おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。
先日、2冊の古本を読みました。
われわれは一体なにをしておるのか―「34年目の民主主義」を考える (1978年)
会津出身の社会科学学者小室直樹博士の稿を読みたくて手にしたのですが、<続々>については、<続々々>が欲しかったのに間違って手にしてしまいました。
このシリーズは、読売新聞大阪社会部が、民主主義について新聞に連載したものをまとめたものです。全5冊、出版されています。
小室博士の稿については、デモクラシーや言論の自由について、講義形式で一般の読者にもわかりやすく解説をしています。
内容は、1970年台後半の民主主義についてのもの。もうすでに40年近くの年月がたちますが、当時の社会の感触がとても良く伝わってきます。
間違えて手にした<続々>も、せっかくなので読んでみました。「旅の楽しさ」という稿が、とても興味深い内容でした。
ここには、モノ作りをする職人と消費者でつくる「千百人の会」事務局の横井洋一氏、野沢温泉永楽屋旅館女将の河野恵美子氏、哲学者串田孫一氏、ラジオパーソナリティとして活躍した小沢昭一氏の4氏が登場します。
論点として、企業による企業視点での商品開発に踊らされる消費者の実態と民主主義の関係が描かれています。
書かれた昭和50年代は、高度成長からバブルへと経済が変質していく時代です。
すでに庶民や学者の間で、人々が絶対的に良いものと信じていた民主主義が変質してきていることが語られています。
さて、先日、社会学者宮台真司氏が、ラジオ番組で、SMAPの終わりは民主主義の終わりだとおっしゃってました。
詳しくはPODCASTがupされているので、そちらを聴いていただくこととして、SMAPのデビューは1988年です。変質した後の民主主義を受け継いだグループが終了するというのはどういう意味を持つのか。社会における民主主義の終了というのはどういうことなのか。
近代の民主主義が大転換する社会が目前に迫ってきたようです。
何を勉強したら次の社会が予測できるのか? さしあたり、古典であるマックス・ヴェーバーの本でも読んでみようかと思っております。
今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
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