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夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

2度目の十勝岳登頂

2024-09-09 07:42:24 | 山歩き

昨日は、大雪山に登り自然を学ぶ「ひぐま大学」の9月講座で十勝岳(2077m)に登って来ました。天気は、下界は晴れて気温も日中は30度に達したようですが、山はスタート時点では頂上付近は雲に覆われどうなることやらの状況でした。

活火山ですから植物はまだ36年前の噴火以降あまり戻っておらず、この時期は所々にハイ松と白玉の木が見られる程度でした。十勝岳を登るのは高山植物を見る楽しみなどとは無縁で、もろに火山を感じながら砂礫の連続と地球内部の営みを目の当たりに見ることが出来る独特の地形を歩くことにあるようです。

ただ後ろを振り返ればそこには美瑛町や上富良野町を初め十勝岳以前の古代の火山活動が作った美しい丘の風景が視界いっぱいに広がり、絶景と言わずして何と言うかという景色を見ることが出来ます。これが十勝岳を登ることの醍醐味だと何度かリーダーに言われました。

山行の3分の1くらいの行程に当たる避難小屋までは比較的なだらかに登って行けますが、そこからは私が第一急登と呼んでいる岩だらけの長い登りが続きます。ここを過ぎると大正火口、グランド火口、62-2火口と名付けられている過去の噴火口が大きく口を開けているなだらかな地にたどり着きます。ここで少し休憩を取り、そこから1㎞近く「火星を歩いているみたい」と思わせるなだらかな坂を登って行くと、いよいよ私が第二急登と呼んでいる頂上までのきつい登りの入り口に着きます。

昨年登った時は「ここを登るの?」と信じられないような気持ちだったことを覚えていますが、意外なことに昨日は距離が第一急登よりはずっと短いのでラストスパートの気持ちで一気に登ってしまい、だいぶ昨年とは山の歩き方に違いが起きていることを感じました。

この頃には強い風で頂上付近を覆っていた厚い雲は吹き飛ばされはっきりと稜線が見えるようになっていました。天気は良し、しかし強風は半端ではなく、帽子を飛ばされないようにずっとウィンドブレーカーで頭を覆っていました。風の強さからだと思いますが9月初めの山行にしては寒さも感じ、シャツ1枚で登れた昨年の今頃よりは寒さ対策としてウィンドブレーカーがちょうど良い具合でした。

頂上で少し休憩した後下山を開始し、第二急登入口付近の風を避ける場所で昼食タイムでした。その後は延々と続く砂礫の下りを難儀しながら降りて来ました。

登山口の望岳台からは往復の距離9.9㎞、標高差1145mの登山でした。これで「ひぐま大学」の夏の山行は終わり、この後は紅葉の山を登って見たい気がしています。

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十勝岳連峰はなぜ一列に並ぶか?

2024-09-05 07:42:39 | 山歩き

昨夜は、月1回のひぐま大学登山の事前学習会があり旭川へ出かけて来ました。今週8日(日)の9月講座は十勝岳登山となります。この講座が終わると本年度の大雪山を登る企画は終了となり、10月に修学旅行、11月に「夏山を語る会」、来年2月にスノーシュー企画、3月に卒業、終業式で1年を終えます。

一昨日夕陽を撮りに出かけた際の十勝岳

昨年は修学旅行以外の全ての企画に参加して皆勤賞をもらったので、今年も皆勤賞を取るぞと内外に宣言して来た手前、今月の十勝岳と2月のスノーシューは参加しないわけには行きません。十勝岳は昨年初めて登って「きつい山だった」印象があり、今回もきついことが想定されますが止むを得ません。

昨日は、事前学習として9月1日に出かけた予察隊の状況報告があり、その後にひぐま大学の上部団体である「大雪と石狩の自然を守る会」代表寺島一男先生の十勝岳の成り立ちについての学習会がありました。十勝岳の成り立ちは、我が町美瑛町の成り立ちに大きく関わっているもので興味があります。

