Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

普天間のこと

2009-12-11 14:40:38 | よしなしごと
なんか、この問題って最近毎日ニュースで見ているけど、どうも
よくわからない。「出て行ってほしい」」という政治家と「移転は
無理」とかいう政治家とがいて、何がどうなってるのやら、数分の
ニュースだけだとすっきりしない。ということで、う~んと簡単に
まとめてみたら、何のことはない、こっちは何もしないで待って
いればいいだけということがわかった。この問題の流れを軽めに
まとめてみた。かっこ内で太字にしたところは、読まなくてもいい
豆知識。

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沖縄の人たちは長年海兵隊の犯罪に苦しめられてきたから、
「米軍・米兵は嫌い!出て行け!」

しかたなく日米政府は「普天間基地を返還して辺野古への移設」を
1996年の「SACO合意」で名護市に無断で提案

(当初アメリカ側はこの合意で、海兵隊ヘリ部隊が使う長さ
45メートルのヘリパッドだけを辺野古に作るよう要求。でも、
どうせ移設するなら巨大な滑走路を造って大儲けしようと考えた
自民党、防衛庁、軍需専門商社、土建屋が、アメリカ側の要求の
何十倍もの計画に膨らませた。これが、総工費5000億円とも
言われてる現在の巨大滑走路の計画)


当然、沖縄全体で大反対。自民党は沖縄をいつまでたっても
説得できず、モタモタ。

アメリカはふがいない日本政府に見切りをつけ、「SACO合意」の
内容を一部変更して、独自の計画「再編実施のための日米
ロードマップ」を2006年5月に立てた。

(この中には、当時の小泉総理大臣の強い要望により、
5000億円滑走路を建設する計画だけは残されたが、
アメリカ側としてはこの計画内で部隊のほとんどを2014年
までにグアムに移転することにしており、その中には滑走路を
使うはずだった海兵隊ヘリ部隊も含まれていた。つまり、
上記のロードマップが作成された時点で、辺野古に限らず、
海兵隊ヘリ部隊用の滑走路は事実上まったく必要なくなった)


でも自民は5000億円もの利権がからんだ巨大事業を手放したくない。

それで、ブッシュと蜜月だった小泉総理大臣が、辺野古の5000億円
滑走路計画を推し進めるために密談して、「海兵隊ヘリ部隊演習用の
滑走路」ということにしようと決めた。

(つまり「海兵隊ヘリ部隊はグアムへ移転するが、ヘリ部隊がたまに
日本に立ち寄った時に演習で使う滑走路」。これは、今年の5月21日の
「外交防衛委員会」に参考人召致された拓殖大学の海外事情研究所で
日米安保を専門にしてる川上高司教授も、以下のように述べてる。

『31MEUは、最大四隻の強襲揚陸艦で出動し、歩兵大隊、砲兵大隊
混成の航空部隊及びサポートグループなどのエレメントで構成される
わけですが、各エレメントは平時は一つの駐屯地に集結しているわけ
ではなく、緊急時になりましたら一つの部隊として集結し出動いたします。
したがいまして、それぞれのエレメントが離れた場合、集結するまでに
時間が掛かり、即応性が低下してしまいます。また、特にヘリ部隊の
役割が大きく、歩兵とヘリを分散化することは困難になるわけであります』

解説すると、「MEU」とは「海兵隊遠征隊」のことで、1つの部隊を
構成してる各チームは、有事の際にはすぐに集合できるような場所に
配置していないとダメで、特にヘリ部隊と歩兵隊は近くにいないと
迅速かつ適切な対応ができなくなる。でも、今の日本側が公表してる
計画は、ヘリ部隊だけを沖縄の辺野古へ移設して、他の部隊を岩国や
別の基地へ移動させて、司令部だけをグアムへ移転させるという
トンチンカンなもの。つまり、これまで自民党が公表して来た計画は、
アメリカの兵力を分断してしまう無意味な計画)


でも現実には米は「再編実施のための日米ロードマップ」の中で
『ほとんどの部隊をグアムに移転する』と明言済み。

(グアム移転について関係者のコメント:
[グアムのアンダーセン空軍基地の副司令官、ジョエル・ウエスタ大佐]
「沖縄からのすべての海兵隊がグアムへ移転して来てくれれば、
アジアに対する軍事的抑止力が強化する」と大喜び。「海兵隊の来る
場所はすでに整備してある。ヘリ部隊でも航空部隊でも、どんな機能でも
受け入れ可能だ」

[アプラ海軍基地のロバート・リー大佐]
「海兵隊のヘリ部隊がグアムに来ることになると聞いている」

[グアムのカマチョ州知事、クルツ副知事]
「日本から海兵隊が移転して来ることは大歓迎だ。われわれはすでに
海兵隊が移転して来た時のためのマスタープランを作成中だ」

つまり普天間基地のヘリ部隊も含めた海兵隊のグアムへの移転は、
軍の中だけの極秘事項ではなく、州知事にまで話が進んでいる
「公然の事実」で、未だに辺野古へ移設だの嘉手納基地に統合だの
騒いでるのは日本だけ。もちろん、「アメリカ政府が普天間飛行場の
名護市辺野古への移設を望んでる」という報道は大嘘。おそらく、
利権ゴロからお金をもらっている報道機関と思われる)


最近急にこの話が話題になった理由は、先月11月20日に、
これまでアメリカが進めて来た計画に沿って「沖縄からグアム
および北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/
海外環境影響評価書ドラフト」を公開したが、その中に沖縄
駐留部隊はほぼすべてグアムに移転すると改めて明記されていて、
しかもアメリカは「2014年までのグアム移転計画を2010年に
前倒ししたい
」としている。アフガニスタンへの効率的な派兵を
考えていると思われる。

「年内には」とか「1日も早く」とか騒いでる政治家は利権
がらみのかたがたで、なんとかして辺野古への移設を実現
させたい人たち。「年内決着は無理」と言っている政治家たちは
利権とは無縁で、アメリカに自分たちのお金で出て行って
ほしいと考えている。

ちなみに、グアムへの移転費用。米軍が日本に要求している
金額は約61億ドル、アメリカ政府が移転に必要と考えている
金額は3億ドル。

http://allabout.co.jp/career/worldnews/closeup/CU20090517A/

http://www.asahi.com/international/update/1210/TKY200912100170.html

だから、何もしないでうだうだしていれば、たとえ米軍の心象が
悪くなっても勝手に自分たちの予算で出て行ってくれる。

[おまけ]

海兵隊は治安維持軍ではなく外征専門部隊であり、別名は
「殴り込み部隊」。日本有事のときに守ってくれるのは、
同じ沖縄でも嘉手納基地の米空軍のほう。海兵隊が出て行って
くれても、日本に何かあったときには空軍が守る。