ひょんなことから、大学生の青年と三泊四日の旅をすることになった。
外国にいる知人の息子が福岡に来るので、案内を頼むとメールが来た。
いいよと返事したものの、ただ見るだけではつまらないかもしれないと
彼のために、今ではあまり使わない
デジカメにレンズと三脚等を揃えプレゼントした。
事前に少しレクチャーしたが、若だけに呑み込みが早い。
問題は天気、夏休みをとり宿をおさえたものの
天気予報は、芳しくなく福岡を発つ日も小雨模様。
この季節、菊池渓谷は幻想的な光芒がが現れる。
このところ降り続く雨で、水量は問題ないが
日が差し込まないと、光芒は出ない。
いつもは、早起きして出かけるのだが
若い彼には、4時起きは悪かろうと菊池温泉にビジネスをとった。
早朝、7時前には渓谷の駐車場に、
観光バスがカメラマンを運んできていたが、思ったより車は少ない。
いつものように、まず上流の広河原から、上流側に現れる光芒を待った。
2年前の災害の後、通行止めになっているが、
広河原から上流に、カメラマンが大勢集まる撮影スポットがある。
人ばかりだから、行くことはないが、この日もあぶれた人が川の中にちらほら
雲の間からお日様がのぞくのを、念じて待つこと30分
一瞬、光芒が現れたがすぐに消えた。
ダメかと思い、ファインダーを覗いていると
木々の葉の間から、次々と日の光が差し込む
「天使の階段」とも呼ばれるように
光の束が幾重にも川筋を照らす。
そして、太陽が姿を現した。
居続けてもほかの人に悪いので、数枚、撮って交代をして
橋の下から数枚。
青年が、私を呼ぶので覗いてみると
光のシャワーを浴びるように、カメラマンが立っていた。
青年もFantastic・Fantasticとシャッターを押していた。