夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

美瑛で生まれた映画

2024-06-14 08:11:05 | 美瑛町~夏

一昨日、ワールドプレミアとして美瑛で生まれた劇映画「Neighbor’s」と並行して制作されたドキュメント映画「美瑛 人々の大地」を見て来ました。

美瑛町を舞台にした映画はこれまでも中島みゆきのヒット曲をモチーフにした「糸」やアメリカの小説「石を積む人」から着想した「愛を積むひと」などがありますが、今回のこの2つの映画は制作者たちが美瑛町に来て、ここで出会った風景や人たちに刺激されてここから脚本や構想を作り上げていったという点でこれまでの映画とは違った趣があります。

「Neighbor’s」に関してはプロデューサーや監督が語っているように、最初は風景に魅了されたけれどもそこで暮らしている人々に出会って彼らにこそカメラを向けたいという気持ちが強くなったことから、もちろんメインの俳優はプロの役者さん達ですが、美瑛で知り合った人たちも準主役級の配役をされています。

当然ストーリーも彼らに合わせて練られたものでしょうから、最初から出来上がった脚本を持ち込んで絵を撮って行くというスタイルではなかったようです。こういう手法は映画製作の世界ではやはり異例の分野に入るのでしょうか?私は出来上がった映画を見ることは好きだけど映画の手法などには全く通じていなくて分かりませんが、大昔に見たクロード・ルルーシュ監督の名作「男と女」がドキュメント映画出身の監督がゆえにその場の風景をストーリーに撮りこんでいく手法に感激したことを思い出しました。

「Neighbor’s」のストーリーはちょっと難解です。メインとなっているのは毎晩ファミレスのNeighbor’sを借りてラジオ番組を放送しているルカと友人コウの友情とルカが探す行方不明となっている弟への思いが一つあり、そのファミレスで働くシングルマザーしほと娘のみっちゃんの生き方が微妙に彼らと交錯し、もう一つしほが偶然スーパーで出会ったヤングケアラーの青年(中学生)イツキとの交流が同時並行のように流れます。

ストーリー自体に美瑛町でなければならないものは見出せませんが、時々出て来る風景は美瑛らしさが散りばめられています。一見脈絡なく出て来る大型農機具に乗りながら農業者の思いをラジオ放送する農家の若者や日中みっちゃん預けている施設の保母さんの優しさは、同時並行で制作したドキュメンタリ映画「人々の大地」を見て初めて美瑛の人たちの姿だと気づかされます。ちなみに保母さん役は私達の友人である絵美さんです。イツキも美瑛町の若者でした。こんなにしっかりした中学生がいることに驚きました。

ルカの父親役を演じたのはいつも山やスキーでご一緒している隊長(鈴木さん)でした。行方不明の次男を待ちながら長男ルカとのしっくりしない親子関係を続ける役とは難し過ぎなことを要求されたものだと感心してしまいました。

「人々の大地」はストレートに美瑛町の今が分かります。開拓の歴史、農業者達の営み、思い、観光地としての賑わい等々、こういう地で私達も生活しているのだなぁと改めて感じました。

この後10日ほど町の交流館ビエールで映画製作に使った小道具などの展示もあるそうですから、それらを見て難しかった部分の理解の穴埋めをしたいと思います。

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