新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

皆、思うことは同じなり(尊厳死法案)

2012-03-23 06:21:59 | 医療

おはようございます

 

今から出勤ですが、ネットを見ていて思うところは皆一緒と思ったので、記事だけ紹介します。今日は夜は歓迎会があるので。

 

「尊厳死法案」関係団体から賛否の声

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20120322-00000078-jnn-soci

TBS系(JNN) 3月22日(木)23時56分配信

 私たちの死のあり方を変えることになるかもしれない法案“尊厳死法案”の原案を国会の超党派の議員連盟が22日、提示しました。患者が書面などで希望した場合、延命措置を始めなくても医師の刑事責任を問わないとする内容で、関係団体から賛否の声が上がっています

 議員連盟の総会で示された“尊厳死法案”の原案。回復の可能性がなく死期が間近な状態を「終末期」と定義し、患者から書面などで希望があった場合、「医師は延命措置を開始しなくてもよい」としています。現状、こうした行為は医師が刑事責任などを問われる可能性もありますが、医師の免責が明文化されました。会場にはこの法案に懸念を示す人工呼吸器を着けた患者たちの姿がありました。

 東京・江東区で療養生活を送るALS患者・岡部宏生さん(54)。意識を保ちながら徐々に全身の筋肉が衰え体が動かなくなる原因不明の難病です。介護ヘルパーは岡部さんの目の動きで言葉を読み取っていきます。

Q.岡部さんにとって人工呼吸器とは?
 「私にとってはもちろん生きるための道具」(ALS患者 岡部宏生さん)

 ALSは人工呼吸器を着ければ寿命まで生きられますが、人工呼吸器を着けるか着けないかの選択が生死の分かれ目となります。

 「私も真剣に死ぬことを考えていました。今も葛藤はあります」(ALS患者 岡部宏生さん)

 人工呼吸器を着ければたんの吸引など24時間の介護が必要となり、家族の負担を考え人工呼吸器を着けない選択をする患者が多くいます。社会の介護体制が不十分なまま尊厳死が合法化されれば、患者がさらに死を選ばされることにつながるのではないかと岡部さんたちは懸念します

 「家族との関係やケアの体制なども深く関係します。悩みは深いです」(ALS患者 岡部宏生さん)

 一方、尊厳死の法制化を求めている人たちもいます。会員およそ12万5000人の日本尊厳死協会。協会では「延命措置の拒否や取りやめ」などの希望を記した尊厳死の宣言書「リビング・ウイル」の普及活動を行っています。現状でも厚生労働省のガイドラインなどに従えば尊厳死は実施できますが、協会では医師の免責を盛り込んだ法制化が不可欠だと訴えます。

 「やはりガイドラインでは法的拘束力は持っていないので、それはきちんと担保してほしい。保証してもらいたい」(日本尊厳死協会 高井正文常任理事)

 22日の総会で意見を求められた障がい者団体からは「危機感を持って受け止めている」と尊厳死の法制化自体に強く反対する声が上がりました。

 「なぜこのような法律が必要なのか、誰のために必要なのか」(DPI日本会議)

 また、法案では現場の医師が直面している課題である延命措置の「中止」や意思のわからない患者への対応については対象とされず、医師の代表である日本医師会からは「法律にする意味があるのか」と疑問が呈されました。

 「今日改めて意見を頂いたことを私どもはしっかり受け止めながら、検討すべきところもあるのかなと」(増子輝彦議連会長)

 議連では今の国会に法案を提出したい考えですが、調整には難航が予想されます。(22日21:07)

------------------------------------------------

一人の医師としては患者が生きようとしている限り、障害があろうと全力でその「生きようとする意志」「時間」をサポートするのが当然であり、僕は障害者団体の危機感はあまり感じていません。

ただ、今の法案では「現状と何も変わらないでしょう」というだけです。

 

ただ、全員が納得する…というのは難しいことだと思うので、相反する意見の方がお互いの考えを理解できるまで話し合うのが重要だと思います。そうするとより良い「第3案」が出てくると思います。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

 

 

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 尊厳死を望む場合、医師を免... | トップ | 精神的な労災に基準:月100時... »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます。 (りー)
2012-03-23 07:47:30
詳しく色々教えていただいてありがとうございます。
何度もみぞおちを見るのですね。
一番最初にみぞおちでしたがその時が難しい顔で一番長く診ていたので気になりました。

先生がおっしゃった膵臓は見えづらいというのは途中で一度だけ右側向いてくださいと言われたのとまた仰向けになり次は体を少し起こす(上半身だけ起こし手を後ろに回して体を支える)というのがありました。
膀胱辺りも見るのですね。確かに陰部ギリギリまでいったので腹部エコーだったので何でかなと思いました。
やっぱり脾臓辺りも長く見てましたね…
前から主治医に脾臓は大きいと言われているので…
γーGTPが200とか越えると胆臓系に癌や詰まりがある可能性もあると聞き本当に不安でいっぱいです。
みぞおちや左背部が痛いのでやはり膵臓が気になります。
今月主治医と最後の診察の際に相談したら腹部CTを撮っていただいたのですがそれもまた緊急扱いで当日撮っていただいたので放射線科の先生たちに回らず主治医だけしか見ていないと思いますが腫れなどはないと言われましたが、臓器に腫瘍などがあれば分かりますかね…?
返信する
追加です。 (りー)
2012-03-24 07:21:20
すいません…追加です。
血液検査の結果表を見返してみたのですが今までALPは平均240だったのですが先月310と基準値内ではありますが今まで300越えることがなかったです。 今月は結果項目にはALPが入ってなかったのでわからないです…
GPTも先月から今まで平均20が42と上がってるので関係あるのか、ALPが上がると骨の病気の可能性もあるみたいで白血球、CRPがずっと高いままと関係あるのでしょうか?
前にもご相談しましたが両胸の間が痛いというよりは何か詰まってるような息が強く深呼吸できないような違和感がありどっかに腫瘍があり胸骨になどに転移してるんではと考えてしまったのですがそれなら胸部CTを主治医に見ていただいた時に分かりますよね?その時からALPも上がってますかね…?

