、この馬主(オーナー)に当たると思います。羽生さんが研究する深遠な将棋世界の真理を、デジタルで支える有力スポンサー陣が存在しないのか‥。少し寂しくなります。悲しい限り。

 

 このままでは、ある日突然、羽生さんの現役引退の時が来るのかもしれません。そんな瞬間は、まだ見たくありません。


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