動物の森に入口にある池には、ハクチョウが数羽暮らしている。
もうしばらくすると大陸から、冬に追われるように海を越えて渡ってくるカモ達で賑やかさを増す。
池の向こうに形のいい白い雲が浮かんでいた。雲だけでは面白くもないので、ハクチョウにお出ましを願った。
タダでモデルになってくれとは虫が良すぎるので、ハクチョウの餌を売る自販機の前で小銭入れを出した。
生憎と100円玉が見当たらない。餌用の自販機は100円オンリーなので、他の硬貨は使えない。
仕方がないので水でも買ってくずそうと自販機へ。
公園の外より2割は高いだろうペットボトルのお茶を「国営公園で暴利をむさぼりやがって」とぶつくさ言いながら買った。
ハクチョウが首を伸ばすように、意地悪くなるべく手前に餌を置いてどうにか撮ることができた。
シャッターを押しながら気が付いたのだが、この2羽はカップルのようだどうも向かって左がオスのような気がする。
なんとなくメスに譲っているような気がした。カラスにも思いやりの感情があるらしいから、ハクチョウだってあるに違いない。