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夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

雪が大雪山の植物を守っている

2025-02-06 07:43:29 | 山歩き

昨夜は、大雪山に登り自然を学ぶ「ひぐま大学」の今週日曜日のスノーシューツアーのための事前学習会がありました。今年度最後の講座で、昨年9月の十勝岳登山以来久々の活動です。

当初の計画ではカムイスキーリンクスのかかる神威山をスノーシューで歩くものでしたが、スキー場内を歩くことが許可されなかったようで、急遽旭川市内の北部に位置する鬼斗牛(キトウシ)山(標高379m)に変更になりました。

私にとっては初めての山ですが、良く出かけている東川町のキャンモアスキー場も岐登牛山と言うので混同を避けるためなのか、この山が見る方向によって三角に見えるそうで三角山とも呼ばれています。学習会の中でも触れられていましたが、キトウシの漢字は当て字で、語源はアイヌ語でキト(ぎょうじゃにんにく)がウシ(群生)する地という意味だそうです。

学習会はいつものように日曜日に出かけた予察隊の報告とその後にひぐま大学の上部団体「大雪と石狩の自然を守る会」代表の寺島先生による講義が行われました。

寺島先生の深い知識にはいつも感心させられますが、昨夜は主に「アニマルトラック」、山で見かける動物たちの足跡についての話と、「雪」にまつわる様々な話でした。今年の元日にマイナス16度くらいに冷え込んだ時に木々が真っ白い花をつけたような現象を見て「霧氷」だと思ったのですが、その時夫婦で「霧氷」と「樹氷」はどう違うのかと話したことがあり、それに限らず木々に氷が付着する現象は「樹霜」、「雨氷」、「粗氷」などがあることも知りました。

雪はそれに含まれる空気の断熱効果によって植物を寒さから守る機能があり、大雪山の高山植物は雪によって守られているという話は、我が家の庭でも冬の間完全に雪に覆われているのに春にまた芽吹いて来る木々や花達を知ったことで納得でした。

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冬山研修

2024-12-16 07:48:36 | 山歩き

一昨日の土曜日、美瑛町の移住者で作る「美瑛樹山の会」で冬山登山やバックカントリースキー、雪崩対策などを学ぶ研修会が開かれ、私(清志)も参加して来ました。私は、美瑛町に来たものの冬山には近づく勇気はなく、毎日雪を被った十勝岳連峰を仰ぎ見ていますが、それは夏山への意欲の喚起程度です。

山の会でも冬山登山やバックカントリースキーをする人はまだ少数ですが、やってみたいと思う人は結構いて、そういう人達を対象に通称「隊長」こと自衛隊を退職して山岳ガイドを始めた鈴木さんが中心となって研修会を開いてくれたものです。

内容は、夏山と冬山の違いから始まり、冬山で必要な装備、バックカントリースキーで必要な装備の説明などの後、どのジャンルでも冬山で絶対準備しなければならない雪崩の知識と遭遇してしまった場合の捜索される側、捜索する側にとっての必要な装備の使い方、行動の仕方についての説明を受けました。

更に、雪崩対策の三種の神器と言われる「スコップ」、「ビーコン」、「プローブ」を使って会場裏の公園で雪崩対策の実技も見せてもらいました。私は話には聞いていましたがこれらを見ること自体初めてでした。

冬山に入るには必ずこの3つの器具を持参し、仮に自分が雪崩に巻き込まれて雪の中に埋まってしまった場合、ビーコンという電波発信機が常に電波を発信しているので他の仲間たちがその電波を受信して埋まっている位置を発見することが可能になるそうです。そこで発見されればプローブという折りたたみ式の2.4mの長さになる棒を立てて、スコップで掘り出すというわけです。

雪崩に巻き込まれてしまった場合、咄嗟の行動でしょうが口の周りに手などでなるべくスペースを作り空気を確保することも必要だと聞きました。巻き込まれて15分以内なら生存の確率は高いが18分を過ぎるとかなり低くなるそうですので、捜索する側も迅速な行動が必要だし、そもそも冬山には仲間と一緒に入り、決して単独では行動しないことも大事なようです。

こういう対策をきちんと学んでおけば、もちろん雪崩に会わない、危険を避ける知識も習得することによって、冬山やバックカントリースキーは楽しいものだと思う気持ちが強まりました。もう少し若ければバックカントリースキーに挑戦したいのですが、装備一式に相当な費用がかかるということで難しそうではあります。

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ひぐま大学クラスメート

2024-11-26 07:39:35 | 山歩き

昨日は、大雪山に登り自然を学ぶ「ひぐま大学」で同じ2年生の磯さんご夫妻を我が家に招いてランチをご一緒しました。

ご夫妻は、ともに教師をされていたということで、特に夫さんは生物の先生であり退職後の現在も高校で講師を務める傍ら鳥の研究にいそしんでいると言う方なので、ひぐま大学では生物、植物の有識者として一目も二目も置かれている方ですから、クラスメートとは言っても私などにはなかなか近寄りがたい存在でした。

ところが、プリンスエドワード島で知り合って以来の友人がこの夏3か月旭川に滞在して一度ひぐま大学の雨竜沼湿原山行に聴講生として参加した際、彼らと意気投合したことで後日その友人夫妻と一緒に私達夫婦も彼らの家をお邪魔する機会に恵まれました。彼らのお宅は、私達が毎年春の風物詩としてカタクリの花を愛でに行く旭川市郊外の突哨山(とっしょうざん)の直ぐそばという恵まれた環境で、お邪魔してお話をしている間にぐっと距離感も近くなり、次は是非美瑛町を訪ねて欲しいということで昨日のランチとなりました。