先生の話では、十勝岳はこの近辺では1万年前程度の新しく出来上がった山であり、この近辺には250万年前ほどから巨大な火山群が激しい噴火を繰り返していたと考えられている。その名残が十勝岳の裏側、東側にある大きなカルデラ(直径2㎞を超える大規模火口を称するポルトガル語)の存在で、これらの噴火によって噴出された溶岩流や岩石が今の美瑛町や上富良野町、更には旭川市辺りにまで堆積して丘のまちが形作られたと考えられている。それから数百万年も後になってオプタテシケ山や美瑛岳などの火山が形作られ、最も近くに現れたのが十勝岳だそうです。

これらの山々は火口が皆西側に向いていて、また火山群が一列に並んでいるのは、その背後にあった大きなカルデラの地形が影響していたということです。

最も新しい火山である十勝岳だからこそ、未だに噴煙を上げる活火山の代表のように言われているということのようです。24時間の監視体制を敷いている火山活動報告では、今のところ噴火の予兆はなく警戒レベル1(活火山であることを認識せよ)ですが、8日は心して登ろうと思っています。

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♫夏が来れば思い出す

2024-08-19 07:58:41 | 山歩き

昨日は、大雪山に登り自然を学ぶ「ひぐま大学」の8月講座「雨竜沼湿原」山行の日でした。

旭川市から深川市を経て米どころ雨竜町に位置する湿原には車で約2時間のドライブでしたが、湿原が位置するのは南暑寒岳(1296m)とその奥に暑寒別岳(1492m)を有する高原(850m)にあるので、そこまでの道路はかなり狭いことから大型バスは入れずマイクロバス2台での遠征でした。

無料で泊まれる南暑寒荘やキャンプ場、水洗トイレ、大きな駐車場がが整備された登山口から歩き始めると、まず最初に目にするのは巨大な岩のように見える円山(まるやま)853mです。この高さが湿原と同じレベルですから、登山口が標高545mの地点なので一気に300mを登ることを示唆する山です。

「標高差の割には簡単ではないな」と覚悟しながら歩き始めました。スタートからしばらくはなだらかな道が続き、歩き出して30分ほどでなかなか迫力のある白竜の滝が見られました。そこで少しだけマイナスイオンをいただいてからいよいよ急坂に入りました。

歩き始めは曇っていた空がこの頃には青空が広がり日差しも強くなって来たので結構堪え、「いつになったら湿原に着くのか」と念じながら歩くと次第に傾斜が緩んで来たと感じ始め、するとその先には広大な雨竜沼湿原が遂に現れました。これはちょっと感動ものでした。青い空の先には南暑寒岳、暑寒別岳がくっきりと見え、その足元に緑の湿原が悠々と広がっていました。

湿原入り口にあるテラスで休憩した後は湿原独特の木道を歩きこの日の目的地であった「雨竜沼湿原展望台」を目指しました。夏の湿原らしいエゾカンゾウなどは時期が終わっていましたが、木道沿いにはサワギキョウやエゾリンドウの紫、ミヤマアキノキリンソウなどの黄、ヤマハハコなどの白い花が見られ、皆が期待したこの湿原の固有種であるウリュウコウホネの黄色い花が300以上あると言われる池塘の中に可憐に咲いているのを見ることも出来ました。これまた感激でした。

ウリュウコウホネ

木道を歩きながら頭の中には「♫夏が来れば思い出す・・」と尾瀬を歌った「夏の思い出」が繰り返し巡っていました。湿原を見渡せると言う展望台までは少し急坂を登りましたが、そこで昼食休憩を取り下山となりました。

帰途は木道が時計回りの一方通行のため再び湿原と池塘を見ながら歩き、最後はまた急坂を3㎞に渡って難儀しながら下り登山口まで戻って来ました。「夏の思い出」の歌を歌った心境が良く分かるような山行の一日でした。

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雨竜沼湿原

2024-08-15 07:26:50 | 山歩き

昨夜は、大雪山に登り自然を学ぶ「ひぐま大学」の8月講座である「雨竜沼湿原」山行のための事前学習会の日でした。例年ならこの時期は大雪山のいづれかの山を目指すのですが、数年に一度はこの国内でも有数の高層湿原を歩く企画をしているようでした。

