Moments musicaux

ピアニスト・指揮者、内藤 晃の最新情報です。日々、楽興の時(Moments musicaux)を生きてます。

同じ音型でも…

2012年04月27日 | オピニオン
最近、アマチュアピアニストの友人Bさんと、インターネット上で、有意義なやり取りがありましたので、ブログに転載してご紹介します。



Bさん シューマンの「飛翔」って、随所に同じフレーズが2回続けて出てくるんですよね。こういう時って、どんな風に弾いたらよいのか、考えてしまいます。同じように弾くとつまらんし。

Akira 音楽は人の心を動かしてゆく時間芸術です。音楽は時とともに絶えず形を変えてゆくもので、それに伴って聴く人の気持ち(テンション)もUp/Downしていくものですから、同じ音型を反復しているときも、気持ちが高揚するか弛緩するかのどちらかなんです。
フレーズは生まれ出て消えゆくものですから、必ず内部に気持ちの高揚のピークがあります。ある音型の反復の箇所を考えたときも、ピークに向かっているのか、それともピークを越えて収束に向かっているのかのどちらかですから、決して同じにはなり得ません。
飛翔は、2+2+4で、短く畳み掛けた(2×2)エネルギーを、たっぷり歌って(4)開放する、いわゆる「ホップ・ステップ・ジャンプ」のような形で、ホップとステップは同じにはなりません。

Bさん >聴く人の気持ち(テンション)もUp/Downしていくものですから、
自分の気持ちに沿ってではなく、聴き手の気持ちを考えないと・・・なんですね・・・。
それとどうしても私は頭でここがどうだとか、その部分をどうしてとか作った感じにしてしまうのですが、その「時間芸術」のことをもっと意識しないと駄目だと思いました。
>ピークに向かっているのか、それともピークを越えて収束に向かっているのかのどちらかですから、同じにはなり得ません。
それを考えて追っていくと自ずとどうしたらいいのか、見えてくるような気がします(^^)。そして、今度は収束・着地の仕方とか、着地するように見せかけてまた次へ・・・という時に迷いが生じてしまいます(^^;)。
>飛翔は、2+2+4で、短く畳み掛けた(2×2)エネルギーを、たっぷり歌って(4)開放する、いわゆるホップ・ステップ・ジャンプの形で、ホップとステップは同じにはなりません
見てみますと、どの箇所も(4)部分は緊張が取れ、甘くなったり、広がるような感じになってきますね。そうすると、2+2がするっと解答出来るように思います!

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