テンプレートも渋くなったということで、またまた日本ネタで。
今から1200年以上も前に、5度の失敗、失明にも負けず、仏教を
伝えるという使命を胸に日本に訪れた鑑真和上。唐招提寺は聖武
天皇の命で、鑑真によって建てられました。
きのうまで東京国立博物館で開催されていた唐招提寺展では、
普段は公開されていない鑑真和上像と、東山魁夷画伯が
十年余りの歳月を費やし1981年に奉納された御影堂(みえいどう)
障壁画が展示されていました。
奈良に○○年間住んでいて、唐招提寺も何度も連れていってもらい
ながら、こんなに興味を持って知ろうとしたのは離れてからだな
...と思いつつ、見慣れた仏像よりも人ごみに圧倒されながら歩い
ていると、次の瞬間、目の前にエメラルドグリーンの世界が広がり
ました。
近づいてよーく見てしまうと、溶けたクラゲが大量に浮いていて、
波に洗われた岩がところどころに見え隠れする緑の壁(...ほんと
に失礼な!)だったんですが、ふすまとしては、下の写真のように
部屋全体の雰囲気をつかさどる役割をしているんですよね。
カナダのレイクルイーズで見たような透明なグリーンが、その透明
さそのままに、和の厳かな雰囲気とマッチしているんだなぁとしば
らく目が離せませんでした。
この障壁画が御影堂に奉られたのが1975年。
唐招提寺の開山期に、権威ある画伯といえど、1200年間も改修を
重ねられた仏教の寺の、荘厳な奥の間に現代の障壁画として飾ら
れた「山雲濤声」。
このグリーンの海の中にたたずむ鑑真和上を考えたとき、東山
魁夷画伯がこの海を描くまでに乗り越えた日々が、1200年の時
を越えて鑑真が日本に旅してきた日々と重なり、彼の目になっ
たのだと感じました。
東山魁夷の作品:奥山路、月光
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