金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【タイガース】 タイガースファンの心理 鳥谷騒動の場合

2019-09-20 06:59:41 | タイガース

 タイガースファンにとって、タイガースは家族そのもの、「元気だけど出来の悪い息子」を持った親の気持ちと同じなのです。

 一方で、家族だからこそ、普段は厳しい叱責やゲンコツは当たり前となります。特に、4番打者やエースには厳しく、要求水準は高いものとなります。4番打者なら3割5分、エースなら20勝という具合。ここ何年もちゃんとした4番打者や、エースと呼ばれるピッチャーが育ったことはありません。数少ないファン認定の4番打者であるバースや金本は生え抜きではありませんし、井川投手や藤浪投手といった並外れた才能の持ち主でも、その能力を活かすことなく、潰れていってしまいます。

 今回の鳥谷選手の騒動も、こうしたファン心理が背景にあると考えています。そもそも、次のタイガースを率いる監督候補ナンバー1の鳥谷選手が「まだ、選手として燃え尽きていない」と引退を拒否。部外者から見れば、球団の功労者である鳥谷選手の気持ちに少しは配慮してやれば良いのに‥となりますが、なにしろタイガースファンから見れば「我が子」ですので、我が子のわがままと受け取ったタイガースファンは、軒並み「わがままを言うな!」と叱責の反応になっています。さらには「他チームへ行くことは許さん。お前はうちの長男なんだから、うちを継ぐのが当たり前だろ!」という頑固オヤジの心理になります。

 以前も申し上げましたが、タイガース球団は、熱烈ファンの意見に行動を左右されるポピュリズム政権ですので、こうした熱烈なファンの意見をネット等で見るにつけ、鳥谷選手への態度を硬化させていったと考えられます。自立しようとする子供の気持ちと、子を想う親の気持ちがすれ違ってしまい、親子の絆が壊れてしまった悲劇とも言えます。

 そんな時は、やはりお母ちゃんの出番です。「お父ちゃん、もうええ加減にしいや。この子だってもう大人なんだから。それから、タカシ! お前も、しっかり燃え尽きたら、ちゃんと帰ってくるねんで。お父ちゃんみたいになりたいって言うてたやないか!」


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