北海道人だとばかり思っていたお二人は、東京と茨城の出身で、特に夫さんは水戸に住んでいたこともあるという共通点もあり、昨日は山の話は脇に置いてカナダの話や家庭菜園の話などで盛り上がりました。

ひぐま大学は旭川が主体なのでなかなかすずらん大学のようにクラスメートと普段もお付き合いする関係にはなりませんが、こうして輪が広まっていくのは嬉しいことです。

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紅葉の湿原

2024-09-19 07:04:31 | 山歩き

秋晴れの空が続く北海道は、朝は10度前後、日中は21,22度と本州以南の残暑の厳しさとはすっかり違った様相を呈しています。昨年の今頃はまだ暑さを感じていたのですが、やはり今が北海道の秋の始まりだということをつくづく思うこの頃です。

昨日は、山仲間の友人3人に誘われて一昨日の黒岳とは違った湿原の紅葉を愛でに出かけて来ました。出かけた場所は、大雪山登山ルートの入り口の一つである愛山渓温泉から高層湿原である松仙園から沼の平を巡るコースです。

愛山渓温泉の標高は1010mですので、この日の最も高い標高であった沼の平の六の沼辺りでも1450mでしたから登山というよりはハイキングで湿原を歩いたという印象でした。

紅葉の名所として北海道中から人がやって来るそうですが、昨日は平日だったため登山口に停まっていた車は数台であり、松仙園は一方通行ということもあって全く人に会うことはなく、まるでこの湿原を私達4人の小パーティが独占しているような感覚でした。

さすがに紅葉の状況は黒岳のように2000m近い山岳とは異なり、まだ始まったばかりという感じでした。点在する池塘と呼ばれる小さな湖沼群を木道を使って歩きながら、目の前には昨年登った永山岳などの姿と遠くに最高峰・旭岳の噴煙などが見える静寂の世界に浸っていると、何とも贅沢な時間を過ごしている感覚にとらわれました。

今年は、原始が原、雨竜沼湿原、そしてこの沼の平と3度の湿原を歩く機会がありました。初めての経験で、登山とはまた違った山の楽しみを覚えました。

帰る際には昨年は利用できなかった愛山渓温泉の日帰り入浴もして来ました。実に素朴なひなびた温泉でした。

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快晴の黒岳

2024-09-17 07:36:48 | 山歩き

昨日は最高の登山日和でした。北海道のニュースでも報道されましたが日本一早い紅葉が始まった大雪山系黒岳は朝の気温がマイナス1度で氷が張っていました。3連休中であり最高の天気と紅葉が重なったのですから人々が考えることは皆同じで、「そうだ黒岳に登ろう」だったのでしょうか、この日は早朝から大混雑が予想されていました。

そんな日に毎日が日曜日の男たちが山へ出かけるのは無謀とも思えましたが天気は待ってくれないため、夏の間旭川に滞在している友人の黒岳から旭岳への縦走計画を聞いて、車で黒岳に行くので縦走は出来ないけど黒岳からその先の北鎮岳までお付き合いしますと喜んで出かけて来ました。

友人は黒岳ロープウェイの始発は朝6時だけど相当混雑するだろうから5時半にはチケット売り場に並ぶということなので、私は朝4時に家を出て5時には層雲峡の黒岳ロープウェイ駐車場に到着しました。なるほどこの時点で既にたくさんの車が停まっていました。多分車中泊だったと思われます。

黒岳(1984m)は一度は登りたいと思っていたけどこれまで機会がなかったので楽しみでした。ロープウェイで5合目(1320m)まで上がり、そこからスキー用のリフトで7合目(1520m)まで行けるので、残りの464mを登ることは初心者レベルと言われています。(しかし、後述するようにそれには異論を感じました。)さすがに早朝は登山客ばかりでしたが、下山の昼頃には観光客風の軽装の人がたくさん見られました。

紅葉はまだ山の上の方だけで頂上付近のナナカマド、黒豆の木、チングルマの真っ赤は既にピークの様相でしたが、ロープウェイやリフトで登っていく途中の山はまだ青く、9月末や10月上旬に姉達や友人の来訪時には見頃になっていることが期待できそうで安心しました。

昨日は、黒岳山頂から皆さんが目指す石室(いしむろ)という山小屋まで少し下り、その先はこれぞ大雪山縦走の醍醐味と思われる360度山に囲まれた雄大な景色の中の縦走路を歩いて数百万年まえの大カルデラ御鉢平展望台まで気持ち良く歩きました。

更にそこから北鎮岳(2244m)を目指し、その先の中岳、旭岳との分岐地点から右折してピークに登りました。この分岐までの道のりが結構きつく、続いて岩だらけの北鎮岳頂上へは比較的容易に登れました。ここで旭岳方面向かう友人と別れました。

しかし、そこからの帰り道は長く(5㎞)、特に黒岳に戻ってからの下りは急な岩だらけで狭く、トレッキングポールを持っていない観光客風の人達にはかなりの苦行だったのではないかと思いました。リフトから黒岳山頂までは1.7㎞の距離で464mを登る(下る)のですから、登山道はほとんど階段状態で足腰の強さが求められるものでした。大雪山の山々はどこも大変だと改めて思う山行でした。

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