ひと通り撮りえてバックにカメラを収めようとしていると、目の端に木漏れ日のなかにふわりと舞い下りてくるものがあった。
何だろうとそちらに目をやると、アゲハがふわりふわりと黄色いヒガンバナに舞い降りてきた。
慌ててカメラとレンズを取り出し、驚かせないように少し遠回りして近づいた。
木漏れ日が黄色いヒガンバナに、柔らかい光をスポットで差し込んでくれる。
体を少しずつずらしながら、光の中にアゲハを取り込んでいくそれはほんの一瞬のでき事だったが。
アゲハはご褒美はこれで終わり、とばかりふわりと飛び去って行った。