未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




戦場で活躍するか?「ロボットろば」
http://wiredvision.jp/blog/dangerroom/200707/20070720134328.php

貨物運搬用ロボットが軍事目的での実用化に向け、着実に歩みを進めている。
長年にわたる四脚ロボットの開発を経て、米Boston Dynamics社のロボット作成チームは、最高4000万ドル規模の大型契約を米軍と結んだ。

脊柱を持つ人型ロボット開発の最前線
http://wiredvision.jp/news/200707/2007071321.html

米Anybots社の『Dexter』は、適応的な歩行運動を実演し、素早くバランスを取る能力によって、押されても倒されないことを示した。
サイトに掲載された動画を見ると、最初はぎこちなく歩くが、その後の自らバランスを取り、あらかじめプログラムされていない足の運びで進む様子には驚かされる。Dexterは、歩き方をプログラムされているのではなく、歩く経験から学習し、歩き方を改善しているのだ。

歩行型ロボットの制御技術が、新たなステージで花を開き始めたようだ。

『Dexter』が自力でジャンプをしている姿は、感動的であった。ジャンプはともかく、着地後に自分で足を踏み出して、バランスを取っている姿を目にした時、二足歩行技術が新たな局面に突入しているのを実感したものである。

だが、今回の『BigDog』である。

『Dexter』が仲間の2輪型ロボットに突かれて、よろっとしながらも踏ん張る姿に、わが子の成長を見守るような思いで涙してから、わずか一週間。

是非、記事にリンクされている動画を見て欲しい。

なぜ、四輪駆動車ではなく、わざわざ四脚ロボットに荷物を運ばせなければならないのか?

その答えは、この映像が如実に物語っている。

圧巻は『BigDog』が、横からの衝撃に対して、どう振舞うのか?のシーンである。

私の受けた衝撃を、皆さんにも味わって欲しいので詳細は伏せるが、『Dexter』のそれが、まだ実験室レベルのものである感が否めないのに対し、『BigDog』のそれは、直ぐにでも実戦投入できそうな完成度を誇っている。

さらに、もう一つ強調しておかなければならないことがある。『BigDog』の動力源は、「ガソリンエンジン」だということだ。

電気自動車の実用化に向けた、激しい技術開発の凌ぎ合いの結果、バッテリーや水素発電などの技術が大きく進歩している。だが、『Dexter』は外部から電力を供給しているようであるし、バッテリーを内蔵し自律稼働できる『ASIMO』は、フル充電でも30分ほどしか稼働できない。

歩兵部隊の行軍速度は4km/h、一日の行程は8時間32Km程度である。
『hydraulic actuation system』のスペックは不明だが、燃費が2Km/L程度とすると、一日に必要な燃料は16リットル程度である。

かなりいい加減な推測ではあるが、野戦部隊向け特殊運搬車両としての現実性が非常に高いような気がする。

ロボットと人間が共存する社会の実現の前に、大きく立ちはだかる障壁の一つが、燃料の問題だ。

電気自動車の普及により、電気や水素を供給できる社会的インフラが整備されれば、それをロボットに転用することも可能であろう。

だが、二足歩行ロボットの存在意義の一つに、「人間と同じ設備や機器を使用できる。」というものがある。

であれば、燃料も人と同じように、『食品を食べる』ことによって供給できるであれば、食糧が500g、水が2~3リットル程度で済むことになる。人は食べた食品を胃や腸で消化し、最終的に燃料として消費されるのは、腸から吸収される成分のみである。それを直接摂取できるようにすれば、排泄物の心配もいらないし、必要な食糧の量は、大幅に削減できる。

水は現地調達可能であるとすれば、わずか数百g/1日程度の燃料にて、活動できるのではないか。

一見、夢のような研究であっても、それにしっかりとした投資を行い、沢山の芽の中から一輪の大きな花を咲かせる。

そう言った社会的な基盤が存在することこそが、アメリカの大きな力であると言えるのではないだろうか。


「どうだね。」
「残念ながら、ダミーではなかったようですね。この時間帯でもかなりの兵員が哨戒に当たってます。」
「突破できそうか。」
「見つからずに抜けるのは不可能でしょう。我々の装備だけでは、強行突破するのも無理ですね。」
「では、迂回するしかなさそうだな。」
「ですが、この防御線を迂回するとなると、工程が1週間ほど長くなりますね。」
「だったら、何とか間に合いそうだな。」
「ええ。ですが、帰りの分の食糧と燃料が足りません。到着するのが、精一杯ですね。」
「それなら決行だ。迂回するぞ。」
「待って下さい。作戦さえ成功すれば、我々の命はどうでも良いのですか。」
「大丈夫だ。これを設置してしまえば、後は身一つで帰るだけだろ。」
「身一つとは言え、帰りの工程も2週間はかかりますよ。いくらなんでも、食糧が全くない状態では無理ですよ。」
「いや、食糧はあるんだよ。」
「敵から奪取するんですか?」
「そうではない。実はこの特殊車両のアクチュエーターは、食べられるんだよ。」
「食べられる?」
「ああ。人工筋肉と呼ばれているが、成分的には、動物の筋肉組織と殆ど変わらないのさ。」
「ちゃんと、消化できるんですか?」
「ああ。それどころか、このような局面を想定して、グルタミン酸などが絶妙に添加されていて、結構おいしいらしいよ。」
「どうやって、解体するんです?」
「エマジェンシーボックスに、マニュアルが入ってるはずだ。必須ミネラルや各種ビタミンも添加されている20キロ相当の肉があれば、2人で2週間の食糧には十分だろ。」
「・・・」
「まだ、何か、不満があるのかね?」
「ええ。実は私、宗教上の理由から、四脚獣の肉は、食べられないんですよ。」

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