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新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

ADR=患者のクレームに対する相談窓口?

2011-12-07 22:25:53 | 医療

おまけでもう一つ

 

これは僕は

 

 厚生労働省は、患者のクレームに対応する相談窓口を設置するなど患者へのサポート体制を整備している医療機関を、2012年度診療報酬改定で評価することを検討している。医師と患者・家族の対立に中立的な立場の人が介入することで、不要な訴訟などを回避し、医師らの負担を軽減するのが狙い。7日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総会に提案した。

 厚労省によると、患者が不満を感じた時の相談相手は、「主治医」「家族・友人・知人」「別の医師」に次いで「医療機関のスタッフ(相談窓口を含む)」が多い
 この日の総会で厚労省は、福井総合病院の取り組みを紹介。当事者らによる対応で患者らが納得しなかった例が02年4月から3年間で126件あり、中立的立場のジェネラル・リスク・マネジャーが介入したところ、いずれも訴訟に発展することがなかったという。中立的な立場の人が介入し、医師と患者・家族の関係を調整することで、不要な訴訟を回避でき、医師の精神的ストレスが緩和されるとの見通しを示した。

 提案に対し診療側の嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)は、「単なる相談窓口と、専門的な知識を持った窓口とは明確に分けるべきだ」と指摘した。

■院内対策トラブルを評価
 厚労省はまた、職員に対する暴力や暴言、セクハラなどの「院内トラブル」への具体的な対応策をあらかじめ準備している医療機関を、12年度報酬改定で評価することを提案した。

 厚労省によると、患者や家族から院内トラブルを受ける職種は看護師が最も多く、以下は事務職、医師などと続いている。院内トラブルを受け、悩みや不満を感じたことがある看護職員は、病院で約2割、診療所で約1割に上り、それぞれで、このうちの約7割が「離職を考えたことがある」という。
 しかし、院内トラブルに対応したマニュアルやガイドラインを整備している医療機関は16.2%、暴力を回避するための職員研修を実施している医療機関は12.7%にとどまっている。

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嘉山先生の言っているように事務員で対応できるものと、そうでないものは分ける必要があると思います。
「医師でなくても対応できる話」というのもあります。しかし、多くの場合は医療従事者が対応せざるを得ない内容のほうが多いです。
治療に関しての質問を患者さんから直接ではなく、事務の人から言われた時には・・・完全に医師‐患者関係は壊れそうな気がします
そう思って考えるとADRの話かな…と思い、調べてみました
福井総合病院 「ADR(裁判外紛争処理)で患者と医療者が信頼関係を醸成」(月刊保険診療)2006(参考資料10)
ADRを患者の苦情相談窓口と書かないでほしい
ADRは責任の存否などの法的解決のみに当初から絞ってしまうのではなく、双方のニーズに応える解決を合意によって得ること目的とした裁判外紛争解決手続き…のことを言います。ADRに関しての話は4年くらい前に北海道で自治医大の長谷川先生の講演を聞かせていただきました。
ADRの話を知っている人間が聞いても耳を疑う記事になっているかも・・・・(汗
なまじCBの記事だけに・・・厚労省はどんな発表をしたのだろうか?
なんか難しいので、簡単にADRに関して書きます。
ADRは本来、患者さんサイドで納得がいかなかったときに「きちんと説明してほしい」「何が起きたのか真実を知りたい」という話を第三者の専門家によって解明、説明するものです。これは患者さんサイドだけでなく、医療側にもメリットがあります。当たり前ですが「患者さんを失いたい」という医療従事者はいません。
患者さんのために尽くすのが医療です。事実関係がはっきりわかっていて説明しきれていないのであればともかく、本当にわかっていなかった場合は「原因はなんだったのか」「今後同じようなことが起きないようにするにはどうしたらよいのか」というのは知りたい話です。だから、双方のニーズに基づいて第3者(専門家)が解決する・・・。そしてお互いに納得できたところで、必要ならば和解金みたいなものが出ることもありますし、お互い納得で終了かもしれません。
繰り返しますが・・・・これは事務員であればよいのではなくて、専門の教育を受けたスタッフが必要ですし、そんな簡単なものではないような気がします。少なくとも記事の内容、もしくは厚労省の発表に関しては訂正をお願いしたいように思います。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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日大光が丘撤退後は50床?:今後のためにも大きく取り上げてよいと思う

