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夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

映画「教皇選挙」

2025-05-11 07:48:31 | 日記

昨日は、久しぶりにイオンシネマ旭川駅前店で映画「教皇選挙」を見て来ました。この映画は今年のアカデミー賞で作品賞など8部門でノミネートされ脚色賞を受賞していたことで話題となっていましたが、あまりにドンピシャのタイミングで現実の教皇選挙が行われることになってしまったことから多分上映期間の延長などもされているのでしょう、昨日も土曜日ということもありますが映画館にこんなに人が来ているのかと驚くほどに多くの観客が訪れていました。

私達は映画に関してはあまり前知識もなく、ただ2013年に起こった前回のコンクラーベ(教皇選挙)にヒントを得て作られた極上のミステリーだという宣伝文句につられて、その2013年のコンクラーベの時に当時プリンスエドワード島から書いてたブログ記事があったので関心を持って出かけたのですが、実際に一昨日コンクラーベで新教皇が選出されたので内部の人間模様はどうなっているのだろうかという好奇心も満たしてくれるものでした。

公式ホームページから

まだ見ていない方のためにネタバレになるようなことは控えますが、新教皇を選ぶためにシスティーナ礼拝堂に缶詰になった108人の枢機卿達が6人の有力候補を巡って2,3日の選挙期間中に刻一刻と情勢の変化が生じ、最後はあっと驚くどんでん返しがあるという面白いストーリーでした。

映画と現実は違いますが、今回選ばれた新教皇レオ14世も前任のフランシスコ教皇の平和と友愛の路線を引き継ぐ方のようで、初のアメリカ出身ということで一瞬大統領の顔がチラつきましたが似ても似つかぬ人だという評価に映画同様世界中がホッとしたのではないでしょうか。

私はキリスト教徒ではありませんからローマカソリック教会や教皇が宗教界でどのような役割や意味を持つのか良く分かりませんが、世界政治的には国連事務総長と同じように力はなくてもあるべき指針を示してくれる人という印象を持っています。映画の中では権謀術数が飛び交う人間臭さが示されますが、結局は希望が見いだされなければならないというところに落ち着きます。新教皇にも希望を見出したいものです。

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天空の城ラピュタの美術監督

2025-05-03 07:54:04 | 日記

スタジオジブリ、宮崎駿のアニメ映画はずっと好きで可能な限り観に行っていました。特に主人公や物語と共に胸打つその背景画には引き寄せられていましたが、今その背景画を描き多くのスタジオジブリ作品で美術監督を務めた山本二三(にぞう)の作品を展示した「新・山本二三展」が北海道立旭川美術館で開催されていると言うので、天気の良かった昨日訪れて見ました。


彼は「天空の城ラピュタ」、「火垂るの墓」、「もののけ姫」等多数を手掛け、2023年に癌で70歳で亡くなっています。長崎県五島市の出身で、岐阜県の工業高校で建築を学んだ時にパース図の製作などで自分の進む道を自覚し、アニメーション美術の世界に入った人のようです。

昨日は、彼の作品220点が展示されていて(写真撮影は禁止だったので許可されたものしか添えられません)、どれも懐かしさを覚えるものばかりでしたが、「もののけ姫」のシシ神の森などは深い青と緑が印象的でその世界観に一気に引き込まれました。「天空の城ラピュタ」でも実に青と緑が素晴らしいです。

そして印象的なのは雲です。彼は思い描く雲を描けるようになるまで何枚も何枚も雲を描き続けていたそうで、やはり繰り返し描くこと描き続ける事が大事と述べてます。私も昨年キャンバスの半分以上を占める雲の絵を描いたので興味を持って雲だけの絵に見入っていました。雲だけで物語を想像させる力があるんですね。ため息です。


晩年には故郷五島列島の自然豊かな風景を「五島百景」として描き、素朴な味わいのある風景画の世界にも引き込まれました。五島市の誇りとなっているようでこちらのサイトから見られます。見応えのある美術展でした。

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カナダの政治

2025-05-02 08:04:59 | 日記

過去2回、トランプの「カナダを51番目のアメリカの州に」という発言へ反発するカナダの様子を書いたので、一つの顛末として4月28日に行われたカナダ総選挙のことも書いておきたいと思います。

