桜清水の霊場を訪問してきました!
身延町の南端の「横根」という集落は、山の中腹にあります。
赤い屋根の小さなお堂が見えますね!
近くで見ると、とても立派な造りのお堂です。
手前左側に井戸が見えます。
桜清水の井戸です。今でも現役、こんこんと湧いているようです。
わ~、滑車まで桜だぁ!
1274年5月17日、南部を発った日蓮聖人ご一行は当時の険しい山道を歩いてきて、この地で休憩されたそうです。
しかし川もない山中、水を飲みたくても周囲に水場が見当たりません。もともとこの地は水が乏しく村人も困っていました。
そこで日蓮聖人は、手にしていた桜の杖で岩をうがち、祈祷されると、岩から清水が湧き出しました。
さらに杖を地面に差して、この清水が村人や旅人の役に立つようにと、祈念されたということです。
のちに杖から桜の芽が出たことから、「桜清水の霊場」と呼ばれるようになったそうです。
井戸の向かい側に、清水家の屋敷跡の石碑がありました。
桜清水の井戸を管理してきてくれた村人だと思われます。
井戸の場所からさらに上に上ってゆく階段がありました。
ここに実教寺があります。
山号は「玉林山」です。
歴代お上人の御廟を参拝。
開山は不動院日成上人、寂年が・・・弘安5年、お祖師様と同じ年ですね!
日蓮聖人が休憩された当時、ここは真言宗のお寺で、不動院という山伏が住持をしていましたが、改宗して日成上人となって実教寺を開山したそうです。
めちゃめちゃ歴史のあるお寺じゃないですか!
お寺のすぐ横は深い谷。水が流れてはいますが、ずっと下まで汲みに行かなくてはなりません。
周辺の村人にとって、いかに桜清水が貴重な水源になってきたかが窺えます。
集落の名称にもなっているようで、集会所にも桜清水の名がついていましたよ。
見晴らしの良い集落からは、来年開通予定の中部横断自動車道が見えました。
南部町や身延町に住む人にとっては念願の高速道路でしょうし、県外に住む我々にとっても、身延山へのアクセスは更に楽になるはずです。
身延山インターチェンジもできるようです。
一方で、身延山にダイレクトに行けてしまうと、周辺に点在するご霊跡に立ち寄る信徒が減ってしまうのではないか?という心配を、僕は個人的にしています。
便利に慣れた人が、高速を途中で下りて、不便な古道沿いのご霊跡を訪ねるのかなぁ・・・という漠然とした不安があります。
本山とか有名な寺院でなくても、お祖師様とのご縁がとても深いご霊跡、実は沢山あります。
宗門内の広報だけでなく、道路公団とか道の駅などにも、積極的にその存在を紹介することで、逆境をチャンスに変えてゆけるのではないかな?と思います。
僕は今後も、地味だけどガチなご霊跡を、このブログで淡々と紹介していこうと思っています。
見知らぬ誰かが「へ~、行ってみようかな?」というきっかけになれば、幸いです。