今更ながらの感もあるが、『ピコ太郎』だ。
普段、テレビを見ないので、ネットでその名前を知った時には、既にかなりの地位を得ていた。
正直、「どうせ、何かのパクりがたまたまヒットしただけだろう。」と、あまり気にかけていなかった。
いや、正直に言うと、「オレはそんな、一般人が面白がるようなものには、興味ないよ。」と、あえて気にしていない素振りで、避けていたように思う。
たまたまその姿はネットで見てしまったが、その「いかにも」な感じが、いかもに過ぎて、こんな安いノリに乗っては行けない。
「ピコ太郎?ネットの記事で、名前見たことありますけど、見たことないです。」
そう、答えるのがカッコいいとまで、思っていた。
たまたま、点けたテレビでピコ太郎の特集(?)をやっていた。本人は出演していなかったが、「ボキャブラ同世代」の芸人さんが、何人か出ていた。「ボキャブラ」は好きで見ていたので、ちょっと番組を見ていたが、「古坂和仁」にも「古坂大魔王」にも、思い当たるフシがない。
だが、顔は見たことある。誰かに似ているのか?とまで、思ったが、それが誰かは、思い出せなかった。
それが昨夜のことであり、一日経ってフト、思い出した。
「底抜けエアーラインじゃね?」
「あー、そうだよ。底抜けエアーラインだよ。」
全てに合点が入った。
当時、非常に好きだった。何年か前に「今、どーしてるんだろ?」と、検索してみて、解散してしまったことを知り、とても残念に思った。
スゲー面白かった、唯一無二の存在だったのに。。。
悔しかった。彼らのような存在が、生きていけない社会に、絶望を感じた。
彼らの作品(?)は、常に、今までにない、新しいことをしよう。との試みに溢れていた。
そして、それがまた面白いのが、恐ろしい。
毎回のように、新たな試みをぶつけて来るのにもまた、脅威を感じた。
こいつには、才能が尽きるということがないのか。
一番衝撃的だったのが、「効果音漫才」だ。
恐らくは、彼らが考えたであろうジャンルの、初めてのお披露目であった。
「効果音漫才というのを考えたので、見て下さい。」
普通なら、そんな程度で終わってしまう。だが、それは違った。
もしこの世に効果音漫才というジャンルがあったとして、彼らのそれは、一つの完成形を成していた。
普通ならば、新たなジャンルが生まれ、何人ものアーティストが工夫を重ね、新たな試みを追加し、淘汰され、一つの完成形に至る。
その全ての結果でしか得られないはずの完成形に、彼らのそれは、到達していた。
しかも、ふつーに、面白い。
私の知る限り、それを観たのは、その一度きりであった。
もったいない。「効果音漫才」といジャンルで、何人もの芸人さんによる、色々なバリエーションを観てみたい。と、思った。
止まるのが怖いのか。「効果音漫才」き極めてしまったので、もう良いのか。
さすがにビルボードはラッキーだったと思うが、その才能をもってしても、ここまでに至るには、やはり不断の努力が必要なのだと、改めて思い知らされた。
今はただ、素直に、祝福したい気持ちで一杯である。
「良かったな。頑張ったな。」と。
オレも、ちょっとは、がんばらないとな。
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