新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

埼玉県の試み:看護師確保頑張れ!

2009-06-19 22:23:14 | 医療

さて、3連続です

 

埼玉県の動きなので紹介します。埼玉の医師不足は大きな問題だと思いますが、うちの大学病院のように看護師不足がネックで病床削減している病院も多数あるのではないでしょうか?

 

医師不足だけでなく、看護師不足、医療従事者不足が大きな問題と思います。

 

求む、復職看護師!! 県の支援事業に応募2人だけ 埼玉

6月18日8時1分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090618-00000074-san-l11  

看護師不足を解消しようと、出産や育児で離職した看護師の復職支援のために県が5月から始めた事業の応募者がわずか2人にとどまっていることが17日、県の話で分かった。県は「事業の周知徹底が足りなかった」として、今後はより積極的に広報活動をして“潜在看護師”の復職者増を目指す。  

 

県の平成20年の調査では、県内257病院の看護師採用予定者4814人に対し、採用者は4206人で、608人も不足していた。一方、資格を持ちながら看護師をしていない人は、国の14年の調査を基に、県内で約3万3000人いると推計している。  

 

こうした看護師不足のなか、一度離職した看護師の力を借りるのは喫緊の課題。しかし、県によると、医療現場の技術革新や医療制度の変化が激しく、離職した看護師は復帰に二の足を踏む傾向が強いという。  

そこで、県は5月12日、新たな知識を十分学ぶことができるように、3カ月の復職研修期間中に約25万円の給与を県費から支給することなどを柱にした全国でも珍しい事業をスタートさせた。  

 

対象は離職して3年以上経過し、復職後1年以上、週30時間以上の勤務できる看護師や准看護師、助産師で、募集は計100人。  

 

ところが、1カ月たっても「問い合わせは数件。応募者はいまのところ2件」(県医療整備課)。県は事業をホームページで紹介している程度で、「宣伝不足」は否めなかったため、今後は市町村の広報誌などに事業を紹介する記事の掲載を依頼していくという。  

 

県医療整備課は「看護師はやりがいのある仕事。ぜひ応募してきてほしい」と呼びかけている。問い合わせは県看護協会ナースセンター(電)048・824・7266。

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この記事を読んで思うことはいろいろあります。

 

 

一つは埼玉県もいろいろしているのね~。じゃぁ、少しでも情報を広める努力をしてみよう・・・ということで、この記事を紹介しました。

 

 

さて、看護師採用予定者4800人に対して・・・離職・休職中の看護師さんが三〇〇〇〇人を超えるということ。もちろん、4800人×10くらいの人数は勤務しているのでしょうけど・・・・実際に勤務している看護師さんの数というのはどの程度なんだろうか?

と、まず思いました。

 

逆を言えば「医師」も含めて、実動している医療従事者・・・医師や看護師さんの数と統計学上の数のギャップはどの程度なのだろうか?

 

また、医療現場の技術の進歩などもありますが・・・専門性が非常に高くなっています。 その期間というのは怖いですよね。うちの人事関係を握っている職場も、この領域のTOPが「時代錯誤」のためか・・・・昔のことしかわかっていないから「少し現場から離れても問題ない」と思っているようですが・・・

 

実際、これだけ重症患者があふれている場合、現場から離れるのは嫌ですよね。研究するにしても僕は現場からは離れたくないですよね、完全には。ついでに言えば……止めよう、職場批判をしすぎるのは(笑

 

話を戻します。

例えば血液内科の病棟ですが・・・抗癌剤治療を普通の診療科では使わない量を使用するため看護も普通ではなくなります。基本は同じですけどw

 

その為か「血液疾患、しかも抗癌剤治療予定」となると入りきらない患者さんを受けてくれない病棟もあります。

 

病院の方針は「原則断らない」のはずなのにw

 

 

また、某診療科から状態が悪くなって転科した患者さんがいますが(僕は悪くはないと思うのですが、「どう見ても血液疾患は落ち着いていて、これはお前が診る患者じゃないぞ」と言われたりして、僕の立場悪くなっていきます・・・・orz)、その患者さんは僕の担当している中では、手のかからない方だと思っているのですけど・・・患者さんの家族が来て

もうすぐうちの人は死ぬんでしょうか?

と言ってきたのには驚きました。

「なぜそんなことをおっしゃるんですか?」

 

と聞くと、「看護師さんが『重症だから、いつ何が起きてもいいように覚悟はしておいてください』と言っていた」と・・・・。

 

・・・説明して患者さんの家族は落ち着きましたが、そんなことを言うから状態が落ち着いても転院の話とかができなくなるんだよ

 

・・・・ あとは・・・何かあったら困る…というのも二の足を継ぐ理由でしょうね。そういう社会になっているということでしょう。

 

 

それに「若い看護師」に「久しぶりに来た看護師さん(少し年上)」が入っていくのは難しいというのもあるのではないでしょうか?人間関係の問題で・・・。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

そう言う理由(人間関係)もあるでしょうから、そこの問題も解決するようにした方が良いと思いますけどね。

 

それでは、また。

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2 コメント

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Unknown (れお)
2009-06-20 00:31:51
日々の激務お疲れ様です。医療の現場がどれだけ大変で、医師・看護師さんの不足も改めて知りました。TVでも医療崩壊など取り上げられていますが、貴方の拝見していた方がわかりやすい様に感じます。うまくコメント出来ませんが…元気に医療現場で良いお仕事なさって下さい。ファイト~PS ど~でもいい話大好きです。



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現場の声 (アンフェタミン)
2009-06-20 11:35:00
>れおさん
こんにちは、コメントありがとうございます

最近は落ち着いているので若干早く帰れますが、昔はいつも午前様でしたw

医師不足、看護師不足に関しては「国民生活の基盤」を形成する医療の崩壊の一因として、大きく取り上げてよいものだと思います

TVよりも僕のBlogの方がわかりやすいと言っていただけると嬉しく思います。

これからも元気に働きます。

また、コメントいただければと存じます

P.S 昔、同じように「ど~でもいい話」が好きと言ってくださっていた方がいました
ありがとうございます
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