その花は海の中道海浜公園のフラワーミュージアム入口の右手にあり、赤紫の花をたくさんつけてマルハナバチを誘っていた。
数匹のマルハナバチが忙し気に蜜をもらって、お礼にというより動けない植物の策略にまんまとはまって体に花粉をつけて運んでいる。
ハチの中でも大きめのマルハナバチは、見ているととても愛嬌がある。
一見強面だがよほど怒らせることをしない限り刺されることはまずない。
かなり寄っていっても、お構いなしに自分の仕事に精を出している。多分お前なんぞにかまってられるかと、一蹴されているに違いない。
怒らせないように、禁断の一線を超えないようにそろりそろりと近寄っていく。
後はひたすらシャッターを押せばいい。