2011-12-07 21:53:11 | 報道関係の方々への期待

さて、もう一つ

 

 日本大学医学部付属練馬光が丘病院(東京都練馬区)の運営を来年四月から引き継ぐ公益社団法人「地域医療振興協会」の吉新(よしあら)通康理事長が、本紙の取材に、新規オープンの際には入院患者数を大幅に減らし、稼働病床数を縮小する考えを示した。患者の行き先などをめぐり混乱が生じる恐れも出てきた。

 病院は十七科、三百四十二床。区の医療の中核を担い、特に小児救急は区内の約三分の一の患者を受け入れ、隣接区や埼玉県西南部からの搬送も多い

 日大は三月末の撤退と同時に医師を全員、病院から引き揚げる方針。区は、協会が現在と同じ病床数、診療科目、医療水準を提供できると患者や住民らに説明してきた

 これに対し、吉新理事長は「病床が埋まった状態で主治医も看護師もいなくなったら事故が起きる。医療安全上、あり得ない」と話した。三百四十二床の許可は取るが、実際の稼働は「五分の一、十分の一だろう。最初五十床ぐらいで、月ごとに増やしていくだろう」と見通した。

 救急も、最初から今のレベルで受け入れるのは「無理かもしれない」として「周辺のいろんな病院にお願いして可能な限りやるしかない」と述べた。

 患者を減らすには、高度医療が必要な患者は同じ日大の板橋病院(板橋区)で引き取るなど日大の協力が必要だが、区と協会、日大の三者で開いている引き継ぎ協議では、具体的な検討はほとんど進んでいない

(東京新聞)

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 日本大学が練馬区の医学部付属練馬光が丘病院の運営から来年三月末で撤退する問題で、同病院の「存続を求める区民の会」の神津真久代表らは六日、志村豊志郎練馬区長と面会した。会は、区長と日大の田中英寿理事長の直接面談を提案したが、拒否されたという。 (柏崎智子)

 日大は七月に撤退を公表し、区は九月、後継に公益社団法人「地域医療振興協会」を選定。しかし、医師・看護師らスタッフの確保がまだ終わらず、日大からの引き継ぎ作業も進んでいない。日大の内部に残りたいという動きがある中で、会は日大存続の橋渡しになろうと、先月は田中理事長に会い、今回初めて区長と面会した。

 会見した会によると、地域医療振興協会が日大と同レベルの高度な医療を提供できるのか尋ねると、区長は「日大に(病気で)かかったことも、協会にかかったこともないので、何ともいいようがない」とし、「引き継ぎに最善を尽くす」と答えたという。

 会のメンバーは「来年四月一日以降、日大と同等の医療が確保できる担保は区長の話に何もなかった。区民としては非常につらい。がっかりした」と肩を落とした。

 区長が会の提案した田中理事長との直接面談は「これまでひどい扱いをされてきた」と拒んだという。

 神津代表は「決定権を握るのは、田中理事長は区長だといい、区長は理事長だという。何とかならないか。今月がヤマ場。できるだけのことをして、区民に伝えていきたい」と話した。

 また、会は、神津代表ら五人の連名で六日、区長に対し、区が所有する病院建物について、日大との貸し付け契約を解除せず、協会との新たな契約を行わないことを求める住民監査請求を行った。「病院問題の経過と真実を広く区民と社会に知らせ、監査委員の公正な判断で日大病院存続への道が開かれることを期待している」としている。

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Vol.256 日大練馬光が丘病院撤退についての問題点Vol.273 政治家は医療に対するビジョンを述べよ!とういうMRICの記事などもありましたね。このころから少し気にはしていたのですが、どんどん大事になっていってしまいました。

 

埼玉県西南部はまだ日本で一番医師が少ない県としては、医師がいるほうかもしれませんが・・・周囲への搬送も多いと思います。東京から患者さんが来たこともありましたが、当直帯で埼玉県内すべて断られて、もしうちが断ったら日大とか順天堂練馬に行かなくてはならないといっていた救急隊の方がいたのを思い出しました。

 

患者さん?