当日撮っていただいたので放射線医に回らず主治医だけしか見ていないとしたら少し不安ですけど…
返信する
過去にも同じことを書きましたが (アンフェタミン)
2012-03-24 20:46:18
>りーさん
こんばんは、コメントありがとうございます

γGTPとALPが同時に上昇した時に胆道系の異常がある可能性があります。
ALPは様々なものにあります。骨にもありますし、胆道にもあります。がんが肝転移すれば、肝内胆管が障害されてALPも上昇します。

専門的な話になりますが、要は複数のものを比較して評価します。

腹部CTの件に関しては、放射線科医が読影している病院であれば、あとからでも見ていると思いますよ。

りーさんにh申し訳ないのですが、僕はリーさんを見たこともない医師です。ネット上でお話を聞いていますが、それ以上ではなく責任もない医師です。

僕に主治医の評価を聞くのはおかしな話で、主治医の先生と信頼関係がなくては医療は成り立ちません。
主治医の先生とよく相談しながら、信頼関係を構築していってください。
あと、「両胸の間が痛いというよりは何か詰まってるような息が強く深呼吸できないような違和感」と書かれてすぐ思いついてしまうのは「半夏厚朴湯」という漢方薬の効能です。

心配性ないし神経質なタイプで、気分が重く、あるいはふさぎ勝ちで、のどに何かひっかかっているように感じ、咳ばらいをしても取れないとか、動悸などがあって何かと不安で、夜もよく眠れない、胃も丈夫でないといった方に用います。気分が沈みがちで、のどから胸元にかけてふさがる感じがして、動悸、めまい、吐き気を訴える方に使用します。

半年にわたって、いろいろ検査をされているのでおそらく大きな異常はないかもしれません。少なくとも腫瘍性疾患ではないような気がします。

繰り返しますが、主治医の先生とよく相談して今後も診療を受けてください

また、コメントいただければと存じます
返信する
ありがとうございます。 (りー)
2012-03-24 21:13:31
そうですね…
かなり神経質で不安になる度、先生に色々お伺いしてしまい申し訳ありませんでした。
癌が肝転移すれば肝胆菅とはどういった意味でしょうか?

γーGTP、ALPが同時に上昇すると胆菅系に異常と言いますがそれはどんな病気があるのでしょうか?
例えば炎症かポリープか腫瘍か…

腫瘍も考慮した方が良いでしょうか?
新しい主治医とは6月に受診予定なのでその時に白血球などに関しては相談してきます。
今回見ていただいた先生とは2週間後にしっかり相談したいと思いますが体調が悪いのが続くと、どうしても腫瘍系を考えてしまって…
元々心配性ですが白血球などの数値が悪いと知ってからはさらにと思います。
両胸の痛みですがいまいち場所が特定できません。 鎖骨辺りからみぞおちくらいまでの間です。
何もしていなくとも鈍痛がありたまにズキンズキン痛みます。
先生に教えていただいた薬も相談しながら鎮痛剤を良く服用するのでまた胃カメラも考慮したほうが良いですかね…
返信する
質問ではなくて、実際にあっている人との人間関係を大事に (アンフェタミン)
2012-03-24 22:12:10
>りーさん
こんばんは、コメントありがとうございます

肝転移の話はあまり気にしなくてもよいです。胆道系というのは肝臓から出される老廃物を便の中に捨てる経路です。

肝臓の中には下水管のような細い肝内胆管というものがあり、それが合流して総胆管というものになります。胆管にはALPとγGTPが存在しているのですが、肝臓に飛べば、細かい胆管がやられてくるのでこの数値が上昇します。

ALPとγGTPが上昇する疾患はいろいろありますが、あげればきりがないです。胆道系に関連すれば炎症でも、胆石でも、腫瘍でも上昇します。

胸の痛みにはいろいろなものがあります。怖いところでは心筋梗塞や大動脈解離など・・・。しかし、このような疾患であればもう大きな問題になっていると思います。今回のは違うと思います。

他にはどういったものがあるかというと、失礼ながら少しがっしりした感じと伺っていますので「逆流性食道炎」なども考慮に入れる必要があります。

ただ、痛みに関してはどんな時にいたくなるのか、どうすると痛みがひどくなるのか、その性状はなど、いろいろ確認することがあります。

何度も書きますが、インターネットの中で僕に相談することが悪いことだとは思いません。ただ、実際にお会いしている医師によく相談してください。

ここはバーチャルな世界です。本当に困ったときに僕が手助けできるわけではないのです。リアルなところで手助けしてもらえる医師との人間関係を、より良い関係にしてください。

僕は申し訳ありませんが、りーさんのコメントを読むといつもそういったところが不安になります。

また、コメントいただければと存じます
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事