黄紙に注意! 鳶ブログ

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東京電力廃部決定

2011-06-28 23:10:48 | 女子サッカー
女子サッカーから撤退 東京電力西沢俊夫新社長が表明

実業団スポーツについては「維持できない」と廃止方針を明言。
今後は選手を社員として残すか、他社に移籍させるかなどを検討する考え。

比較的出場選手が多い(ピッチ上で11人)サッカーの場合、他の球技に比べても企業の負担は大きい。
東京電力という事実上の公企業ならば未来永劫廃部はないと思ったが、こんなにあっさりと活動を終了してしまった。
実業団(就職込みの入団)ならば大学卒業後もサッカーを続けるという選手にとっては、その受け皿が完全に無くなってしまったので22歳が競技生活の終了と考える人はたくさんいるだろう。
特に早稲田大学の選手にとっては唯一と言っていいほどの受け皿だったので、現在いる4年生はもちろんのこと、それより下の代も日本国内でのプレーはほぼ大学卒業までとなった。(海外留学という選択肢はまだ残されている。)

クラブチームは震災後、非常に厳しい状況に置かれており、さらに選手個人を雇用する企業はなかなか増えない。(これは税制面での援助でもしないと増やすのは無理だ。)
今、スポーツを支えてくれている企業・選手を雇用してくれている企業、そこへ何らかのサポートを国からしていかないと、一番力が出る20代の選手がスポーツを続けられない。

もう企業丸抱えの時代が再び訪れることはないだろうが、東京電力の終焉は企業スポーツ文化の終焉でもあるので、「個人を支える企業」と「チーム活動を続けるクラブ」を日本でも成立させる方法を確立しないと本当に団体球技は全滅する。
まあ、売名行為を目的とした大学の運動部が企業スポーツの代替となって22歳までは何とか役割を果たしているが、23歳以降の選手活動をどうするかの問題は解決されていない。






さて、これで来季のなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ1部)の編成作業が可能になる。
今年の9チームに1チームを加えて10チームで活動するだろうが、さてこの1チームの決め方が問題だ。
今年の規定では最下位チームがチャレンジリーグを勝ち抜いた1チームと入替戦を実施することとなっていた。
1チーム増する場合は、入替戦を行なわず単純に1チームを昇格させるか、それとも2位となったチームと入替戦を行なうかいずれかであろう。

だが、ここで問題が。
なでしこリーグとの入替戦について、現段階の規定は以下の通り。
・「チャレンジリーグ」EASTおよびWESTにおいて2位以内の成績を収めたチームの中で「なでしこリーグ準加盟」の資格を有する各リーグ上位1チーム。
・「チャレンジリーグ」EASTまたはWESTのいずれか一方のリーグで出場該当チームがない場合は決定戦は行わず、一方の1チームが入替戦に出場。

EASTの準加盟登録チームは「ノルディーア北海道」と「AC長野パルセイロ・レディース」の2チームのみ。
この2チームは最下位争いを演じていてここから快進撃を続けたとしてもとても2位以内に割り込む状況にはない。
なので今の規定では決定戦を行なわれる可能性は低い。

WESTの準加盟登録チームは「静岡産業大学 磐田レディース」「バニーズ京都SC」「スペランツァF.C.高槻」「アギラス神戸」「ジュ ブリーレ鹿児島」。
歴史的な記録更新しながら負け続けている「アギラス神戸」の2位以内は既に可能性は消滅している。
残る4チームの扱いがどうなるかが問題である。
準加盟登録していない吉備国際大学が2位以内になる可能性はかなり高い。
そうなると1位あるいは2位に入った該当4チームが当初の予定では入替戦出場となる。
が、東京電力の廃部でなでしこリーグは1チーム減となったので普通に考えたらこの該当1チームの自動昇格となる。
まあ、緊急事態的な判断でEAST・WEST3位までで、なおかつそれぞれ2チームを該当チームとするなんてことになるとWESTの3位にも入替戦の可能性も出てくる。
その辺りをどう判断するかは理事会で決定されることになるのだろうな。

高槻が昇格の有力候補ではあるが、まだ試合数があるからどうなるかはわからない。
なでしこリーグとチャレンジリーグではリーグ供託金の額がかなり違うので今のうちから該当チームは蓄財をしておいた方が良いのではなかろうか。

また、普通に考えて、昇格チームが出るとチャレンジリーグが1チーム減になる。(なでしこリーグが9チームと10チームで行なわれる場合で事情が変わる。)
「チャレンジリーグと地域からの入替」に関しても現在の規定では、
・「チャレンジリーグ」EASTおよびWESTの最下位合計2チームと、地域の2チームにおいて入替戦を実施
とあるが、EASTとWESTの決定戦を行なって敗者と地域代表決定戦の2位が入替戦を行なう可能性もある。(1位は自動昇格)
最大2チームを新規に加盟する可能性を残したいだろうから入替戦は行なうだろう。
たぶんこのままの状況でいけばアギラス神戸が入替戦に臨むことになるとは思うが、さて、愛媛FCレディース以外にチャレンジリーグ参入を希望しているチームはどれだけいるのだろうか。
もし、アギラス神戸が降格ということになれば、なでしこ・チャレンジ入替戦の有無によっては関西からチャレンジリーグのチームがなくなることもありえる。

個人的にはチャレンジリーグで選手強化を図るのも否定はしないが、登録選手の年齢を考慮すれば、「北海道関東甲信越東北U-18リーグ(参加チームのレベルから実質は関東U-18リーグだとは思うが)」「関西東海北陸U-18リーグ」「九州中国四国U-18リーグ」を創設し全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権を新しい形にして価値を高めた方が絶対に日本の女子サッカーの強化に繋がると思うのだが。
高校の部活動とクラブのユースチーム、そしてJFAアカデミー福島の活動、これらが一緒にできる場を作ることの方が大切だと思うのだけど。
まあ、アギラス神戸のようなことになってしまうと可哀想だし、何のためにリーグに参加しているのだろうかと思ってしまう。
地域への女子サッカーの普及とか観客数増とか興行的に部分と普及活動を無理にユースチームに課さなくても良いと思うんだよね。それは大人のチームがやればいいのではないかと。
男子と同様に若いうちに試合数をたくさん経験することが大切なのではないかと。

時代の過渡期、男子が良い形で国内のリーグ戦を再編成しているので、女子ももっと見習った方が良い。
JFLや各地域のユースリーグなどに運営に関して男子からノウハウを学ぶべきだ。

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