夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

青い池駐車場利用税?

2024-10-17 07:48:11 | 日記

昨夜は、美瑛町主催で、「自治体財政の苦境と有名観光地における税財政のアンバランス」というタイトルの講演会があったので夫婦で参加して来ました。

講師は、青木宗明さんという神奈川大学経営学部教授で、地方自治体の財政や税制を専門にされている方でした。現在美瑛町が設置している観光振興委員会の副会長をされているということで、今喫緊の課題となっている美瑛町に独自の法定外税(宿泊税、駐車場利用税・・)を設けるかどうか、その検討課題などを町民に知らせるべく開催されたものでした。

平日の午後5時半からの開催ということで、案の定決して多い参加者ではありませんでしたが、力のこもった内容と語り口で有意義な時間だったと思います。

青木氏はまず前提として美瑛町のような人口1万人以下の小さな町村が2000年の地方分権改革の動き以降地方交付税が削減され、人口減で住民税や固定資産税が減少し、このままでは財政破綻してしまう極めて危機的な状況にあることから始めました。私達も美瑛町に住み始めて以来気がかりではありましたが、具体的な数字を確認したことはなかったので、昨日の話で自主財源である住民税等地方税は1万人以下の町村の平均12.4%にも満たない9.5%しかないことを知り驚きました。

そういう財政の町に年間230万人という人口の200倍を超える観光客が訪れるのですから、町が観光行政で支出する経費を原因者である観光客に負担してもらうための税には理があるというのが青木氏の主張です。

全国でも広島県廿日市市(はつかいちし)がこの10月から宮島訪問税を導入した事例や熱海市の別荘等所有税、太宰府市の歴史と文化の環境税など極めて少数ながら自治体が独自に法定外普通税を課していることが紹介されました。ただ、それら以外の法定外税としてはほとんどが原発関連のものであまり参考にはなりません。

我が美瑛町は、青木氏などを中心に入域税、宿泊税、観光施設利用税などが検討されているようですが、安芸の宮島という観光客の出入りが把握できる宮島訪問税は美瑛町の例えば青い池では入場者の把握が難しく、ほとんどの観光客が宿泊しない通過観光型の美瑛町では宿泊税は逆に更に宿泊者を遠ざけてしまうことにもなりかねず、ならば観光施設利用税としての青い池駐車場利用税のようなものが考えられるのではないかと話していました。

しかし、この考え方では1人乗車の場合でも5人乗車の場合でも1台当たり100円とか200円の課税となり税に不公平感が出来てしまい現実的ではないように思います。また、そういうことならわざわざ新税を導入するために中央省庁の総務官僚などとの不毛な論争をするよりも駐車料金の値上げをすれば良いだけのように思えてしまいます。

前途多難、しかし青木氏が言うように自治体財政の危機は待ったなしですから、今後の行方を見守らなければならないと思いました。

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こども陶芸展

2024-10-13 07:48:10 | 日記

以前の記事で「氷裂」というタイトルで美瑛町在住の陶芸家・南正剛さんの話を書きました。「皆空窯(かいくうがま)」という陶芸工房を構えていて、ここは倉本聰さん脚本のテレビドラマ「優しい時間」の舞台となった場所でもあります。

その南正剛さんが特に力を入れているのが美瑛町の小学校、中学校で子供たちに陶芸教室を設けていることです。8月の記事で書いた彼の座談会で初めてそのことを知り是非子供たちの作品を見たいと思っていたところ、昨日から町の交流館bi.yell(ビエール)で「こども陶芸展inびえい」が開催されたので、早速鑑賞に出かけて来ました。

今年で第12回目だそうで、今では美瑛町の小学生や中学生の作品以外に、全国から(やはり陶器の盛んな瀬戸市や益子町が目立った)こども達、更には高校生や大学生の作品も応募されて展示してありました。

事前に審査委員たちの審査が行われていて各賞が表示されていましたが、それらを含めた全作品の中から私達のような鑑賞者による投票での賞も後日決める取り組みや、30点のセラミックツリー賞に選ばれると青い池近くの道の駅「白金ビルケ」敷地内にある「セラミックツリーの森」に常設展示されるご褒美もあるようでした。

こども達の作品は、大人のように器や皿、花器など実用性を兼ねたものではなく、動物や日常の一コマを陶器で形作るものが多く、暖かい、ほのぼのとしたものが感じられて見ていて飽きません。

上の作品は小学1年生の男の子が作ったもので「7歳のわたし」というタイトルですが、さすがに特別審査委員賞を受賞していて、その評には「哲学的である」とありました。末恐ろしいほどの感性ですが、将来ものすごい芸術家になるか、または子供の頃こういうモノを作ったことも忘れる大人になるか、先を見通して見たい誘惑に駆られたりしました。

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プリンターのインク交換

2024-10-09 07:08:24 | 日記

プリンターのインクは価格がすごく高いです。一方プリンター本体は、(高性能で高いものもあるでしょうが)インクジェットプリンターの普及版なら1万円前後で買えてしまいます。我が家のプリンターもキャノン製のそんなものです。昔から本体は安く買わせて純正インクで儲けていると言われていましたが、これはカナダでも同じでした。

その我が家のキャノンTS3530というプリンターのブラックインクが残量が少なくなって来たので買い替えが必要でした。アマゾンで純正品を買おうとするとブラックとカラーのセットで6190円とありました。ところが、その脇にセットで1950円という代物があるではないですか。