2回似たようなことがあって、1回は受けたのですが、もう1回は重症患者の対応中で無理だったと思います。

一人で研修医3人ととショック患者×2、呼吸不全で挿管する患者とかの対応をしていたことありますしw
あの時の研修医の彼も・・・はや5年目か・・・。

 

いずれにしても、大きな基幹病院が急に縮小することによって受けるダメージは周辺の住民だけにとどまらないかもしれません。搬送されている地域、もしかするとさらに遠方の地域にも影響する可能性があります。

 

住民の方々だって今まで受けてきた「医療の質」の低下や「後継事業が同様の規模を維持できるか」に関しては気にしていたはずです。

 

この問題がもっと大々的に取り上げられ、多くの国民の皆様にも知っていただくことは…おそらく今後、病院の統廃合などの問題が起きた時にどうしたらよいのかということを考えさせてくれるのではないかと思います。

 

そういう意味でもこの問題は大きく取り上げられてよいと思います。

 

また、影響の大きさ:練馬区だけでなく周辺地域(特に埼玉県)の大きな影響・・・を考えれば、取り上げるべき内容だと思います。

 

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診療報酬の政策仕分け:あれはなんだったのだろうか?

2011-12-07 21:12:13 | 医療

こんばんは

 

今日も一日が終わりました。いろいろ職場の方々と話をして、「医師として答えられる」質問を答えて、答えて・・・で気が付いたら一日が終わりました。明日は何もないので、一日お休みをいただいてまた大学に行こうと思っています。

 

勉強といくつかの手続きと。あと、友人が内科専門医試験の合格祝いをしてくれるそうなので・・・。

 

さて、本日の記事はまず、こちらを紹介します。

 

 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は7日、2012年度診療報酬改定に関する意見書をまとめ、小宮山洋子厚生労働相にあてて提出した。予算編成の過程で内閣が決める改定率に関しては、政府の行政刷新会議が行った「提言型政策仕分け」で本体部分の「据え置き」や「抑制」を求める意見があったことに触れた上で、これまでの中医協の議論を踏まえた「適切な対応」を求めた

 この日の総会で診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、プラス改定を目指す考えを示していた小宮山厚労相が、提言型政策仕分けの結果を「重く受け止める」と発言していることを批判し、「『適切』という言葉に、すべての思いをぶち込みたい」と述べた。

 提言型政策仕分けをめぐっては前回2日の総会で、診療側・支払側双方の委員から、「診療報酬の議論をするために必要な資料が圧倒的に不足している」「『年に何百時間もかけて(中医協では)何をやっているんだ』というような提言で、怒り狂っている」などと不満の声が上がっていた。

 意見書では、政策仕分けの意見を「承知している」とした上で、中医協は「国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられる環境を整えるために真摯な議論を積み重ねることにより責任を果たしてきた」と強調している。

 改定率については、支払側の「患者負担や保険料負担の増加につながる診療報酬全体の引き上げは、とうてい国民の理解は得られない」との見解と、診療側の「診療報酬の引き上げによる医療費全体の底上げを行うべき」とする意見を併記している。

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支払い側と診療側の両者は異なる意見を出しています。
診療報酬引き上げは行うべきではない。
診療報酬を引き上げなくては、医療が成り立たない。
支払い側が反対する、診療側が引き上げを求める。これは構図としては当たり前のことです。
しかし、双方が「いったい今までの議論、今までの資料はなんだったの?」という話になるような「政策仕分けの意味」はなんなのでしょうか?
支払い側までがそういってしまうような内容では「話にならない」と思います。

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