メスの上に体が一回り小さめのオスを乗せた、ラブラブのトノサマバッタがいた。
冷え込みだしたこの時期、早い時間はバッタの動きも鈍いだろうと思っていたがなんのなんの動きは機敏だった。
動きが鈍いのがいたので、近づいてよく見たらメスの上にオスが乗っていた。
なるほどこれじゃ動きは鈍くなるはずと思いながら、芝生の上に寝転んで匍匐前進の体制でじわりじわりとにじり寄った。
目いっぱい絞りを絞り込んで超広角で迫っていく、50㎝を切るとカメラだけ差し出して更にギリギリまで寄る。
オスは気になるのかしきりにこちらに目をやったたように思えたが、バッタの目のことは詳しくはないのでわからない。
シャッターを押し続けるとオスの緊張感が、メスに伝わったのかオスを乗せたまま飛び去って行った。
まぁ、それでもオスは振り落とされることもなくしっかりとメスの背中に乗っていた。
トノサマバッタのオスも子孫を残すために、健気にも一所懸命に頑張っている。
彼の残された時間も残り少ない。