これは怪しいと思いつつもyoutubeで使い方を見て見ると普通に使えそうだと思わせられ、どこのメーカーであるかも分からないままつい購入してしまいました。

純正カートリッジ

昨日、早速この代替インクを残量が少なくなっていた純正インクと交換して見ました。交換した時に思い出したのが、純正インクカートリッジがあまりに立派に作られているのでただ燃えないゴミで出すのが忍びないから何とか再利用できないかと思っていたことでした。今回の代替インクはそれが可能な点に好感が持てたことも購入の理由でした。

蓋を開けて中のスポンジを取り出す

ということで、交換でやったことは、純正インクカートリッジの蓋をドライバーでこじ開け、中からインクのしみ込んだスポンジを取り出し、そこに代替インクカートリッジを差し込むことでした。

代替インクカートリッジ

しかし、この差し込みがピタッとははまらず隙間が出来てしまいました。これで大丈夫かなと思いながらプリンターにセットすると、プリンターの表示画面はブラックインクが少なくなっていると言う黄色のランプが点灯したままで、リセット操作を行ってもランプが消えずに気持ち悪いのですが、印刷は普通に出来てしまいました。

純正カートリッジに代替カートリッジをはめ込み

購入時にチェックし忘れたクチコミを見ると、私と同じくランプが消えないが印刷できるというものがあったのでそういうものなのでしょう。もう少し使って見なければ評価が難しいですが、もしこのまま使用に問題なければ次回からはこれで行けそうです。どうなることやらです。

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オレンジ・ランプ

2024-10-08 07:21:07 | 日記

先日の日曜日、美瑛町主催で「オレンジ・ランプ」という映画の上映会があったので出かけて来ました。事前の広報等はほとんどなく、前日に防災無線でアナウンスがあり同時に町からのLINEでポスターが送られて来たのでしたが、思うに美瑛町の町民向けイベントはこういうスタイルが多く、これで町民が集まるのかなぁと感じますが出かけて見ると結構な人が集まっていました。私達もLINEのポスターを見ただけで参加したのですから全般に町のイベントに対する町民の反応は良いのですね。現役時代に人集めには苦労した経験からちょっと驚いています。

さて、この「オレンジ・ランプ」ですが、若年性アルツハイマーになった主人公と家族が困難を乗り越えていく生活を描いたもので実話だそうです。

39歳で車販売ディーラーのトップ営業マンだった主人公が時々物忘れすることが気になって受診したところ若年性アルツハイマーと診断され、若いがゆえに進行も早く一時は絶望の淵に追い込まれて行きます。そこから立ち直っていく過程は実生活では映画で見る以上につらかったものと想像しますが、どうしたら忘れてしまう物事を自ら思い出させることが可能か、スマホでのアラームや備忘録を書き綴ることにし、自ら思い出せないことは認知症であることを示すカードを持って他人に頼ることで日常生活をこなしていく方法にたどり着きます。

身体は健康だし、いつも記憶がなくなってパニックに陥っているわけではないので、「これで死んでしまうわけではない」、「自分は自分、何も変わっていない」と思い直して生きて行くことにした主人公は、実話では9年前に発症したが今でもそのディーラーで人事担当として働き、ボランティアで物忘れ総合窓口相談の「おれんじドア」代表として講演活動なども行っているそうです。

若年性であれ老人性であれ認知症は身近な人に増えて来ているので全く他人事ではなく、自分が病気にかからないことと同時に病気になった人とどう向き合うのか、考えておかなければならないとつくづく感じています。そういうことを狙って厚労省などの肝いりで制作された啓発映画でした。

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昭和過ぎる店で珈琲

2024-10-06 07:16:15 | 日記

美瑛町の奥深く、宇幕別(うばくべつ)という地区に変わった店があることは風の噂で聞いていました。「沢の村BURAハウス」と言います。グーグルマップなどで見ると季節によって蕎麦店をやっていたり、通年で宿もやっていたり、どうもオーナーがカラオケ好きな方なようでそういう写真もたくさん見られます。

その店を間借りして移住者知り合いの中川さん夫妻が土曜日だけ珈琲店をオープンしていると聞いたので、昨日出かけて見ました。彼らはコーヒー豆を焙煎前に洗うという独特の焙煎方法でコーヒーの販売をしているプロなのですが、本当にこんな奥まった地に店があるのか半信半疑で走って行くとなるほど店がありました。

見た目は昔ながらの家の風情で、ただ家の前に「OPEN」のサインがあったので恐る恐る玄関を開けて見ると、にこやかに彼女が現れたのでやっと本当だと納得して家に入りました。一歩踏み入れると、そこは昭和と言ってもずっと昔の昭和の雰囲気に満ちた空間がありました。笑ってしまうほどに昭和のモノがあふれていました。オーナーのBURAさんがこういうものが好きだから皆が持ち寄ってしまうということらしいですが、中には「お宝鑑定団」に出してはどうかと思うようなモノもありました。

その不思議な空間で彼ら自慢のコーヒーの中から特にお薦めの「エチオピア」と手作りプリンとパウンドケーキをセットでいただきました。豆を洗ったコーヒーはまろやかで美味しいです。

私達はここでコーヒーをいただく以外にもう一つBURAさんの蕎麦をいただく目的もあったので、今年から場所を変えて営業しているという蕎麦店の情報も教えてもらいました。それは青い池へ向かう美沢地区という比較的我が家から近い場所にあるものの、幹線道路から外れた場所で、日曜日しかオープンしていないという変わった店のようです。こちらには新そばの香りを味わいに今日がオープンの日曜日なので出かけてみようと思っています。

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