結果は自由党が168議席で第1党となり前任のトルドー首相からバトンタッチしたマーク・カーニー首相が引き続き政権を担うことになりました。自由党は解散前の議席が150だったので18議席増やしましたが、カナダの下院の議席数は343で過半数は172ですから過半数には達せず、トルドー前首相の2期目以来続く少数与党政権ということになります。日本の自公政権と同じです。

ただ、今回ライバルだった保守党は144議席を確保し伸長したものの首相候補だったポワリエーブル党首が落選し、また第2野党だったNDP(新民主党)は24議席から7議席と惨敗しシン党首も落選したので、当面NDPは自由党に閣外協力をしていかざるを得ないと思われ、今まで以上に自由党VS保守党の2大政党制が進むものと思われます。

自由党は今年1月にトルドー氏が首相を辞任した時は保守党に世論調査で24%も差を付けられていて次は絶対保守党政権に変わると思われていたものの、トランプが出てきて真っ先にカナダとメキシコに関税戦争を仕掛け、更にカナダをアメリカの51番目の州にすると言ったことから一気に流れが変わり、カナダファーストを掲げ「カナダのトランプ」と呼ばれていた保守党のポワリエーブル党首は落選という憂き目にあったわけです。

Made in Chinaの帽子

カナダに15年間住んでいてその間の政治も良く日本と比較しながら見ていましたが、日本の衆議院総選挙に当たる下院選挙は日本のように比例代表制のない完全小選挙区制ですから1票でも多い方が勝ちなので、世論にはものすごく敏感です。その結果政権交代も頻繁に起こります。これは国民にとっては政治が極めて身近で良いことだと思いました。

また政治家が日本のように世襲制のごとくにはなっておらず(トルドー氏の場合父親も首相でしたが、彼が政治家になったのは首相になる1つ前の選挙からでそれまでは学校教師という全く別の世界にいたので世襲とは言えません。)、今回のカーニー首相のように経済畑だけを歩いてきて政治経験ゼロの人でもいきなり党首選に出て更には首相になることも全く驚きではないことが驚きです。

私達がプリンスエドワード島に住んでいた時もそれまで2期務めた若い州首相が突然辞任した後には州立大学の学長が後を継いで首相になるといったことがありました。大胆に変わる、しかし政権与党と野党間に極端な考え方の断絶はないためポピュリズムに走ることはないことなどは良い点だと思います。

カーニー首相は私達がカナダにいた時にカナダ銀行の総裁になり、その後は外国人で初めてイングランド銀行の総裁になったことで驚いた人でした。来月カナダで開かれるG7サミットでどのようにトランプと対峙するか見ものです。

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富良野やすらぎの刻(とき)第74夜

2025-04-30 07:57:53 | 日記

昨日は、毎月恒例の「富良野やすらぎの刻」のため富良野へ出かけて来ました。今月はゴールデンウィーク最中ということのためか恒例の土曜日ではなく昭和の日の休日開催だったことでいつになく人が多く、開始前にはほぼ全ての席が埋まっていました。

脚本家倉本聰さんの作品の中から昨日鑑賞したのは「風のガーデン」でした。このテレビドラマシリーズは2008年10月から12月まで全11話が放送されたということで、私達は既にカナダに住んでいた時ですので知ることはありませんでした。昨日は、11話中後半の8話から最終回までを2時間ちょっとに編集しての鑑賞でした。

風のガーデンについては、良く出かけている新富良野プリンスホテルの広大な敷地内に作られたブリティッシュガーデンだということは美瑛に来てから知ってはいましたが、まだ出かけたことはありませんでした。このガーデン自体がテレビドラマシリーズのために2年をかけて作られたものだとは知りませんでした。「北の国から」では五郎さんの建てた数々の家が残り、「優しい時間」では現在も営業中の「珈琲森の時計」があり、「風のガーデン」ではその名前通りのガーデンが今も存在しています。倉本さんの富良野へのかかわり方がここでも良く分かるものです。