雨竜沼湿原は雨竜町という地図で見るとこの位置にあります。南暑寒岳(1296m)の中腹、標高850mの地に東西4㎞、南北2㎞に渡って広がる高層湿原です。

高層湿原とは低層湿原、中間層湿原という言葉同様高地にある湿原、低地にある湿原という意味ではなく、植物などが長い年月を経て枯れて堆積(泥炭化)し、周囲よりこんもり高い地帯になったことから水の供給が雨水だけで栄養素が少ない湿原を言うのだそうです。逆に低層湿原はまだ泥炭化してなくて栄養分を含んだ水の供給が豊富な湿原だそうです。いつも様々な自然の知識を与えてくれる「ひぐま大学」の上部団体「大雪と石狩の自然を守る会」代表寺島一男先生の講義で得た知識の一つです。

日本の高層湿原で最も有名なものが「尾瀬ヶ原」ですが、雨竜沼湿原は尾瀬が東西6㎞、南北2㎞に対し東西4㎞と少し小ぶりとは言え、国内有数のと言われる所以です。またその姿も至仏山の麓に広がる尾瀬ヶ原を彷彿させるように南暑寒岳の麓に広がり、同様の景色が期待できるようです。

雨竜町ホームページから借用

固有種のウリュウコウホネを初め高山植物とはまた違った湿原独特の植物なども豊富に見られるそうで、今週日曜日(18日)の山行を楽しみたいと思います。

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旭岳~周回コース

2024-07-22 07:26:50 | 山歩き

昨日は、大雪山を登り自然を学ぶ「ひぐま大学」の7月講座、旭岳登山でした。前日まで天気予報はあまり優れず、事前学習会で1962年の旧北海道学芸大学生10名の遭難の話などを聞いたこともあってイマイチ気乗りしないまま当日の朝を迎えました。

ところが、この日は天気予報も朝から晴れに変わっていて、バスが旭岳に近くづくと山頂の稜線がはっきり見えていました。見事にそれまでの気分を裏切ってくれ、俄然張り切ってしまいました。

もう一つ事前の気分が優れなかったのは、昨年一人で頂上をピストン往復した時に多分ペースの配分を間違えたのかきつくてもう登りたくないと思っていたのですが、昨日は仲間と登ることで自分の急ぎ過ぎるペースが抑えられ、時々ドリンク休憩を取ることで、山頂まで実に楽なペースで登ることが出来ました。これならまた登りに来ても良いと思うくらいでした。

頂上に到達し少しの時間休憩した後は、初めての経験となる旭岳の裏側を降り、続く間宮岳に縦走し、そこから中岳温泉と名付けられた川に自然に噴出している温泉に降りてそこで足湯に浸かり、そこから先日も訪れたチングルマの群生地・裾合平を経てロープウェイ駅に向かうという周回コースに入りました。

旭岳の裏を降りる道はきつかったです。かなりの斜度があり、ほとんどが滑り易い砂礫の連続で正直怖いと思うくらいでした。そこを抜けると今度は間宮岳(2185m)までの登り返しがありました。周回コースの中でのピークを過ぎた後はしばらくフラットな道を、右に御鉢平と名付けられている直径2㎞になるという大カルデラを見ながら進みました。

中岳分岐から中岳温泉に降りて行く道はかなりの急坂でした。中岳温泉には午後2時ごろの到着だったので多分一番混みあう時間帯だったのでしょう、多くの登山客が足湯に浸かっていました。ここは昨年経験していたしあまり休憩時間もなかったので軽く5分ほど足をお湯に浸けましたが、これだけでもそれまでの疲れがかなり回復する気分でした。

そこから裾合平を通り過ぎると、7月4日に訪れた時は満開のチングルマが見られたものでしたが、昨日はそれが見事に綿毛に変わっていました。しかし、この綿毛の様子も遠くからはまるで薄いピンクの絨毯のように見えてなかなか良いものでした。

全員疲れた足取りでやっとロープウェイ駅に戻り、乗り込んだのは最終に近い夕方4時45分発でしたが、この時にも旭岳はくっきりと頂上までの姿を現していて、良い登山日になったことを改めて感じました。

チングルマは綿毛になっていても他の花々はまだたくさん咲いていて、特に女性陣は嬉々として花々を楽しんでいるようでした。(一部名前の分かるものを掲載して見ます。)

ミヤマリンドウ

ミヤマアキノキリンソウ

イソツツジ

イワヒゲ

メアカンキンバイ

イワウメ

タカネシオガマ

 

 

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