日本の国蝶は、オオムラサキである。日本昆虫学会において国蝶を選定するにあたり
アサギマダラも、候補の一つに挙げられたという。
アサギマダラの成虫は、秋になると日本本土から、南西諸島遠くは台湾まで移動するという。
移動の謎を解くため捕獲した個体に、マーキングをおこない追跡調査をする。
これまで確認されたものは、和歌山県で放された個体が香港で確認されている。
その飛行距離、2500kmである。
捕食者に狙われないのか気になるところだが
アサギマダラの体内には、毒素を有し鳥などの外敵に
その羽の色で、私は危険よと知らせているという。
成虫になっての寿命は、4、5か月程度だといわれているので
まさに、飛行するために命を費やしているとしか思えない。
がっかりしながら林道を歩いていると、アザミの花にアサギマダラが羽を休めていた。
アサギマダラは、木の葉がひらひらと落ちるように飛ぶ
カメラを向けると、私の周りを飛び回りながら
なんでこんなとこにいるのと聞いてくる。
ここにいる訳を、かいつまんで話してやると、あなたってあきらめが悪い人ねという。
いや、探求心が強いと言ってよというと
私もよ、これから南の島に帰るの、あなたが歩いた道のりなんてめじゃないの・・・
初めてだからわからないけどと自信なさげに
じゃね、私は体力をつけなければと、アザミの花にひらひらと舞い留まる。
その数5匹出会ったが、この地に集まって集団で、南下すかどうかは聞きそびれた。
アサギマダラは、あの小さな体で残されたエネルギーを費やしながら、南の島をひたすら目指す。
そして、子孫が戻ってくる。
何代もかけて忘れることなく、海を見ながら瑞穂の国を目指してくる。
リチャード・ドーキンスが書いた「利己的な遺伝子」は、半分ほど読み進めギブアップした事がある。
南極にいるペンギンが、氷上で海を見つめている。
入ろうにも、天敵のアザラシがいるかもしれないからだ
時間が過ぎると待ちきれなくなって、押し合いをはじめほかのペンギンを海に落とそうとする。
真っ先に飛び込む勇気を持ったペンギンがいても、アザラシがいれば食べられてしまう。
だから、真っ先に飛び込まないように遺伝子に書き込まれる。
海を目指すチョウのように、遺伝子が書き込みをおこなったようにただ体は動く
国政選挙にかかる費用約700億も税金があれば、困った人たちを助けられる。
都合のいい解釈で、国民に信を問うという。
利己的な遺伝子を「わがままな遺伝子」と間違えて記憶していた。
テレビに映る総理大臣の、自信に充ち溢れすぎた顔を見る度に、その言葉が浮かんでくる。