新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

神奈川県、医療ツーリズム推進へ

2012-02-27 20:50:04 | 医療

追加でもうひとつ

 

がん最先端治療・豊富な観光資源県、病院・観光業者と協議へ(神奈川)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20120226-OYT8T00171.htm

 県は、県立がんセンター(横浜市旭区)で2015年12月に稼働予定の最先端のがん治療装置と、県内の豊富な観光資源を生かし、がん患者を海外から県内に呼び込む「医療ツーリズム」の推進に乗り出すことを決めた。(加藤淳)

 がん治療装置は、炭素イオンを加速した「重粒子線」を、体内のがん細胞に直接照射する放射線治療を行う装置。がんをピンポイントで狙い撃ちでき、患者の体への負担や副作用が小さい。切開手術の必要がなく、入院せず通院治療が可能なため、がんの最先端治療とされている。

 県病院事業課によると、国内で現在、重粒子線治療ができる施設は、千葉市、前橋市、兵庫県たつの市に各1施設。建設中を含めると、県立がんセンターは国内5番目となる。海外ではドイツと中国に各1施設のみ。このため、海外のがん患者が日本に治療で来日することが見込まれるという。

 県立がんセンターの治療装置は東芝が製造することが昨年12月に決まった。

 重粒子線の照射は毎日受けることができ、治療は1日30分程度、平均的なケースで2週間程度かかる。このため海外からのがん患者がこの間、県内の宿泊施設などに滞在し、午前中に治療、午後に観光地巡りをすることもできる。

 県立がんセンター最寄り駅の相鉄線二俣川駅には、本格的に国際化した羽田空港から直行バスが運行している。県内では横浜のほか、世界遺産登録を目指す鎌倉や温泉地の箱根など、外国人に人気の高い観光資源が豊富。県は、重粒子線の治療施設がある他都市に比べ、外国人へのアピール力が強いと見ている。

 外国人受け入れには、専門用語の多い医療知識に精通した通訳確保も必要になるなど課題があり、県は今後、県立病院機構と協議を進める。民間の観光業者らとも協力し、医療ツーリズムの推進策を具体化させる。

 海外からのがん患者は富裕層が見込まれ、県観光課は「県内経済への波及効果も期待したい」と話している。

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医療ツーリズムに関しては賛成、反対いろいろあると思いますが、医療の可能性を広げるとは思います。ただ、それを行うための「医療レベル」は十分にあると思っています。しかし、記事にも書かれていますが通訳などの必要性、どこの国を主なターゲットにするのか(中国やインドなど?、ロシアもありか?・・・完全に英語圏ではないけど、英語は話せるレベルの人が来るかな)、滞在中のサポートの必要性もあります。もっというなら、医療においてやりっぱなしもないので…地元の医療機関との連携も不可欠でしょう。

 

ちなみに僕は…神奈川県立がんセンターには「外国人を多数受け入れる余力があるのか?」とも思います。少数の外国人しか来ないのであれば、観光業に大きな影響は与えないでしょう。多数の患者を日本人を差し置いて受け入れる余力があるのかは…僕はないだろうと思います・・・。

 

長期的な政策レベルでは間違いでもないか・・・と思います。

職業の変化(第1次産業→2次産業→3次産業)があり、3次の中でも「医療や介護」に人手が必要になってくる時期です。その多数の医療従事者、介護従事者ができれば…それを売りにした医療ツーリズム…・日本の世界最高峰の医療を売りにした観光業も可能かとは思いますが・・・今は余裕がないのではないかな・・・?

 

いずれにせよ、実際に動き出せるようになるまでは時間がかかると思いますし、今は小規模に少しずつ宣伝効果も考えて「神奈川県」単独で、将来の布石にするというのは悪くないかもしれません。

 

それまでに日本の医療が崩壊していなければ・・・ですが

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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3 コメント

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ありがとうございます。 (りー)
2012-02-28 09:13:09
何度もご相談にのっていただいてありがとうございます。

食欲は自分では感じませんが魚が苦手でお肉ばかりの食生活だったのですが、お肉を少し減らした程度と前はおかわりなどしていましたが最近は一杯でお腹いっぱいになったり、胸と胸の間(谷間辺り)と左胸に重苦しい鈍痛があり空腹時に胃がキリキリします。

進行の早い癌だったらと思うと不安で‥‥‥

主治医は年齢的に腫瘍など積極的に考えないと言い検査は高いからとよく言われるのでCTなどは私からお願いしたんです。

なので検査などしていただけるか…
以前痩せた時も体重が74から70になり相談しましたがどこが?って顔でデブはちょっとしたことで痩せやすいと言われました。
もう一度精密検査とはどのような検査をすれば良いでしょうか?

アドバイスください。
その上で主治医にもう一度相談してみたいです。

今はスキルス胃癌や肺癌とか心配です。
返信する
追加です。 (りー)
2012-02-28 17:44:13
すいません、書き忘れましたが先生がおっしゃっていた甲状腺などは以前検査済みで異常はなく血糖値も平均でした。

ただ、先月の血液検査でγーGTPがいつもは70とかだったのが110で今月、膀胱が痛く泌尿器科にかかり血液検査しましたが190と増えていました。

脂肪肝で肝炎や肝癌で体重が減ったとか他の臓器も心配です。

2週間前に風邪をひいてから咳だけなぜかとまらず肺も心配ですし…

毎月でなく2ヶ月おきになったため来月中旬まで受診予定ないのでそれまで不安がつきません…
返信する
参考程度に (アンフェタミン)
2012-02-28 19:32:20
>りーさん
こんばんは、コメントありがとうございます

体重に関しては、心配事が多いこともあってか以前より食が細くなられている様子ですので、その影響もあるかもしれません。

様々な腫瘍に関してご心配されているのですが、スキルス胃癌に関しても大腸がんなどに関しても内視鏡検査、便検査などが最初だと思います。肺に関しては胸部単純写真をはじめ、各種画像検査などを行うと思いますが・・これも全快の検査からそれほど離れていないなら、検査のしすぎかもしれません。

血液疾患と異なり、それほどの増殖速度はないと思います。
風邪の後の咳が続くことに関しては、もし痰が絡まないような咳であれば「風邪の後の気管支過敏」かもしれませんし(アメリカ家庭医学会のサイトにいろいろ書かれています)、夜寝ているときが多いなら後鼻漏かもしれません。

咳に関しては、まだ心配しすぎる必要はないと思います。

脂肪肝に関してはγGTPでは判断しません。以前も書きましたがALPとセットで判断し、何が起きているか推測します。

基本的に医学は推測の学問のため、これ以上は書きにくいのですが、安心のために…であれば「PET-CT」「上部・下部内視鏡検査」「腹部超音波」「血液検査(基本的なものをほぼすべて)」「便・尿検査」を行えば大体のものは引っかかると思います。
PET-CTは腫瘍のように「糖」の吸収が多いものに集まりますが、もともと小腸や腎臓(糖を吸収する)などの臓器の腫瘍はわかりにくいですので(心臓や脳もわかりにくいですが、それこそ確率は低いでしょう)。

ただ、繰り返しになるかもしれませんが、以前伺った検査内容は十分なものでしたので、さらに検査が必要かはわかりません。

少し不安が強過ぎるように思います。
参考になれば、幸いです。

また、コメントいただければと存じます
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