Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

小沢vs宮内庁

2009-12-15 13:27:24 | よしなしごと
しかし、今回の一件っていろいろ考えさせられる。
話題の「一ヶ月ルール」だって、今回のことで初めて知った
人のほうが圧倒的に多いんじゃないのかな。それに、この
ルールを新党さきがけがどういう経緯・目的で作っていて、
どの程度の効力をもってるのかを正確にわかっている人が
どれくらいいるのかも疑問だし。憲法上の天皇の国事行為に
ついての規定と今回のルールの関係だって、よほど詳しい
人でなければ今回の件について、どちらをどの程度優先させる
のが適切かを正確に判断できる人なんていないだろう。
それに、今回のようなことを想定せずにルールを決めた
のにも問題がなかったとはいえない。

小沢さんの剛腕ぶりは確かに反発を招くけれども、今の日中
関係は少なくとも今回の要請を「中国ごときが何を言うか」と
一蹴できない状態であるということも事実。民主党が政権を
取っていなくても、こうなっていたと思う。まぁ、もし
自民党が今回のことをやったら、鳩くんが「私はすでに
新党さきがけ時代に、陛下のためにルールをお作りして
いたわけで!」とか大騒ぎするんだろうけど。

mixi とか見ていると、全体として天皇・宮内庁を支持する
人が多い印象がある。ということは、それだけ実際の対中
関係と国民の意識の間に大きなズレがあるということで、
これを機会に日本は政府も国民も中国との関係について
認識を改めることになっていくんじゃないだろうか。
ていうか、与党も野党も含めて、「しゃあないわな」と
思っていると思う、実際は。

来年にはGDPで日本を抜くことが確実の中国を軽んじる
ことが、日本政府にできるわけがない。輸出に依存した
日本経済の浮沈は、中国がどれだけの日本製品を輸入して
くれるかにかかっていると言っても過言に値しない
わけだし。プライドが許さん!という人もいるだろうけど
これが現実、「頭を下げるのに1円もかからん」という
気持ちで考え方を切り替えていくしかない。最大のお得意様が
アメリカから中国に変わるというだけのことなんだから。

それに考えてみれば、中国は貿易相手としては決して
悪くない。アメリカとの貿易の歴史は、摩擦の歴史の
ようなものだった。アメリカは「日本は輸出ばかりして
ちっとも俺たちの商品を買ってくれない!」とわめいて
いたけど、だってそれはアメリカ製品に魅力的なものが
ほとんど何もなかったからじゃん。それに、私らだって
アメリカ人に「日本製品を買え!」なんて命令したことは
ないんだし。

それに比べれば、中国との貿易はずっとましなものに
なるのは間違いない。中国は農産物でも工業製品でも、
アメリカよりは魅力的なものが多い。まだ農産物の有害性や
工業製品の安全性という点で不安はあるけど、少なくとも
アメリカ製品よりは買いたくなるものが多い。理想的な
相手とは言えなくても、はるかにましとは言える。

そうそう、宮内庁の羽毛田長官。無視すればいいのに
わざわざ「辞めるつもりはありません」なんて返答するから、
かえって子供の喧嘩みたいに印象を悪くしちゃってる。
たとえ時代遅れであろうと空気を読めなかろうと、自分の
やってることに信念があるのなら馬耳東風でいればいい。

こういうところに、彼ら自身が感じている後ろめたさの
ようなものが透けて見えてしまう。今の宮内庁のシステムに
問題があると自分たちで感じているなら、外圧に脅かされる
前に自分たちで動けばいい。こういうところは、ほんと
日本的だと思う。あちこちにいい顔をしようとすから、
何も決められない、何も変えられない。

もし何の後ろめたさも感じることなく、単なる特権意識で
あの発言をしているのだとすれば、それはあまりに融通が
きかないアホなおっさんと言わざるをえない。天皇陛下の
ご体調を考えるのは言うまでもなく大切なことだけど、
特に問題がないのであれば、もう少し柔軟な対応ができて
しかるべきだろう。例外のないルールはないのだし、
中国政府だって思いつきで打診してきたわけではないのだ
から。これがたとえば、地方のちょっとしたイベントに
「急遽お願いしたい」とかいうリクエストなら、やんわり
お断りしたっていいとは思うけど。

話は違うけど、ネットでは普段は天皇家について、クソミソに
言いたい放題けなしている人たちが多いというのに、
こういうときには手のひらを返したように天皇擁護に
回るというのはいったいどうしたことなんだろう。彼らに
共通しているのは、「権力嫌い」という点かもしれない。

普段は天皇家という権力を嫌い、今回はごり押しをして
きた中国政府という権力を嫌い、次は剛腕で宮内庁を
一括した小沢さんを嫌う。おそらくだが、彼らは権力を
かさにかけた両親に個性を無視され、自由を束縛され、
自由な意志を抑制されるような育てられ方をしたのかも
しれない。それが今でもトラウマになっていて、権力を
匂わせることを悉く嫌っているという可能性はある。
わからないけどね。