ドラマのあらすじは、中井貴一扮する麻酔科医が自らもすい臓がんにかかり、過去に犯した妻の自死や不倫、子どもたちとの生き別れの人生を悔いて故郷富良野に戻り、勘当されていた医師の父(緒形拳)と和解して家族の見守る中で息を引き取って行くといったものでした。このドラマのテーマは死期の迫った患者に医学は延命させることが為すべきことか、痛みからの緩和ケアを施して安らかに眠らせるべきかという究極の選択をつきつけるものでした。彼は身近な人たちの死を見て来て強く尊厳死に傾倒しているそうで、現在尊厳死協会の理事もしているということです。カナダでは当たり前のようにあったホスピスが日本にはまだ数少ないことを嘆いてもいました。

ドラマの中では父親役である緒形拳が息子に緩和ケアを施して看取るのですが、このドラマの撮影開始時点では緒形拳自身が癌に侵されていることを倉本さん初めスタッフは知らず、しかし後半でそれが分かってからは細心の注意を払って撮影を続け録画を完了させながら放送開始日10月8日のわずか3日前に亡くなったということでした。彼の遺作ということになりました。書道にも優れていて「風のガーデン」のタイトルは彼の自筆だそうです。

昨年5月の上野ファーム

このガーデンは旭川にある「上野ファーム」を倉本さんが見たことから発想しガーデンデザイナー上野沙由紀氏に依頼して作ってもらったそうで、昨日は彼女も観衆として参加されていました。上野ファームもまもなく去年感動したチューリップと白樺の競演のシーズンを迎えますし、風のガーデンも前から訪れて見たいと思っていたので、今年は是非どちらへも出かけてみたいと思っています。

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亡くなったローマ教皇のこと

2025-04-22 07:40:31 | 日記

昨日フランシスコローマ教皇が亡くなりました。この方が教皇に選出された時私達はプリンスエドワード島にいて、本命視されていたケベックの枢機卿の動向などをニュースで追っていたことがあり当時のブログに書いた記事があります。その記事を再掲して見ます。2013年3月15日のものです。

「私はカソリック信者ではないので、今回のローマ法王選びは門外漢の俗人趣味で眺めていただけなのですが、多分日本ではあまり報道されていなかったと思うカナダ人の熱い思いがあったことをちょっと書いて見ます。今回選ばれたのはアルゼンチンのホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿でこれからはフランチェスコ1世と名乗るのだそうですが、昨日この人が選ばれた時にカナダのニュースはサプライズだったと付け加えていました。この人はいわゆる本命候補ではなかったということで、本命候補はカナダ人のマーク・オーレ枢機卿だったそうです。法王決定以前からマスコミはいち早くオーレ枢機卿の特集を組み、彼の故郷ケベック州のLa Motteという人口400人の小さな村には世界中のTV取材陣が集まっていました。この村にはレストランもなくコンビニが1軒あるだけなので、急遽教会がマスコミの炊き出し会場になったりしていました。オーレ枢機卿は68歳で見た目普通のカナダ人のおじさんなので、この人なら前の人があまりに弱弱しそうだったのでその点元気そうだし何か親しみが持てて良いな思っていたのですが・・残念でした。新法王は76歳だそうです。前の人は存命中に退陣しましたが、普通は死ぬまで勤めるのだそうですからオーレさんには次の機会は難しいでしょうね。不謹慎ついでに、法王選挙のことをラテン語でコンクラーベということを初めて知ったのですが、日本人は皆思ったことでしょうが「根競べ」と同じ響きだし意味も似てません? 現代はそういう非人間的なことはしないそうですが、昔は誰かが3分の2の票を得るまで教会内に缶詰で選挙をさせられたのだそうです。新法王はお国柄でアルゼンチンタンゴとサッカーが好きだそうでやはり親しみが持てそうです。関係ないですがブエノスアイレスでタンゴ鑑賞、是非一度訪れて見たい国です。」

もう一つ、当時BC州から月1度のメルマガを書いていた時に次のような記事もあります。2022年7月にローマ教皇はカナダを訪れ、カソリック教会がカナダ政府がすすめた先住民族の同化政策に加担し、レジデンシャルスクールと言われた子どもたちを寄宿させ同化させる学校の運営に携わる中で多くの子どもたちを迫害し死なせた過去の事実に謝罪したというものです。多分今も補償交渉が続いていることでしょう。

良い人だったようです。ご冥福を祈ります。

 

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